総合展示室および企画展示室で特別展示される主な資料です。貴重な原品は長期間の展示に耐えられないため、期間限定で展示されます。この機会をお見逃しなく!
(予告なく変更されることがあります。)

このページの目次
第2展示室 第3展示室 第4展示室

第2展示室

「王朝文化」-王朝貴族の服装
2023年11月28日から冬服に衣替えしました。

王朝文化 終了予定日:2024年4月14日(日)

名称・説明 時代 数量
【重要美術品】大乗止観法門 巻下并後序 本館蔵
中国・南北朝時代(6世紀)に成立した仏書。その後、中国では失われていたが、宋・咸平3年(1000)に日本人の僧円通大師寂照が本書を携えて宋に渡り、再び中国で広まるようになった。本巻は鎌倉時代中期頃の写本で、朱書の乎己止点は西墓点である。
13世紀 1巻
覚禅鈔 地天 (地天法) 本館蔵 鎌倉時代 1巻
摩利支天抄 本館蔵
摩利支天(護身・勝利などをつかさどる武士の守り本尊)に関する儀式軌則やさまざまな事柄について、諸書から記事を引用し集成した書。12世紀の写本で、全文にわたって同時期の墨書の仮名・返り点などが加えられている。
12世紀 1巻
源氏物語 松風 (旧高松宮家禁裏本) 本館蔵
伏見宮邦高親王・近衛政家・一条冬良ら、公家や僧侶が54帖を各帖ごとに分担して書写したもの。冬良が統轄者で、各帖に冬良自身の奥書がある。本文は『源氏物語』の中でも河内本系に属する。
14世紀 1巻
詞花和歌集 (旧高松宮家禁裏本) 本館蔵
第6番目に撰定された勅撰和歌集で、仁平元年(1151)頃に成立した。本書は鎌倉時代末から南北朝時代の頃に書写されたものかと推定される。精撰本(再奏本)系統の古写本の一つである。
14世紀 1巻
北山抄 巻第二 複製 原品:前田育徳会尊経閣文庫蔵
平安時代中期に藤原公任(966~1041)によって作られた私撰の儀式書。書名は公任が晩年に隠棲した京都・北山の地名による。恒例・臨時の儀式、太政官の政務、国司の行事などを記す。全10巻。展示個所は11月新嘗会における豊明節会の部分。本書の原本は平安時代後期の写本である。
平安時代 1巻
内裏式 中巻 複製 原品:宮内庁蔵(九条家本)
平安時代前期に嵯峨天皇が右大臣藤原冬嗣(775~826)らに命じて撰定させ、弘仁12年(821)に奏上された最初の勅撰の儀式書。全3巻。正月から12月までの年中行事と4項目の臨時行事とから構成される。展示個所は11月新嘗会の部分。本書の原本は鎌倉時代後期の写本である。
鎌倉時代 1巻

王朝文化 終了予定日:2024年5月19日(日)

名称・説明 時代 数量
類聚雑要抄 巻第三 複製 原品:本館蔵
貴族階級に必要な有職(宮廷の儀礼等に関する知識)についてまとめた書。12世紀末頃に成立。饗宴の際の饗鐉(もてなしの膳)や寝殿の内部とその調度などを、彩色によって詳細に描いている。平安時代末期の有職故実研究の重要な資料。
18世紀 1巻

王朝文化 終了予定日:2024年7月21日(日)

名称・説明 時代 数量
紙本墨書宮城図 複製 原品:京都府 陽明文庫蔵
宮城図(大内裏図)・内裏図・八省院図(朝堂院図)・豊楽院図を収める。『延喜式』(九条家本)の付図とともに平安時代の大内裏の様子をうかがわせる重要な資料。巻末に元応元年に僧頼円が鎌倉の足利上総前司の館で書写した旨の奥書がある。
元応元(1319)年 1巻
御堂関白記 上巻 複製 原品:京都市 陽明文庫蔵
藤原道長(966~1027)39歳の年の自筆日記。時に正二位左大臣で、公卿の筆頭の地位に昇っていた。道長の自筆日記は現在14巻が伝わっており、いずれも一日分3行取りの具注暦(日の吉凶などの注があらかじめ書き込まれている暦)の行間余白に日記を書いている。
寛弘元(1004)年 1巻

印刷文化 終了予定日:2024年3月31日(日)

