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「和宮ゆかりの雛かざり」 「描かれた寺社境内」 「伝統の朝顔」

特集展示(第3展示室)
『もの』からみる近世「和宮ゆかりの雛かざり」

開催概要

開催期間 2020年2月26日(水)~4月5日(日)
※新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のための休館により、2月27日(金)で終了いたしました。
会場 国立歴史民俗博物館 第3展示室(近世)特集展示室
料金

一般600(350)円/大学生250(200)円
高校生以下無料

(  )内は20名以上の団体
※総合展示もあわせてご覧になれます。
※障がい者手帳等保持者は手帳提示により、介護者と共に入館無料です。
※高校生及び大学生の方は、学生証等を提示してください。
※半券の提示で、当日に限りくらしの植物苑にご入場できます
※料金が変更になる場合があります。

開館時間

~2月 : 9時30分~16時30分(入館は16時00分まで)
3月~ : 9時30分~17時00分(入館は16時30分まで)

休館日 毎週月曜日(祝日の場合は開館し、翌日休館)
主催 国立歴史民俗博物館

趣旨

幕末の動乱期、波乱にとんだ生涯を送ったことで知られる和宮は、仁孝天皇(にんこうてんのう)の第8皇女として生まれ、「公武合体」の証しとして文久元年(1861)14代将軍徳川家茂(とくがわいえもち)に降嫁しました。

今回の特集展示で展示する雛人形・雛道具類(当館所蔵)は、和宮所用として伝来したもので、有職雛(ゆうそくびな)と呼ばれる種類の雛人形と、江戸七澤屋(ななさわや)製の各種雛道具、御所人形および三ツ折(みつおれ)人形などが含まれます。

上巳(じょうし)(三月三日節)にとりおこなわれる雛まつりの行事は、江戸時代に入ってから広まりをみせ、多くの女性たちの支持を集めました。儀式が定着するにつれ、その装飾は華麗なものとなり、時代時代の流行を取り入れながら、寛永雛、元禄雛、享保雛、次郎左衛門雛、有職雛、古今雛と俗称される多彩な雛人形や、精巧に作られたミニチュアの道具類が生みだされていきました。『和宮様御雛満留』(宮内庁書陵部蔵)や『静寛院宮御側日記』(同)、『和宮様おひゐな御道具』(内閣文庫蔵)などの記録によれば、和宮は、数多くの雛人形を手もとにおき、また上巳にはあちこちと雛人形を贈りあうなど、雛まつりを楽しんだようです。本館所蔵の雛人形・雛道具はその一部をなしていたと考えられ、江戸時代の文化や工芸技術を伝える資料として貴重です。

みどころ

  • 和宮所用と伝えられる雛人形は、有職雛(直衣雛)という貴族的な面立ちの上品な人形で、幕末期の富裕層における雛人形の典型的な作例です。
  • 女雛の紫地の表着(うわぎ)の模様である「菊の紋」は、1861(万延2)年に和宮に調達された赤地の唐衣(からぎぬ)の裂(きれ) にもみられることから、和宮ゆかりの品であることを示す特徴ともいえます。
  • 婚礼調度をミニチュアとして作った雛道具は、約80点を数えますが、当時の流行を反映して、ガラス製の器なども含まれます。江戸上野池之端にあった有名な雛人形店、七澤屋製と推測されます。
  • 御所人形・三ツ折(みつおれ)人形には、和宮が兄の孝明天皇(こうめいてんのう)の形見として譲渡された由緒のある人形も含まれます。

主な展示資料

内裏雛及雛道具付御所人形より

  • 有職雛(直衣雛)
  • 御所人形 孝明天皇遺物など 13躯
  • 三ツ折人形 孝明天皇遺物のうち 2躯
  • 須磨明石図屏風
  • 狗張子
  • 牡丹唐草文蒔絵雛道具
  •  

など約100点(すべて本館蔵)

 

【展示代表】

日高 薫 ひだか かおり (国立歴史民俗博物館 情報資料研究系 教授)

