期間限定の展示資料:第3展示室

国際社会のなかの近世日本

終了予定日:2025年6月1日(日)

蝦夷錦(紅地牡丹宝尽模様繻珍)打敷 本館蔵

アイヌの人びとを通じて日本にもたらされた中国(清)の錦。これが松前藩を経て、北前船によって各地に運ばれ珍重された。主に、龍袍や蟒袍といった中国の官服ないしその反物と、牡丹や菊模様の錦とである。地域や模様によって取引価格に差があった。

時代:19世紀|数量:1点

アンリIV世肖像図蒔絵プラケット 本館蔵

肖像図蒔絵プラケット
王侯など著名人の肖像を蒔絵で表したプラケットは、壁に掛けて装飾とするもので、1780年から1800年前後にかけての比較的短い期間に、オランダ人の注文を受けて輸出された。銅板に漆を焼き付け、精巧な蒔絵や螺鈿の漆工技術で西洋の銅版画の図柄を写しとっている。

時代:1780年代~1790年頃|数量:1点

終了予定日:2025年6月24日(火)

三線(知念大工型) 本館蔵

琉球で三線が演奏されるようになったのは16世紀のことと考えられている。私的な場だけでなく、冊封使の歓待や江戸参府のときの芸能として公式の場で演奏された。演奏するのは士族の男性。琉球にはいないインドニシキヘビの皮が胴に張られる。

時代:現代|数量:1点

終了予定日:2025年7月13日(日)

御免朝鮮人大行列記大全 本館蔵

通信使来日のたびに製作されたガイドブックの一つ。沿道で見物する人びとは、これを参考にして楽しんだ。京都で出版されたもので、大名が提供する船で淀川を上る船行列が詳しく描かれているのが特徴。日朝関係や通信使の歴史の記述も詳しいが、虚実ないまぜである。

時代:宝暦13(1763)年|数量:1点

朝鮮通信使奉呈品目録 複製 原品:本館蔵

1711(正徳元)年の通信使が、亀井隠岐守茲親に贈った黒麻布、色紙、筆、硯、扇子などの品々を書き上げたもの。通信使と接した日本の人びとが、頻繁に贈答交換をしていたことを表すものとして興味深い史料。

時代:正徳元(1711)年|数量:1点

終了予定日:2025年8月3日(日)

ニンカリ(耳環) 本館蔵

アイヌの耳環は耳たぶに穴を開けて装着するピアスタイプのものを用いている。銀製のものや、錫、鉛などの金属を主として、下辺部にガラス玉や金属、絹片などの装飾をつける。金属部分は日本製のものが多い。

数量:1点

トゥキ(杯・脚)・イクパスイ 本館蔵

アイヌの祭具のうち、酒に関わるものは漆器が多い。特に漆椀(トゥキ)を天目台に載せて用いる方式はアイヌ独特のものである。儀礼のときはトゥキに酒を注ぎ、その口縁に横たえた酒へら(イクパスイ)を手に取り、その先端を酒に浸して、神に酒を捧げる。

数量:1点

耳たらい 本館蔵

数量:1点

終了予定日:2025年11月16日(日)

マキリ(小刀) 本館蔵

男女ともに常に携帯する利器。調理の際の包丁や彫刻刀などとして用いられるほか、生活すべての場で使われている。古くはアイヌ自製の鋼であったが、日本との交易が盛んになると日本製の刃物にかわった。拵えには美しい彫刻を施すが、これは男の手仕事である。

数量:1点

都市の時代

終了予定日:2025年6月1日(日)

紫縮緬地月藤麦穂鳴子模様染縫小袖 本館蔵

公家女性の礼服には二種類の特徴的なデザインがある。ひとつは、草花の折枝と有職風の幾何文ないし紋章をゆったりと散らすもの。もうひとつは、草花の立木を中心として構成した風景模様である。いずれも技術的には刺繡が多用される。