名称・説明 時代 数量
【国宝】宋版史記(黄善夫刊本) 巻四四 本館蔵
史記集解・索隠・正義の三注合刻本で、全130巻完存した現在最古本。「建安黄善夫刊・于家塾之敬室」の刊記があり、建安(現在福建省)で刊行。直江兼続・上杉藩校興譲館伝来。
南宋慶元年間(1195~1201)刊 1冊
【重要文化財】宋版備急千金要方(びきゅうせんきんようほう) (金沢文庫本) 巻第一五下 本館蔵
唐代に成立した医書。本書の開版は南宋の孝宗〈1163~1190〉頃のことと推定される。本文中には補刻の部分も多いが、13世紀初期のものと考えられる。金沢文庫の黒印が押されている。
南宋・12世紀後期刊 1冊
新刊五百家嘉慶註音弁唐柳先生文集 五山版 巻第三九 本館蔵
刊記に見える兪良甫は、明国福建仁徳里台諫坊の住人であったが、わが国に渡来し、京都に住んで、五山版の刊行に携わった。彼の他にも明の刻工が来朝しているが、その活躍を示すものである。
嘉慶元年(1387)刊 1冊
版本法華疏記(ほっけしょき) 叡山本 巻第一〇 本館蔵
本書は、法印権大僧都承詮が願主となり、弘安5(1282)年~永仁4(1296)年頃にかけて、開版したもの。叡山版は、南都版や高野版に比して遺品が少なく貴重。版下筆者に宋人了一の名が見える。
13世紀末刊 1冊
版本群書治要 古活字版(銅活字)駿河版 巻三五
徳川家康は駿府(静岡市)に隠棲後、銅活字を鋳造して印刷を行わせたが(いわゆる駿河版)、本書はその一つである。そのときの銅活字は現存し、重要文化財に指定されている。
元和2(1616)年刊 1冊
版本大学衍義 朝鮮活字版 巻第八 本館蔵
本書は、朝鮮で宣徳9年(1434・甲寅年)に鋳造された銅活字「甲寅字」によって印刷されている。その文字・印刷は美しく、朝鮮における銅活字印刷技術の水準の高さをよく示している。
16世紀 1冊
版本貞観政要 巻第六 本館蔵
関ヶ原合戦直前の慶長5年2月、西笑承兌が徳川家康の命により刊行した旨の刊記がある。ここには家康が、秀吉の遺命により秀頼をよく輔佐していることを讃えているのが注目される。
慶長5(1600)年刊 1冊
版本源氏物語 古活字版 御法 本館蔵
源氏物語の最古の版本として著名。標題は光悦風の書で、いわゆる嵯峨本の一つとされている。刊記はないが、慶長年間(1596~1614年)頃に木活字をもって印刷されたものである。
17世紀初期 1冊
版本太平記 巻第二一・二二 本館蔵
太平記は古活字版の国文学書の中でも最も早く開版され、重版も多い。本書も刊記には「慶長十五年(1610)」とあるが、開版時の刊記を継承した元和~寛永ころの重版と推定される。
17世紀前期 1冊

東国と西国 終了予定日:2024年3月31日(日)

名称・説明 時代 数量
山城国神護寺与小野山堺相論絵図 複製 原品:神護寺蔵
現京都市右京区高雄に所在する神護寺の寺領と、隣接する主殿寮領小野山との堺相論に際して作成された絵図。朱で境界線が引かれ、神護寺と高山寺の伽藍も見える。裏面には年紀と当事者らの署判がある。
寛喜2(1230)年 1幅
薩摩国伊作庄日置北郷下地中分図 複製 原品:東京大学史料編纂所蔵
伊作庄は現鹿児島県日置郡日吉町付近。荘園領主は本所が近衛家、領家が興福寺一乗院で、鎌倉末期の元亨4年(1324)に地頭大隈氏との間で下地中分が行われ、中分線を明確にするために本図が作成された。
元亨4(1324)年 1幅
伊予国弓削嶋庄下地相分差図 複製 原品:京都府立総合資料館蔵
弓削島庄は現愛媛県越智郡弓削町に所在する東寺領荘園。塩の産地として知られ、『兵庫北関入船納帳』にも港名として頻出する。地頭小宮氏と相論が繰返され、領家方三分二、地頭方三分一の下地分割が行われた。
嘉元4(1306)年頃 1幅
越後国荒河保与奥山庄堺相論絵図 複製 原品:新潟県立歴史博物館蔵
荒河保の地頭河村秀通と奥山庄の地頭和田茂長の間で堺相論が起こり、これを鎌倉幕府が裁許した際に作成された絵図。和与堺が朱線で描かれ、その両側に執権北条貞時と連署北条宣時の花押が据えられている。
正応5(1292)年頃 1幅

民衆の生活と文化 終了予定日:2024年3月31日(日)

