「アイヌ文化へのまなざし-N.G.マンローの写真コレクションを中心に-」

特集展示

アイヌ文化へのまなざしのポスター画像

開催概要

開催期間

2020年12月22日(火)~2021年5月9日(日)

会場

国立歴史民俗博物館 第4展示室 特集展示室

料金

一般600円/大学生250円
高校生以下無料

開館時間

~2月 9:30 ~ 16:30(最終入館は16:00まで)
3月~ 9:30 ~ 17:00(最終入館は16:30まで)

休館日

毎週月曜日(休日の場合は開館し、翌日休館)
年末年始(12月27日~1月4日)

主催

大学共同利用機関法人 人間文化研究機構 国立歴史民俗博物館

※総合展示もあわせてご覧になれます。

※障がい者手帳等保持者は手帳提示により、介助者と共に入館無料です。

※高校生及び大学生の方は、学生証を提示してください。

※博物館の半券の提示で、当日に限りくらしの植物苑にご入場できます。 また、植物苑の半券の提示で、当日に限り博物館の入館料が割引になります。

※料金が変更になる場合があります。

趣旨

スコットランド出身の医師ニール・ゴードン・マンロー(1863~1942)は、1891年、横浜に至り医業を営みながら考古学研究をおこなったほか、アイヌ文化にも関心を深め、1930年、研究活動の拠点を北海道の二風(にぶ)谷(たに)に移し、アイヌ文化を研究した人物です。

当館は、マンローがアイヌ研究の過程で作成した写真資料のほか、クマの魂を神の国に送る儀式(イヨマンテ)の映画フィルムを所蔵しています。

本展示では、それらの写真と映像を、マンロー自身が残したテキストとあわせて展示し、マンローが、当時のアイヌ文化をどのようにヨーロッパ社会に紹介しようとしていたのかについて考えます。また、撮影されている資料の大きさや素材を理解しやすいように、参考資料として、館蔵のアイヌ関係資料を展示します。

さらに、場内ではマンロー編集の映画「The KAMUI IOMANDE」の短編を上映しますので、あわせてご覧いただければ、より関心・理解を深めていただけることでしょう。

踊る人びとを撮影する映画カメラマンの画像

踊る人びとを撮影する映画カメラマン

本展のみどころ

  • 写真を撮影したマンローの視点から、アイヌ文化について紹介します。
  • 研究する側と、研究される側との信頼関係が可能にした記録の意味について考えます

主な展示資料

  • 北海道沙流川アイヌ風俗写真 〔パネル約10点、ガラス乾板(ネガ)〕
  • 北国の神秘を語るアイヌ写真帖
  • アットゥシ(樹皮製の織物)の道具
    • イシトムシプ(腰にあてる道具)1点
    • トゥマムンニ(織られた布を巻き取る道具)1点
    • ペカウンニ(横糸を通すために経糸を上げさせる道具)2点
    • カマカプ(上下の糸を分離する道具)1点
    • ウォサ(筬。経糸の位置を整える道具)1点
    • ペラ(へら。横糸をしめる道具)1点
    • アフンカニッ(横糸を巻く棒)2点
  • 捧酒箸(イクパスイ)
  • クマ猟用仕掛け弓(クアレ)
  • 小刀(マキリ)
  • 花矢
  • ござ
  • 物入れ(シントコ)など、さまざまな漆器
  • マンロー編集の映画「The KAMUI IOMANDE」からキャプチャーした画像〔パネル5点程度〕

など計約30点(すべて当館蔵)

映画フィルムの画像

映画フィルム(部分)

「踊る人びとを撮影する映画カメラマン」の写真

1) 北海道沙流川アイヌ風俗写真「踊る人びとを撮影する映画カメラマン」 1930年

1930年12月、マンローの研究の目的で実施されたイヨマンテを、アイモという映画用カメラで撮影するカメラマンの姿。

「アットゥシ(樹皮製の織物)の様子」の写真

2) 北海道沙流川アイヌ風俗写真「アットゥ(樹皮製の織物)の様子」 1930年代

オヒョウなどの樹皮を剥ぎ、内皮の繊維から作った糸で織る。

「ござ編みの様子」の写真

3) 北海道沙流川アイヌ風俗写真「ござ編みの様子」
1930年代

ガマなどの材料でござを編む。日常の敷物には無地のござを、儀式用には文様入りのものを用いる。

「ござ」の写真

4) 北海道沙流川アイヌ風俗写真「ござ」
1930年代

文様入りのござ。

「仕掛け弓」の写真

5) 北海道沙流川アイヌ風俗写真「仕掛け弓」 1930年代

おもにクマを獲るのに用いられた。

「山刀と小刀」の写真

6) 北海道沙流川アイヌ風俗写真「山刀と小刀」 1930年代

タシロ(山刀)やマキリ(小刀)には、優れた彫刻が施されたものも多い。

「捧酒箸」の写真

6) 北海道沙流川アイヌ風俗写真「捧酒箸」 1930年代

神々に酒を捧げる時に用いる。削りかけのついた上のパスイは、特別な儀礼に用いられるもの。

展示代表

内田順子の画像

内田 順子

UCHIDA Junko

教授
博物館資源センター長,研究部民俗研究系
学術博士(総合研究大学院大学)(1997年取得)

専門分野:音楽学,民俗学
主要研究課題:音楽の伝承過程についての研究,資料批判に基づいた映像研究
所属学会:東洋音楽学会,日本音楽学会,沖縄文化協会, 日本民俗学会

学歴:東京芸術大学音楽学部楽理科(1990年卒業)
東京芸術大学大学院音楽研究科音楽学専攻(1993年修了)
総合研究大学院大学文化科学研究科国際日本研究専攻博士後期課程(1997年修了)


1999年から国立歴史民俗博物館に所属。2004年からマンローの映画の調査を開始。
主な著書『映し出されたアイヌ文化―英国人医師マンローの伝えた映像』(2020年、吉川弘文館)、『DVDブック 甦る民俗映像 渋沢敬三と宮本馨太郎が撮った1930年代の日本・アジア』(共編著、岩波書店、2016年)。