第440回「加耶―古代東アジアを生きた、ある王国の歴史―」

歴博講演会

開催要項

日程

2022年10月8日(土)

講師

高田 貫太(考古研究系教授)

講演趣旨

加耶(かや)とは、日本列島の古墳時代と同じ頃、朝鮮半島の南部に存在した、互いに協力し、時には競い合いながら活躍した国々のことです。おおむね3~6世紀に、海上交易と鉄生産を一体として運営し、東の新羅(しらぎ)や西の百済(くだら)、海をはさんだ古代日本の倭、そして遠く中国などとも交流を重ねながら、大きな成長をとげました。しかし、新羅と百済という強国のはざまの中で、徐々に勢力が弱まり、562年には滅亡してしまいます。

本展示では、大韓民国国立中央博物館の全面的な協力のもと、加耶の墳墓から出土した金銀のアクセサリー、整美な土器、武威をしめす武器や馬具、成長の礎となった鉄、そして対外交渉をしめす外来の品々など約220点の資料を展示することにより、加耶のなりたちから飛躍、そして滅亡までの歴史を明らかにします。日本国内で加耶の至宝が一堂に会して展示されるのは、実に30年ぶりのことです。