名称・説明 時代 数量
年中行事絵巻 巻第九 複製 原品:京都芸術大学蔵
原本は後白河法皇が作らせた60余巻の絵巻。近世の模写で一部が伝存する。展示しているのは、「祇園御霊会」や「稲荷御霊会」などの祭礼の様子を描いた部分。「御霊会」は、病気をはやらせる貴族や天皇の怨霊をなぐさめて病魔を退散させようとした祭礼で、都の祭りはこれから始まった。
12世紀 1点

大名と一揆 終了予定日:2024年3月31日(日)

名称・説明 時代 数量
紺糸威胴丸 本館蔵 15~16世紀 1領
醍醐山上慈心院文書 第一巻 (田中穣氏旧蔵典籍古文書) 本館蔵

醍醐山上(上醍醐)に所在していた慈心院に伝わった全七巻の文書群。第一巻は南北朝期以降の売券を張り継いだもので、その多くを戦国期のものとする。

右の文書は、醍醐寺僧実応が所有していた百姓職の売券。この耕地に何らかの問題が発生した場合、売主として対応すると記されており、元の持ち主は売却後もその土地との関係性は消滅しなかった。

左の文書は田地二反の売券。紙背に記されている内容から、二反のうち一反が天文四年に醍醐慈心院に売却されたことが判明する。

民部法眼実応田地百姓職売券
写真 釈文(読み)
得賀田地売券
写真 釈文(読み)

南北朝~戦国時代 1巻
羽柴秀吉書状(はしばひでよししょじょう) 平沼文書 本館蔵

羽柴秀吉(はしばひでよし)が、上杉景勝(うえすぎかげかつ)の家臣である直江兼続(なおえかねつぐ)と狩野秀治(かのうひではる)に宛てて出した書状。賤ヶ岳(しずがたけ)合戦後に柴田勝家(しばたかついえ)を滅ぼしたことを告げるとともに、景勝が事前の約束通りに出兵しなかったことを責めている。

本文書は薄い雁皮紙(がんぴし)に書かれている。雁皮紙は戦国大名間の外交的な文書によく使用された。

羽柴秀吉書状
写真 釈文(読み)

天正11(1583)年
4月29日

1巻

大航海時代のなかの日本 終了予定日:2024年3月31日(日)

名称・説明 時代 数量
花樹鹿虎蒔絵螺鈿洋櫃 本館蔵 桃山時代
(16~17世紀)
1隻
花鳥蒔絵螺鈿抽斗付平櫃 本館蔵
オランダ東インド会社の記録によれば、1635年から45年にかけて、輸出品の櫃の形式が、従来のドーム形の蓋をもつ櫃から、平らな蓋をもつ櫃へと徐々に変化していったことがわかる。南蛮様式の輸出漆器の最末期にあたるもの。
江戸時代初期
(1630年代~40年代)
1領
藤秋草鳥蒔絵螺鈿箪笥 本館蔵
通常の書箪笥より、やや小ぶりの箪笥。東インド会社の記録によれば、1635年から45年の時期を境に、前蓋のかわりに観音開きの扉をもつ箪笥の輸出量が増えている。ただし、本資料は、新しい需要にあわせてヨーロッパで改装されたものであろう。
桃山時代
(16~17世紀)
1領

大航海時代のなかの日本 終了予定日:2024年5月12日(日)

名称・説明 時代 数量
錆地五枚胴具足 本館蔵
甲冑はその時代の主要武器のありようを反映している。弓矢が盛んだと大鎧。刀や薙刀だと腹巻・胴丸の類である。さらに鉄砲や鑓の歩兵集団戦が主体になると、鑓先や玉を外すために鉄板仕立の新様式の当世甲冑が流行した。
文禄3年5月(1594) 1領

第3展示室

国際社会のなかの近世日本 終了予定日:2024年3月31日(日)

名称・説明 時代 数量
アットゥシ(樹皮衣)子供着 本館蔵
オヒョウなどの樹皮繊維でつくられた織物および服飾のこと。アイヌの人びとの自家用のほか、和人との交易品としても生産された。和人社会では、漁場労働や海上運輸の作業着として好まれた。また、歌舞伎衣裳として錦絵に描かれ、広く珍重されていた様子がうかがえる。
19~20世紀 1点
グスタフⅢ世肖像図蒔絵プラケット 本館蔵

肖像図蒔絵プラケット
王侯など著名人の肖像を蒔絵で表したプラケットは、壁に掛けて装飾とするもので、1780年から1800年前後にかけての比較的短い期間に、オランダ人の注文を受けて輸出された。銅板に漆を焼き付け、精巧な蒔絵や螺鈿の漆工技術で西洋の銅版画の図柄を写しとっている。