数量:1領

紫絽地松梅笹蘆雲滝模様染縫振袖 本館蔵

武家女性の礼服には二種類の特徴的なデザインがある。ひとつは、束にした有職風の幾何文ないし器物で埋めつくすもの、もうひとつは、風景の中に象徴的なモティーフを散りばめて文芸を暗示するものである。いずれも技術的には刺繡や型を用いた鹿の子絞りが多用される。

数量:1領

憲房色縮緬地行儀鮫小紋小袖 本館蔵

中層以上の町方女性の間では、紋付の黒無地または裾にのみ模様をほどこす裾模様が礼服であった。また、型染めで細かな文様を染め出した小紋を晴着として着用し、とくに紋付のものは礼服としても用いられた。

数量:1領

芦雁図綴錦腰差たばこ入れ 本館蔵

数量:1点

赤羅紗腰差たばこ入れ 皮革菊水に扇流し文きせる筒 本館蔵

数量:1点

霊芝腰差たばこ入れ 象牙竹彫筒 本館蔵

数量:1点

鶴亀松竹梅百寿文懐中たばこ入れ 本館蔵

数量:1点

紅地匹田絞懐中たばこ入れ 本館蔵

数量:1点

白地懐中たばこ入れ 本館蔵

数量:1点

金地擬革紙渦巻き文懐中たばこ入れ 本館蔵

数量:1点

綴織竹文たばこ入れ 本館蔵

数量:1点

ひとともののながれ

終了予定日:2025年7月13日(日)

虎勢道中記 壱 本館蔵

時代:江戸時代|数量:1冊

終了予定日:2025年9月15日(月・祝)

熱海名勝図 上巻 本館蔵

時代:1800年|数量:1点

村からみえる『近代』

終了予定日:2025年6月15日(日)

聆涛閣集古帖 印章1 本館蔵

時代:18~19世紀|数量:1冊

終了予定日:2025年7月13日(日)

紅毛雑話(参) 本館蔵

森島中良 著
『紅毛雑話』にみえる顕微鏡用法の図解。「虫をはさむ板は象牙にて作り、穴へ雲母を切入、其間へ虫をはさみ」と説く。同書には、虫の観察例も図示されている。

時代:天明7(1787)年|数量:1冊

虫譜図説 巻之二 本館蔵

飯室庄左衛門(楽圃) 著
『栗氏千虫譜』とならぶ虫図譜の大著。飯室は幕臣の本草家。各地採集観察の虫の図と先行図譜による図とがまじる。本書も多くの写本を生み、展示本は近代の写しである。

時代:安政3(1856)年|数量:1冊

玉襷(全10巻) 本館蔵

平田篤胤 著
『毎朝神拝詞記』を本文とし、神々の伝や神拝の心得などの詳細な注釈をほどこした書。1832(天保3)年から徐々に刊行されたが、政治的な配慮で、巻二のみ1861(文久元)年7月に刊行された。

時代:天保3(1832)年より刊|数量:1点

彦蔵自伝挿絵原画 金比羅詣りの乗船 本館蔵

時代:19世紀|数量:1点

終了予定日:2025年9月15日(月・祝)

栗氏千虫譜 第五冊 複製 原品:国立国会図書館

細密な観察と写生によって約600種の虫類が描かれ、一部の図には顕微鏡も利用された。以後の図譜によく転写された。喜多川歌麿の虫図との比較も興味深い。

時代:文化8(1811)年|数量:1冊

絵図・地図にみる近世

終了予定日:2025年7月13日(日)

地球図 本館蔵

最初に刊行された蘭学系世界図で、アムステルダム刊行のフランス語版世界図を原図とする。ニューギニアとオーストラリアが陸続きとなっている。周囲には南北両半球や水陸両半球図、日蝕や月蝕などの解説図、海外の動植物や風景が描かれる。作者は司馬江漢。

