第470回 講演会「艦船のライフサイクル:歴史学・文化人類学・人文情報学の交差点」
開催要項
日程
2026年8月8日(土)
時間
13:00~15:00 (開場:12:30)
場所
歴博講堂
講師
小風 尚樹(本館研究部特任准教授)
定員
240名(先着順)
参加費
無料
備考
事前申込不要
講演趣旨
携帯電話や衣服といった日用品と同じように、海上を航行することのできる巨大な軍艦にも「ライフサイクル」があります。建造され、戦い、そして時代遅れとなった後、多くの艦は解体されて姿を消しました。しかし退役は終わりではなく、練習船・輸送船・海外への売却など、様々な「第二・第三の人生」を経て、最終的にスクラップとして製鋼業の原材料に生まれ変わるものも少なくありませんでした。
本講演では、文化人類学が「モノの伝記」と呼ぶ視点――モノが社会的な文脈の中で意味を変えながら生き続けるという考え方――を借りて、19世紀半ばから20世紀前半のイギリス海軍における3000隻超の軍艦の「その後」をたどります。さらに人文情報学の手法として、統計学の「イベントヒストリー分析」を用い、艦の種類や時代によって処分のパターンがどう異なっていたかを数値で可視化する試みや、生成AIを歴史研究に活かす実践例もご紹介します。歴史学・文化人類学・人文情報学が交差する地点から、軍艦という「モノ」の物語を読み直します。