1788年 1点

国際社会のなかの近世日本 終了予定日:2024年4月14日(日)

名称・説明 時代 数量
朝鮮通信使奉呈品目録 本館蔵
1682(天和2)年の通信使が、馳走役に当たった石見藩主のむすこ亀井松之助(後の茲親)に贈った朝鮮人参、色紙、筆、墨、白苧布などを記載したもの。通信使とかれらに接した日本の人びとが、頻繁に贈答交換をしていたことを表すものとして興味深い史料。
天和2(1682)年 1点
朝鮮人渡海舩之図 本館蔵

近藤清信 画
江戸清元町伊賀屋版。1711(正徳元)年の通信使来日を見込んで、沿道に集まる見物人に売る目的で制作されたもの。描いた船も、「朝鮮人」も、とりわけ帆柱での曲芸など、絵師が想像したものであって、実際のそれとは大きくかけ離れている。

18世紀 1点

国際社会のなかの近世日本 終了予定日:2024年5月19日(日)

名称・説明 時代 数量
ニンカリ(耳環) 本館蔵

アイヌの耳環は耳たぶに穴を開けて装着するピアスタイプのものを用いている。銀製のものや、錫、鉛などの金属を主として、下辺部にガラス玉や金属、絹片などの装飾をつける。金属部分は日本製のものが多い。

 

1点
トゥキ(杯・脚)・イクパスイ 本館蔵

アイヌの祭具のうち、酒に関わるものは漆器が多い。特に漆椀(トゥキ)を天目台に載せて用いる方式はアイヌ独特のものである。儀礼のときはトゥキに酒を注ぎ、その口縁に横たえた酒へら(イクパスイ)を手に取り、その先端を酒に浸して、神に酒を捧げる。

 

1点
鉢 本館蔵

 

1点

国際社会のなかの近世日本 終了予定日:2024年6月16日(日)

名称・説明 時代 数量
三線(平伸知念型) 本館蔵
琉球で三線が演奏されるようになったのは16世紀のことと考えられている。私的な場だけでなく、冊封使の歓待や江戸参府のときの芸能として公式の場で演奏された。演奏するのは士族の男性。琉球にはいないインドニシキヘビの皮が胴に張られる。
現代 1点

都市の時代 終了予定日:2024年3月31日(日)

名称・説明 時代 数量
紫縮緬地桜松御所車模様染縫小袖 本館蔵
武家女性の礼服には二種類の特徴的なデザインがある。ひとつは、束にした有職風の幾何文ないし器物で埋めつくすもの、もうひとつは、風景の中に象徴的なモティーフを散りばめて文芸を暗示するものである。いずれも技術的には刺繍や型を用いた鹿の子絞りが多用される。
  1領
濃緑平絹地雨龍小紋振袖 本館蔵
中層以上の町方女性の間では、紋付の黒無地または裾にのみ模様をほどこす裾模様が礼服であった。また、型染めで細かな文様を染め出した小紋を晴着として着用し、とくに紋付のものは礼服としても用いられた。
  1領
紫縮緬地四季桜模様友禅染縫小袖 本館蔵
紋付の黒無地または裾にのみ模様をほどこす裾模様を基本的な礼服としたが、それ以外にもさまざまな試みの美服をあつらえた。裾模様が流行し、友禅染が好まれた。刺繍や鹿の子絞りを駆使した絵画的な総模様、鹿の子絞りで埋めつくす総匹田など贅を凝らしたものである。
  1領
井桁と花 本館蔵   1点
三階菱 本館蔵   1点
青海波 本館蔵   1点

ひとともののながれ 終了予定日:2024年4月14日(日)

名称・説明 時代 数量
虎勢道中記 弐巻 本館蔵 江戸時代 1巻

ひとともののながれ 終了予定日:2024年5月19日(日)

名称・説明 時代 数量
東海道五十三次勝景 後編下 本館蔵 江戸時代 1点

村からみえる『近代』 終了予定日:2024年4月14日(日)

名称・説明 時代 数量
聆涛閣集古帖(摂津国住吉神社所蔵弓袋) 嚢匣 本館蔵 18~19世紀 1点

村からみえる『近代』 終了予定日:2024年5月19日(日)

名称・説明 時代 数量
紅毛雑話(参) 本館蔵

森島中良 著
『紅毛雑話』にみえる顕微鏡用法の図解。「虫をはさむ板は象牙にて作り、穴へ雲母を切入、其間へ虫をはさみ」と説く。同書には、虫の観察例も図示されている。

