期間限定の展示資料:第3展示室

国際社会のなかの近世日本

終了予定日:2025年8月3日(日)

朝鮮通信使奉呈品目録 本館蔵

1682(天和2)年の通信使が、馳走役に当たった石見藩主のむすこ亀井松之助(後の茲親)に贈った朝鮮人参、色紙、筆、墨、白苧布などを記載したもの。通信使とかれらに接した日本の人びとが、頻繁に贈答交換をしていたことを表すものとして興味深い史料。

時代:天和2(1682)年|数量:1点

朝鮮人渡海舩之図 本館蔵

近藤清信 画
江戸清元町伊屋版。1711(正徳元)年の通信使来日を見込んで、沿道に集まる見物人に売る目的で制作されたもの。描いた船も、「朝鮮人」も、とりわけ帆柱での曲芸など、絵師が想像したものであって、実際のそれとは大きくかけ離れている。

時代:18世紀|数量:1点

アツシ 本館蔵

オヒョウなどの樹皮繊維でつくられた織物および服飾のこと。アイヌの人びとの自家用のほか、和人との交易品としても生産された。和人社会では、漁場労働や海上運輸の作業着として好まれた。また、歌舞伎衣裳として錦絵に描かれ、広く珍重されていた様子がうかがえる。

時代:19~20世紀|数量:1点

紋章付山水人物蒔絵皿 本館蔵

肖像図蒔絵プラケット
連合オランダ東インド会社創設に関わったヒンローベン家(中央部の家紋からわかる)のために注文製作された大皿。口縁部に、東海道を江戸へ旅する外国人一行が描かれる。行列の規模からオランダの商館長だと考えられる。

時代:17-18世紀|数量:1点

ニンカリ(耳環) 本館蔵

アイヌの耳環は耳たぶに穴を開けて装着するピアスタイプのものを用いている。銀製のものや、錫、鉛などの金属を主として、下辺部にガラス玉や金属、絹片などの装飾をつける。金属部分は日本製のものが多い。

数量:1点

トゥキ(杯・脚)・イクパスイ 本館蔵

アイヌの祭具のうち、酒に関わるものは漆器が多い。特に漆椀(トゥキ)を天目台に載せて用いる方式はアイヌ独特のものである。儀礼のときはトゥキに酒を注ぎ、その口縁に横たえた酒へら(イクパスイ)を手に取り、その先端を酒に浸して、神に酒を捧げる。

数量:1点

耳たらい 本館蔵

数量:1点

終了予定日:2025年10月26日(火)

三線(南風原型) 本館蔵

琉球で三線が演奏されるようになったのは16世紀のことと考えられている。私的な場だけでなく、冊封使の歓待や江戸参府のときの芸能として公式の場で演奏された。演奏するのは士族の男性。琉球にはいないインドニシキヘビの皮が胴に張られる。

時代:現代|数量:1点

終了予定日:2025年11月16日(日)

マキリ(小刀) 本館蔵

男女ともに常に携帯する利器。調理の際の包丁や彫刻刀などとして用いられるほか、生活すべての場で使われている。古くはアイヌ自製の鋼であったが、日本との交易が盛んになると日本製の刃物にかわった。拵えには美しい彫刻を施すが、これは男の手仕事である。

数量:1点

都市の時代

終了予定日:2025年8月3日(日)

紫絽地楓浜松模様縫小袖 本館蔵

公家女性の礼服には二種類の特徴的なデザインがある。ひとつは、草花の折枝と有職風の幾何文ないし紋章をゆったりと散らすもの。もうひとつは、草花の立木を中心として構成した風景模様である。いずれも技術的には刺繡が多用される。

数量:1領

白麻地松桜蘆茅屋網干波模様染縫帷子 本館蔵

武家女性の礼服には二種類の特徴的なデザインがある。ひとつは、束にした有職風の幾何文ないし器物で埋めつくすもの、もうひとつは、風景の中に象徴的なモティーフを散りばめて文芸を暗示するものである。いずれも技術的には刺繡や型を用いた鹿の子絞りが多用される。