専門分野:漆工芸史
主な研究テーマは、蒔絵を中心とする漆工芸史および日本の装飾芸術の特質に関する研究、交易品としての漆器をめぐる文化交流に関する研究。また、在外の日本関係資料の調査研究をすすめている。
東京大学文学部美術史研究室、共立女子大学国際文化学部日本文化研究の助手を経て、1994年から国立歴史民俗博物館に所属。

1) 有職雛(ゆうそくびな)(直衣雛)

和宮ゆかりの雛人形は有職雛である。有職雛とは、有職(朝廷・公卿(くぎょう)の儀礼に関する知識)にもとづき、実際の公卿装束とかわらぬ装束を着せかけた雛人形のことをいい、18紀後半につくられ始めた。
本品の場合、男雛が直衣(のうし)を着けていることから、とくに直衣雛(のうしびな)とも呼ぶ。

2) 狗張子

3) 唐机と文具

4) 牡丹唐草文蒔絵雛道具(書棚他)

5) 十種香道具
6) ギヤマン酒宴道具 7) 小倉百人一首
8) 御所人形 9) 御所人形「牛若と弁慶」

すべて本館蔵

 

特集展示(第3展示室)
『もの』からみる近世「描かれた寺社境内」

開催概要

開催期間 2019年12月24日(火)~2020年2月2日(日)
会場 国立歴史民俗博物館 第3展示室(近世)
料金 一般600(350)円/大学生250(200)円
高校生以下無料

※( )は20名以上の団体料金です。
※総合展示もあわせてご覧になれます。
※障がい者手帳等保持者は手帳提示により、介護者と共に入館無料です。
※高校生及び大学生の方は、学生証等を提示してください。

※半券の提示で、当日に限りくらしの植物苑にご入場できます。
開館時間 9:30~16:30(最終入館は16:00まで)
休館日 毎週月曜日(休日の場合は開館し、翌日休館)
年末年始(12月27日~1月4日)
主催 大学共同利用機関法人 人間文化研究機構 国立歴史民俗博物館

みどころ

  • 松川龍椿画「京都名所図屏風」は、有名寺社のみ画かれる名所尽くしとなった洛中洛外図の究極の姿!
  • 清水寺や浅草寺など現代でも参詣客で賑わう有名寺社の江戸時代の繁栄の姿をご覧いただけます。
  • 緻密に描かれた境内の様子から、当時の人々の社寺参詣の関心のありかが垣間見えます。

趣旨

江戸時代後期には、旅や行楽などの関心の高まりを背景に、各地の名所に関するさまざまな画像が大量に制作されています。今日でも観光の主たる目的地には著名な寺社が挙げられますが、伊勢参りなど宗教的動機を表向きとした当時の旅なら、それはなおさらのことでした。

たとえば、緻密な挿絵をともなう地誌である名所(めいしょ)図会(ずえ)において、もっとも頻度が高く、かつ大きくとりあげられているのは由緒ある寺社であり、寺社の由緒や古歌、寺宝などの紹介とともに境内の精細な俯瞰図が添えられています。江戸後期の錦絵の中には、名所図会を模した俯瞰図も散見されます。

多くの参拝客を集める寺社そのものが制作に関与した一枚刷の境内図も多数残っています。参拝客は実際にそれを手にとって境内や周辺の名所を経巡ったとともに、旅の土産としても持ち帰ったのでしょう。京都の名所を描く洛中洛外図屏風も、次第に名所尽くし絵の傾向を強めていき、江戸末期には当館所蔵の松川龍椿「京都名所図屏風」のように、有名な寺社の俯瞰図だけで構成されたものさえ描かれるようになります。

本展では、主として江戸時代後期に制作・出版された寺社の俯瞰図を約15点紹介します。当時の境内の様子を、屏風などの絵画作品、あるいは名所図会などの版本や錦絵、一枚刷境内図などをとおして概観して頂けます。令和最初の年始に、江戸時代の寺社の境内図を初詣してみませんか。