天明7(1787)年 1点
虫譜図説 巻之七 本館蔵

飯室庄左衛門(楽圃)著
『栗氏千虫譜』とならぶ虫図譜の大著。飯室は幕臣の本草家。各地採集観察の虫の図と先行図譜による図とがまじる。本書も多くの写本を生み、展示本は近代の写しである。

安政3(1856)年 1点
古史伝 平田篤胤関係資料 本館蔵

平田篤胤著
『古事記』『日本書紀』などの古書を取捨して選定した『古史成文』に詳細かつ綿密な注釈と考証をほどこした書。篤胤の没後、門人の矢野玄道らが続修し、伊那地方の門人たちの発起によって刊行された。

文久3(1863)年より刊 1点
彦蔵自伝挿絵原画 生家(カ)図面(単色) 本館蔵 19世紀 1点
栗氏千虫譜 第四冊 複製 原品:国立国会図書館 文化8(1811)年 1点

絵図・地図にみる近世 終了予定日:2024年5月12日(日)

名称・説明 時代 数量
坤輿万国全図 複製 原品:重要文化財 宮城県図書館蔵

イエズス会宣教師マテオ= リッチが北京で作った世界図。日本でこれを基にマテオ= リッチ系世界図が作られた。太平洋上の李之藻の文章などに版木改作の跡があるので、これに先立つ初版の存在が推定されている。原品は軸装だが、長く屏風であった痕跡がみられる。

1602年 1点
万国総図(長府)/人物図(長府) 複製 原品:下関市長府博物館蔵

万国総図は、これまで坤輿万国全図を基にして作られたと考えられてきたが、現在では、これとは別のヨーロッパ製世界図に基づく南蛮系世界図や、マテオ=リッチの両半球図などに基づいて作製されたと考えられている。人物図も南蛮系世界図との関係が強い。

正保2(1645)年 1点
万国総界図 本館蔵

初版は1688(貞享5)年。本図はその再版図。万国総図を基にしているが、中国や日本の書籍にも掲載されたマテオ= リッチの両半球図の影響も受けている。図の下部には、「なんばん船」「おらんだ船」の絵の代わりに、日本から海外までの里程表がある。石川流宣の作。

宝永5(1708)年 1点

絵図・地図にみる近世 終了予定日:未定

名称・説明 時代 数量
量地伝習録 (写本) 本館蔵

伊能忠敬(いのうただたか)の弟子の渡邊慎(わたなべしん)が、遺命をうけて測量法や製図法などを文政7年(1824)に記した書。忠敬が改良した小方儀(しょうほうぎ)(小方位盤(しょうほういばん))の図もある。展示品は、天保2年(1831)に三之分目(さんのわけめ)村(現香取市)で渡邊から借り受けて写した写本。

天保2(1831)年写 1点
小方儀および「覚」 本館蔵

伊能忠敬が方位計測に用いたものと同型の真鍮製小方儀。これを杖先に差し込んで使用した。方位の目盛は反時計回りの逆針。これと一緒に伝来した領収書(『覚』)によれば、大隈屋源助から二両で買ったことがわかる。大隈屋は江戸浅草で測量器などを販売した。

19世紀中頃 2点
算法地方大成 本館蔵

長谷川寛校閲・秋田義一編の農政全般の解説書。第五巻は真鍮製測量器の製作法や使用法の解説。測器師として本書にかかわった大野規行は、父規貞とともに伊能忠敬の測量器も作り、『量地伝習録』では測器師として推薦されている。

天保8(1837)年 1点
大野規周の引札 本館蔵

江戸浅草の大野規周は、祖父規貞・父規行と三代続く測器師。この引札は、その天文測量器・地方測量器の広告用ちらし。この頃には測量器を扱う専門店も現れ、真鍮製の精巧な測量器に対する需要も高まっていた。

嘉永2(1849)年 1点
象限儀 本館蔵

象限儀は上下の角度を測る器具。目標物を見通す線に象限儀の一辺をあわせ、振り子針の指し示す角度を読み取る。展示品は真鍮製の小型象限儀で携帯に便利。背面に「法眼規周」の刻印があり、大野規周の作であることがわかる。

19世紀 1点
大方儀 本館蔵

大方儀は、水平の方位だけでなく上下の角度も計測することができる。山の高さや谷の深さなどを測るのに使用する。真鍮製で、大野規周の引札にみえる大方儀とほぼ同型のもの。

19世紀 1点

第4展示室

「民俗」へのまなざし 終了予定日:2024年4月7日(日)

名称・説明 時代 数量
未来(染色工芸品) 本館蔵 平成22(2010)年 1点