数量:1領

鴬茶麻地小紋帷子 本館蔵

中層以上の町方女性の間では、紋付の黒無地または裾にのみ模様をほどこす裾模様が礼服であった。また、型染めで細かな文様を染め出した小紋を晴着として着用し、とくに紋付のものは礼服としても用いられた。

数量:1領

終了予定日:2025年8月31日(日)

小格子に飛白(染色用型紙) 本館蔵

数量:1点

割付柄(染色用型紙) 本館蔵

数量:1点

七宝繋に十文字(染色用型紙) 本館蔵

数量:1点

菱格子に絣(染色用型紙) 本館蔵

数量:1点

終了予定日:2025年10月5日(日)

江戸名所百人美女 複製 駒形/薬げんぼり 原品:本館蔵

三代歌川豊国 画
江戸の名所風景のコマ絵を添えて、さまざまな階層の女性を描いた三代歌川豊国晩年の作。コマ絵は門人の二代歌川国久が担当している。女性たちの服飾や髪形からは、階層による差異や類型化されたイメージをみることができる。

安政4(1857)年~安政5(1858)年|数量:1点

ひとともののながれ

終了予定日:2025年9月15日(月・祝)

熱海名勝図 上巻 本館蔵

時代:1800年|数量:1点

終了予定日:2025年10月13日(月・祝)

虎勢道中記 弐 本館蔵

時代:江戸時代|数量:1冊

村からみえる『近代』

終了予定日:2025年8月3日(日)

聆涛閣集古帖 文房 本館蔵

時代:18~19世紀|数量:1冊

彦蔵自伝挿絵原画 金比羅詣りの乗船(朱印) 本館蔵

時代:19世紀|数量:1点

終了予定日:2025年9月15日(月・祝)

紅毛雑話(肆) 本館蔵

森島中良 著
『紅毛雑話』にみえる顕微鏡用法の図解。「虫をはさむ板は象牙にて作り、穴へ雲母を切入、其間へ虫をはさみ」と説く。同書には、虫の観察例も図示されている。

時代:天明7(1787)年|数量:1冊

虫譜図説 巻之三 本館蔵

飯室庄左衛門(楽圃) 著
『栗氏千虫譜』とならぶ虫図譜の大著。飯室は幕臣の本草家。各地採集観察の虫の図と先行図譜による図とがまじる。本書も多くの写本を生み、展示本は近代の写しである。

時代:安政3(1856)年|数量:1冊

那須国造碑・蛇田碑に付屋代弘賢書状 本館蔵

当時の古代研究者は屋代弘賢にしろ篤胤にしろ、古代の碑文に対し深い関心を寄せていた。弘賢は篤胤に、享和元年に石巻の蛇田郷禅昌寺古墳から発掘された「霊蛇田道公碑」は偽作であると、この書状で伝えている。

時代:19世紀|数量:1点

「古今要覧」器財部原稿 本館蔵

「古今要覧」は、様々な事項を神祗・天文など18に分類し、起源・沿革を考証したもの。幕府右筆で考証学者の弘賢が中心となり、文政4(1821)年から22年かけて編纂したが、未完。弘賢は篤胤の古代研究を評価して原稿を依頼し、篤胤は「器財部」に「度(ものさし)」の原稿を寄せた。

時代:19世紀|数量:1点

穂井田忠友を励ます篤胤書状 本館蔵

1824(文政7)年1月のもの。差出の控えである。前年在京中に忠友に会った篤胤は、彼に地理学博士になるようにはげましている。また、六人部是香立入大和守の噂も面白い。篤胤は往復路とも、三河国藤川駅で忠友の父と会っているが、その褒め様も絶妙のものがある。

時代:文政7(1824)|数量:1点

栗氏千虫譜 第五冊 複製 原品:国立国会図書館

細密な観察と写生によって約600種の虫類が描かれ、一部の図には顕微鏡も利用された。以後の図譜によく転写された。喜多川歌麿の虫図との比較も興味深い。

時代:文化8(1811)年|数量:1冊

絵図・地図にみる近世

終了予定日:2025年9月15日(月・祝)

日本図古絵図(家光系日本図) 本館蔵

17世紀前半の江戸幕府撰日本図の系統をひく図。もとは屏風用の図であるために、図のバランスに配慮して東北地方を南北に縮めている。本図のほかに屏風仕立ての日本図など数点が現存する。17世紀末~18世紀に流布した石川流宣の日本図(『本朝図鑑綱目』など)に影響を与えた。