時代:寛政4(1792)年|数量:1枚

新訂万国全図(銅板) 本館蔵

幕府天文方の高橋景保が1810年に寛政、1816(文化13)年頃に一部改定のうえで刊行した。南方大陸メガラニカが架空であることを証明したJ.クック(コーク)の探検航路が記載され、「地球図」(右図)に描き残されていたメガラニカが完全に消失している。

時代:文化13(1816)年|数量:1枚

新製輿地全図 本館蔵

1835年のフランス製世界図を原図とし、「新訂万国全図」(右図)を参照しつつ作成しているが、オーストリアには旧名「新阿蘭陀」に並べて、新名「豪斯多刺里」を初めて記載する。当時の国際情勢を反映して政治区画には詳しく、各国の属領などを記号で示している。作者は世界地理の普及につとめた箕作省吾。

時代:弘化元(1844)年|数量:1巻

新訂坤輿略全図(木版) 本館蔵

世界を一つの図として表現するために、当時の主流であった両半球図ではなく、より古い形態であるマテオ=リッチ系世界図と同じ図法を採用する。地名の掲載が多く、詳細な内容で知られる。作者は「新訂万国全図」の改訂(「重訂万国全図」の作成)に参加した新発田収蔵。

時代:嘉永5(1852)年|数量:1枚

環海航路新図・環海航路日記 本館蔵

1860(万延元)年の遣米使節新見正興一行に随行した広瀬保庵が、その世界一周の行程について帰国後に記した世界図と日記。世界図については、通過地点の経緯度など航路を詳細に記載する。日記は品川沖からパナマまでで。後編は刊行に至っていない。

時代:文久2(1862)年|数量:1枚

終了予定日:未定

量地伝習録 (写本) 本館蔵

伊能忠敬(いのうただたか)の弟子の渡邊慎(わたなべしん)が、遺命をうけて測量法や製図法などを文政7年(1824)に記した書。忠敬が改良した小方儀(しょうほうぎ)(小方位盤(しょうほういばん))の図もある。展示品は、天保2年(1831)に三之分目(さんのわけめ)村(現香取市)で渡邊から借り受けて写した写本。

時代:天保2(1831)年写|数量:1点

小方儀および「覚」 本館蔵

伊能忠敬が方位計測に用いたものと同型の真鍮製小方儀。これを杖先に差し込んで使用した。方位の目盛は反時計回りの逆針。これと一緒に伝来した領収書(『覚』)によれば、大隈屋源助から二両で買ったことがわかる。大隈屋は江戸浅草で測量器などを販売した。

時代:19世紀中頃|数量:2点

算法地方大成 本館蔵

長谷川寛校閲・秋田義一編の農政全般の解説書。第五巻は真鍮製測量器の製作法や使用法の解説。測器師として本書にかかわった大野規行は、父規貞とともに伊能忠敬の測量器も作り、『量地伝習録』では測器師として推薦されている。

時代:天保8(1837)年|数量:1点

大野規周の引札 本館蔵

江戸浅草の大野規周は、祖父規貞・父規行と三代続く測器師。この引札は、その天文測量器・地方測量器の広告用ちらし。この頃には測量器を扱う専門店も現れ、真鍮製の精巧な測量器に対する需要も高まっていた。

時代:嘉永2(1849)年|数量:1点

象限儀 本館蔵

象限儀は上下の角度を測る器具。目標物を見通す線に象限儀の一辺をあわせ、振り子針の指し示す角度を読み取る。展示品は真鍮製の小型象限儀で携帯に便利。背面に「法眼規周」の刻印があり、大野規周の作であることがわかる。

時代:19世紀|数量:1点

大方儀 本館蔵

大方儀は、水平の方位だけでなく上下の角度も計測することができる。山の高さや谷の深さなどを測るのに使用する。真鍮製で、大野規周の引札にみえる大方儀とほぼ同型のもの。

時代:19世紀|数量:1点