Memo

名所(めいしょ)図会(ずえ)とは
江戸時代後期に流行した通俗地誌兼名所案内書。名所旧跡や寺社などの由来を記し、関連する和歌などを紹介する文章に、名所を細密に画いた挿絵を添える。貸本屋などを通して読み物として広く親しまれた。代表的なものに『都名所図会』『東海道名所図会』『江戸名所図会』などがある(後ろの2書は展示予定)。

主な展示資料

松川龍椿「京都名所図屏風」右隻
江戸時代末期 国立歴史民俗博物館蔵

・松川龍椿画 京都名所図屏風
・諸国名所図手鑑
・歌川広重画 東都名所・浅草金龍山
・増補江戸名所古跡神社仏閣案内記
・総州成田山絵図

など約15件、すべて本館蔵

 

1) 松川龍椿「京都名所図屏風」左隻 江戸時代末期 国立歴史民俗博物館蔵

右隻に京都市街と東山方面、左隻に同じく市街地と西山方向を描く洛中洛外図の第二定型の構成にならっていますが、定番の内裏や二条城などは描かれず、ほとんど著名な寺社の細密な俯瞰図のみで構成されています。

2) 諸国名所図手鑑 江戸時代中期 
国立歴史民俗博物館蔵

京都を中心に住吉大社や厳島神社など諸国の有名な寺社の境内を画き集めた画帖で、町絵師の手になるものと考えられます。扇面などの小画面に名所や祭礼を画くのは中世以来の伝統です。

3) 歌川広重 東都名所・芝神明増上寺全図 天保(1830~44)後期
国立歴史民俗博物館蔵

名所絵の第一人者である歌川広重の描く江戸名所の俯瞰図シリーズ。芝神明宮(画面右下)と増上寺を描くこの図は、『江戸名所図会』巻1の挿絵「三縁山増上寺」にもとづいています。

 

【展示代表】

大久保 純一(国立歴史民俗博物館 情報資料研究系 教授)
専門は浮世絵を中心とした江戸絵画史。
主な著書に、『広重と浮世絵風景画』(東京大学出版会、2007年)、『カラー版 浮世絵』(岩波新書、2007年)、『浮世絵出版論』(吉川弘文館、2013年)など。

 

特集展示(第3展示室)
『もの』からみる近世「伝統の朝顔」

開催概要

開催期間 2019年7月30日(火)~9月8日(日)
会場 国立歴史民俗博物館 第3展示室 特集展示室
料金 一般600(350)円/大学生250(200)円
高校生以下無料
(  )内は20名以上の団体

※障がい者手帳等保持者は手帳提示により、介護者と共に入館無料。
※高校生及び大学生の方は、学生証等を提示してください。 (専門学校生など高校生及び大学生に相当する生徒、学生も同様です)
※開館日・開館時間・料金を変更する場合があります。

開館時間 9:30~17:00(最終入館は16:30まで)
休館日 毎週月曜日(休日の場合は開館し、翌日が休館)
※8月13日(火)は開館します
主催 大学共同利用機関法人 人間文化研究機構 国立歴史民俗博物館

趣旨

当館では、くらしの植物苑において変化朝顔を系統維持するとともに、1999年より毎年、特別企画「伝統の朝顔」展を開催してきました。本館においても、1999年・2000年には特別企画を、2008年には特集展示を開催して朝顔に関する歴史資料を公開してきました。

本年はくらしの植物苑の特別企画が20周年を迎えたことを記念して、第3展示室「「もの」からみる近世」において、館蔵品の中から、朝顔に関する図譜や園芸書、美術工芸品を選んで展示し、近世・近代における朝顔にまつわる文化を紹介します。

みどころ

  • 『園芸文化としての朝顔の育成のブーム』と『デザインやイメージとして人々にうけとめられた朝顔』という二つのテーマで展示します。
  • 館蔵品の中から、朝顔に関する図譜や園芸書、美術工芸品を選んで展示し、近世・近代における朝顔にまつわる文化を紹介します。