時代:17世紀中ごろ|数量:1枚

寛文元年刊日本図 本館蔵

これまでの幕府撰日本図系の図が手描きであったのに対して、本図は最初に刊行された日本図。九州や東北地方の形態や国ごとに記載された石高は、17世紀前半の幕府撰日本図と共通する。東北地方が北方に延びていることをはじめとして、国境や地誌的記載もより現実的になっている。

時代:寛文元(1661)年|数量:1枚

本朝図鑑綱目 本館蔵

17世紀中ごろの幕府撰日本図系の図(家光系枕屏風日本図)をもとに、浮世絵師石川流宣が作った。初版は1687(貞享4)年。本図を詳細かつ大型にした1691(元禄4)年初版の『日本海山潮陸図』とともに18世紀後半まで重版され、広く社会に普及した。諸藩の大名と石高、主要街道の宿駅と距離、名所などの国内情報を豊富に載せる。

時代:元禄2(1689)年|数量:1枚

日本分域指掌図 乾坤 本館蔵

本図は、幕府撰の正保日本図を国ごとに分割して地図帳にした『日本分域指掌図』の冒頭に置かれた日本全図。1696(元禄9)年の作者関祖衡の序文と、1698(元禄11)年の清原希賢の序文がある。

時代:元禄11(1698)年ごろ|数量:1冊

新刊人国記 本館蔵

本書に掲載されている図は、作者の関祖衡が自らの『日本分域指掌図』(右の資料)に掲載した各国の図を、さらに簡略にして山地や海・川の波など絵画的な表現を加えたもの。『日本分域指掌図』は未刊であったが、本書は刊行されたため、幕府撰正保日本図系の図を広めるのに貢献した。

時代:元禄14(1701)年|数量:1冊

終了予定日:未定

量地伝習録 (写本) 本館蔵

伊能忠敬(いのうただたか)の弟子の渡邊慎(わたなべしん)が、遺命をうけて測量法や製図法などを文政7年(1824)に記した書。忠敬が改良した小方儀(しょうほうぎ)(小方位盤(しょうほういばん))の図もある。展示品は、天保2年(1831)に三之分目(さんのわけめ)村(現香取市)で渡邊から借り受けて写した写本。

時代:天保2(1831)年写|数量:1点

小方儀および「覚」 本館蔵

伊能忠敬が方位計測に用いたものと同型の真鍮製小方儀。これを杖先に差し込んで使用した。方位の目盛は反時計回りの逆針。これと一緒に伝来した領収書(『覚』)によれば、大隈屋源助から二両で買ったことがわかる。大隈屋は江戸浅草で測量器などを販売した。

時代:19世紀中頃|数量:2点

算法地方大成 本館蔵

長谷川寛校閲・秋田義一編の農政全般の解説書。第五巻は真鍮製測量器の製作法や使用法の解説。測器師として本書にかかわった大野規行は、父規貞とともに伊能忠敬の測量器も作り、『量地伝習録』では測器師として推薦されている。

時代:天保8(1837)年|数量:1点

大野規周の引札 本館蔵

江戸浅草の大野規周は、祖父規貞・父規行と三代続く測器師。この引札は、その天文測量器・地方測量器の広告用ちらし。この頃には測量器を扱う専門店も現れ、真鍮製の精巧な測量器に対する需要も高まっていた。

時代:嘉永2(1849)年|数量:1点

象限儀 本館蔵

象限儀は上下の角度を測る器具。目標物を見通す線に象限儀の一辺をあわせ、振り子針の指し示す角度を読み取る。展示品は真鍮製の小型象限儀で携帯に便利。背面に「法眼規周」の刻印があり、大野規周の作であることがわかる。

時代:19世紀|数量:1点

大方儀 本館蔵

大方儀は、水平の方位だけでなく上下の角度も計測することができる。山の高さや谷の深さなどを測るのに使用する。真鍮製で、大野規周の引札にみえる大方儀とほぼ同型のもの。

時代:19世紀|数量:1点