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「楽器と漆」(第3展示室)「国立公園 今昔」(第4展示室)

「楽器と漆」(第3展示室)

開催概要

開催期間 2017年7月11日(火)~ 9月3日(日)
会場 国立歴史民俗博物館 第3展示室(近世)副室
料金 一般420(350)円/高校生・大学生250(200)円
中学生以下無料
(  )内は20名以上の団体
※総合展示もあわせてご覧になれます。
※毎週土曜日は、高校生の入館が無料です。
開館時間 9時30分~17時00分(入館は16時30分まで)
休館日 毎週月曜日(祝日の場合は開館し、翌日が休館)
※8月14日(月)は開館します
主催 大学共同利用機関法人 人間文化研究機構 国立歴史民俗博物館


※画像クリックでチラシが開きます(PDF)

趣旨

古来、楽器の制作にあたっては、しばしば漆工技術が用いられてきました。
それは、第一に、漆の接着剤やコーティング剤としての実用的な側面が、音を奏でる道具としての楽器の制作に不可欠であったこと、第二に、外観上の美しさや貴さが求められた楽器にとって、艶やかな漆の塗装面や多彩な装飾技法がふさわしいとみなされたためでしょう。
今回の特集展示は、同時開催の企画展示「URUSHIふしぎ物語-人と漆の12000年史-」と連動し、漆利用という観点から楽器を見直していただきたいと思います。
本展では、本館が所蔵する紀州徳川家伝来楽器コレクションや生田コレクション 鼓胴(こどう)などの中から、漆技術を用いた楽器とその附属品を約60点展示します。楽器と漆の深い関わりに注目し、漆を用いた豊かな文化の一端をご紹介します。

展示場内では、機能と美的効果を兼ね備えた漆の使用例として、笛の樺巻(かばまき)、琴の塗装をとりあげるほか、笙(しょう)の匏(ほう)(頭)や箏(こと)の龍頭・龍尾など楽器自体に施された装飾、楽器を収納するための筒や箱の装飾、また、能楽で用いられる鼓の胴に表される機知に富む蒔絵意匠などを中心に展示を構成します。

なお、今回展示する生田コレクションは、当館受け入れ以来、初公開です。

企画展示「URUSHIふしぎ物語-人と漆の12000年史-」とあわせてぜひご覧ください。

『紀州徳川家伝来楽器コレクション』とは?

紀州藩の第十代藩主徳川治宝(とくがわはるとみ、1771~1852)が収集したわが国最大級の古楽器のコレクションです。笙や篳篥(ひちりき)、琵琶などの雅楽器を中心に、楽譜、その他の附属品、附属文書から構成されており、総点数161件(233点)を数えます。

『生田コレクション鼓胴』とは?

明治大正期、大阪麦酒会社(現アサヒビール株式会社)の創業に携わった生田秀(ひで、または ひいず)氏と、その長男で鼓胴研究者として知られる生田耕一(筒哉)氏とが、二代にわたり収集した能楽関係コレクションで、小鼓胴91点・大鼓胴8点、ほか関係資料からなります。室町時代以降の幅広い時代にわたる鼓胴が含まれ、美術工芸的にも価値の高いものです。

みどころ

・生田コレクションから、蒔絵螺鈿の美しい装飾のある鼓胴(こどう)を、本館受け入れ後、初公開!
・機能と美とを兼ね備えた楽器の漆装飾をお楽しみください。

【展示代表】

日高 薫 ひだか かおり(国立歴史民俗博物館 研究部情報資料研究系 教授)

専門は漆工芸史。
主な研究テーマは、蒔絵を中心とする漆工芸史および日本の装飾芸術の特質に関する研究、交易品としての漆器をめぐる文化交流に関する研究。また、在外の日本関係資料の調査研究をすすめている。東京大学文学部美術史研究室、共立女子大学国際文化学部日本文化研究の助手を経て、1994年に国立歴史民俗博物館に勤務。

主な展示資料

紀州徳川家伝来楽器コレクションより
 ・龍笛(りゅうてき)(銘「青柳」)鎌倉時代
 ・一節切(ひとよぎり)(銘「山風」)桃山~江戸時代初期 大森宗勲作
 ・笙(しょう)(銘「真具寿」)鎌倉時代
 ・袖笙(そでしょう)(銘「燕子」)江戸時代 山本藤右衛門作
 ・袖笙(そでしょう)(銘「鈴虫」)江戸時代
 ・枝垂桜蒔絵三管箱(しだれざくらまきえさんかんはこ) 江戸時代
 ・七絃琴(しちげんきん)「冠古」