本特集展示は、『園芸文化としての朝顔の育成のブーム』と『デザインやイメージとして人々にうけとめられた朝顔』という二つのテーマで展示します。

前者では、文化・文政期(1804~30年)と嘉永・安政期(1848~60年)の二度のブームを迎え、さらに明治20年代から大正期にブームの再燃したことを、館蔵品の朝顔図譜・番付・園芸書などから紹介し、それぞれのブームの担い手や花の趣味などの違いを示します。

後者では、朝顔をイメージした歌舞伎のキャラクターや朝顔を描いた錦絵、朝顔がデザインされた染織品や漆器など、朝顔にちなんだ絵画や工芸品を館蔵品から展示。変化朝顔の栽培には、手間・暇・場所と一定の知識が必要で、庶民が自ら栽培できるようなものではなかったため、多くの人々が愛し続けた朝顔は、誰にでもそれとわかるような朝顔であったことを紹介します。

 

【展示代表】

澤田 和人 さわだ かずと(国立歴史民俗博物館 情報資料研究系 准教授)
専門は染織史。服飾史。絵画史(絵巻)。特に、中世を中心とする染織および服飾・衣装風俗に関する研究をしている。1998年に文学修士(大阪大学)を取得。

 

主な展示資料

・増補地錦抄
・あさがほ叢(そう) 
・朝顔三十六花撰 
・三都一朝 
・変化朝顔図 
・助六廓花見時 
・朝顔花鳥螺鈿ゲーム箱

など約45件、すべて本館蔵

10) あさがほ叢 1817(文化14)年刊 
国立歴史民俗博物館蔵

変化朝顔の第一次ブーム(文化・文政期)に江戸で最初に刊行された朝顔図譜。朝顔流行の経緯と作り方のマニュアルに加え、100図の美しい彩色図が収録されている。
11) 朝顔花鳥螺鈿ゲーム箱 江戸時代後期~明治時代初期 
国立歴史民俗博物館蔵

19世紀にオランダ人の注文によってヨーロッパ向けに輸出された漆器。内部に小箱4合を収め、小箱の中にはカードゲームで用いる貝製のチップ(中国製)が入っている。
12) 三代歌川豊国画 今様三十二相・よねんなさ相 
1859(安政6)年 国立歴史民俗博物館蔵

摘み取った朝顔の花を重ねることに「余念無さそう」な美人を描く。このような楽しみ方は当時よく行われたようで、その状態で水盤や茶碗にいけた様子が北斎一派の絵にも見いだせる。
13) 高橋其堂画 変化朝顔図 1914(大正3)年 
国立歴史民俗博物館蔵

変化朝顔の第三次ブーム(明治20年代から大正期)に活動した最大の団体東京朝顔研究会の会誌の口絵を飾った原画。描かれたのは、会の品評会で評価された優秀作品であった。

 

関連の催し物

歴博フォーラム

植物学の面から朝顔の形と色について、「伝統の朝顔」を企画した立場からその経緯について、そして歴史学の面から朝顔に関する書籍と浮世絵について講演します。ぜひ、午前中にくらしの植物苑で朝顔の実物を見学してからお越しください。
詳細はこちら

日時 2019年8月17日(土) 13:00~16:30
会場 国立歴史民俗博物館 講堂
備考 事前申込制(れきはくホームページ内申込みフォームもしくは往復はがきにて6月17日から受付)

司会/青木 隆浩(本館 民俗研究系 准教授)
講師/辻 誠一郎「くらしの植物苑特別企画『伝統の朝顔』の始まり」
   仁田坂 英二「変化朝顔の起源を探る」
   星野 敦「DNAで紐解く黒白江南花(こくびゃくこうなんか)の謎」
   日野原 健司「浮世絵版画からみた朝顔」
   平野 恵「書物に見る江戸の朝顔」