生田コレクション 鼓胴より
 ・源氏夕顔蒔絵小鼓胴(げんじゆうがおまきえこつづみどう)
 ・真葛蒔絵小鼓胴(まくずまきえこつづみどう)
 ・龍田川蒔絵小鼓胴(たつたがわまきえこつづみどう)

計70点 (展示替えあり)

 

1) 一節切(ひとよぎり)(銘「山風」)
(紀州徳川家伝来楽器コレクションより)

一節切(ひとよぎり)は尺八の一種で、竹管に節を一つだけ含むことからこの名があります。

全面に漆を塗り、樺巻はさらに赤と黒に塗り分けています。

 

2) 袖笙(そでしょう)(銘「燕子(えんし)」)
(紀州徳川家伝来楽器コレクションより)

「袖笙(そでしょう)」の呼び名は、袖に入れて携帯できることに由来するといいます。匏(ほう)には、梨地に金蒔絵で、飛び交う愛くるしい燕が描かれます。

3) 袖笙(そでしょう)(銘「鈴虫」)
(紀州徳川家伝来楽器コレクションより)

「袖笙(そでしょう)」とよばれる通常より小振りの笙。匏(ほう)に平蒔絵で秋草に鈴虫の意匠を表しています。

4) 枝垂桜蒔絵三管箱(しだれざくらまきえさんかんばこ)
(紀州徳川家伝来楽器コレクションより)

笙・龍笛・篳篥の三管を納めるための箱です。金・銀・青金の薄肉高蒔絵で枝垂桜と葵紋を表した華麗なものです。

5) 七絃琴(しちげんきん)「冠古(かんこ)」
(紀州徳川家伝来楽器コレクションより)

中国製の琴は江戸時代の文人たちに好まれました。漆表面の美しい断文(亀裂)から「梅花断」の別銘をもつ古い楽器です。

6) 真葛蒔絵小鼓胴
(生田コレクション 鼓胴より)

金蒔絵に螺鈿を交えて、秋の野に繁茂する葛を描いています。

7) 龍田川蒔絵小鼓胴
(生田コレクション 鼓胴より)

流水に紅葉が漂う風情を、平蒔絵に絵梨地を組み合わせた技法で表しています。

8) 紫陽花蒔絵太鼓 (生田コレクション 鼓胴より)

紫陽花の色が変化することを、太鼓の音色に掛けた意匠です。蒔絵は古満休伯(こまきゅうはく)。

※すべて国立歴史民俗博物館蔵

関連イベント

ギャラリートーク

日程 時間 担当者
7月29日(土) 11:00~11:40
日高 薫 (当館情報資料研究系)

※開始時間までに第3展示室副室にお集りください。

 

「国立公園 今昔」(第4展示室)

開催概要

開催期間 2017年8月1日(火)~2018年1月8日(月祝)
会場 国立歴史民俗博物館 第4展示室 副室
料金 一般420(350)円/高校生・大学生250(200)円
中学生以下無料
※(  )内は20名以上の団体料金
※総合展示もあわせてご覧になれます。
※毎週土曜日は、高校生の入館が無料です。
※障がい者手帳等保持者は手帳提示により、介護者と共に入館無料
開館時間

~9月 9:30~17:00(最終入館は16:30まで)
10~2月 9:30~16:30(最終入館は16:00まで)

休館日 毎週月曜日 (祝日の場合は翌日休館)、年末年始(12月27日~1月4日)
主催 大学共同利用機関法人 人間文化研究機構 国立歴史民俗博物館

趣旨

『美しい風景やそれに関連する文化・歴史を守るために、法律や自主ルールなどによって管理される場所』という意味で、「保護地域」という用語が使われます。「世界遺産」、「国立公園」、「名勝」、「天然記念物」などが保護地域に含まれるといわれれば、具体的なイメージを思い浮かべることができるかと思います。

今回の特集展示では、「保護地域」に対する人々の関心や価値の移り変わりを、絵葉書、チラシ、土産物などの資料から読み解いていきます。とりわけ、戦前期から地域の観光業や自然保護のあり方に大きな影響を与えた存在として、「国立公園」を抜きに語ることはできません。今回の展示では、国立公園に主な焦点を当てながら紹介していきます。

さらに、展示代表者が長年かかわってきた「屋久島国立公園」(鹿児島県屋久島町)における文化・歴史的な遺構・映像を紹介するコーナーも設け、最新の研究情報を来館者にお届けします。

みどころ

  • 国立公園の魅力(価値)が時代と共に移り変わっていく様子を、絵葉書などを使ってわかりやすく紹介します。
  • 戦争が国立公園に及ぼした影響や、日本統治時代の台湾に誕生した国立公園も紹介します。
  • なかなかお目にかかることがなくなった土産物(ペナント、通行手形、提灯)も含めて、国立公園や世界遺産関連の観光商品を紹介します。
  • 歴博民俗研究映像「屋久島の森に眠る人々の記憶」を公開します。

【展示代表】

柴崎 茂光 しばさき しげみつ/国立歴史民俗博物館 研究部 民俗研究系 准教授
専門は林業経済学/民俗学
主な研究テーマは、「開発行為や規制政策が地域社会に及ぼす影響について」
東京大学農学部を卒業後、東京大学大学院農学生命科学研究科助手、岩手大学農学部助教授(2007年4月~ 准教授)を経て、2010年より国立歴史民俗博物館に勤務

主な展示資料

国立公園の指定に向けた調査報告書や戦中期の「健民」運動に関する文書
・国立公園候補地調査報告書 個人蔵
・健民運動チラシ 国立歴史民俗博物館蔵

国立公園に関連した土産物・商品など(戦前・戦後含む)
・国立公園関連の観光チラシ・パンフレット 個人蔵・千葉県立中央博物館蔵
・日本八景木曽川絵葉書 国立歴史民俗博物館蔵
・国立公園関連の絵葉書(戦前期台湾含む) 個人蔵・千葉県立中央博物館蔵
・観光ペナント・通行手形・提灯などの土産物 個人蔵・千葉県立中央博物館蔵
・山岳信仰に関連した資料(金剛杖、御朱印帳など) 個人蔵

近年のトピック
・三陸復興国立公園のチラシ、グッズなど 個人蔵
・屋久島に関連した民俗研究映像(映像コーナー) 国立歴史民俗博物館蔵

※このほかに、現在の国立公園関連のポスターを展示場に掲示します。

計約140点(展示替えがあります)

1) 絵葉書表紙「日本八景木曽川」 
1920年代後半~1930年代前半か、国立歴史民俗博物館蔵

昭和初期には国立公園ブームだけでなく、日本八景ブームもあった。近年の世界遺産・日本遺産・ジオパークブームと類似している。

2) 観光パンフレット「大日光国立公園候補地」  
1930年代、個人蔵

大正期~昭和初期(1910年代半ば~1930年代初め)は、国立公園の「候補地」となることで観光地としての価値が高まった。

3) 調査地図「大沼国立公園候補地」 
1930年代前半、個人蔵

北海道の大沼は、候補地になったものの国立公園に指定されず、1958年に「大沼国定公園」に指定された。幻の「大沼国立公園」地図といえる。

4) 外国人来訪者向け観光ガイドブック 「富士箱根国立公園」
1930年代後半か、個人蔵

ジャパンツーリストビューロー(略称 JTB)や交通機関は、外貨獲得にむけて外国人向けのガイドブックやチラシを発行した。

5) 観光ガイドブック 「国立公園屋島讃岐遊覧案内」
1930年代後半か、千葉県立中央博物館蔵

平安時代末期の武将だった那須 与一が屋島の戦いで扇の的を射る場面が表紙なのが興味深い。

6) 健民運動を呼びかけるチラシ(長崎県)
1940年代前半、国立歴史民俗博物館蔵

戦時期は、国家が国民に対して 「健康」であることを強制した時代ともいえる。健民運動は、観光を含む国民生活全般に影響を及ぼした。

7) 絵葉書表紙「新高阿里山(にいたかありさん)の風景」
1930年代~1940年代前半か、個人蔵

1937(昭和12)年、日本統治下の台湾において、新高阿里山国立公園など3か所が国立公園に指定された。

8) 「富士登山勝地漫画」
1930年代前半、個人蔵

戦前期にも様々な土産物が販売されていた。漫画絵巻もその一例であり当時の登山形態がわかる。

9) 絵葉書「トンネル内からみえる男体山(日光国立公園)」
1930年代後半~1940年代前半か、個人蔵

「近代的」な道路が観光資源として位置づけられる時代もあった。

関連イベント

歴博講演会

第403回「自然の中の文化・歴史を守る」
日時 9月9日(土)13:00~15:00
講師 柴崎 茂光(展示プロジェクト代表・当館民俗研究系准教授)
会場 国立歴史民俗博物館 講堂(定員260名)

入場無料、事前申込不要

 

ギャラリートーク

展示プロジェクト委員によるギャラリートークを開催します。

日時 9月9日(土)11:00~11:40
解説 柴崎 茂光(展示プロジェクト代表・当館民俗研究系准教授)

※開始時間までに第4展示室副室にお集りください。

※内容は変更する場合があります。ご了承ください。