期間限定の展示資料:第2展示室

王朝文化

終了予定日:2025年2月16日(日)

類聚雑要抄 巻第二 本館蔵

貴族階級に必要な有職(宮廷の儀礼等に関する知識)についてまとめた書。12世紀末頃に成立。饗宴の際の饗鐉(もてなしの膳)や寝殿の内部とその調度などを、彩色によって詳細に描いている。平安時代末期の有職故実研究の重要な資料。

時代:18世紀|数量:1巻

正治元年経房卿堂供養記 本館蔵

正治元(1199)年12月24日、権大納言吉田経房(1143~1200)が浄蓮華院を造立し、堂供養を行った時の日記。本書は鎌倉時代後期の写本であり、墨点(仮名・返り点)もこの時期に付された。

時代:14世紀|数量:1巻

源氏物語 篝火 (旧高松宮家禁裏本) 本館蔵

伏見宮邦高親王・近衛政家・一条冬良ら、公家や僧侶が54帖を各帖ごとに分担して書写したもの。冬良が統轄者で、各帖に冬良自身の奥書がある。本文は『源氏物語』の中でも河内本系に属する。

時代:14世紀|数量:1帖

伯母集(康資王母集) 本館蔵

花山天皇の曾孫である神祇伯康資王(寛治4(1090)年没)の母の和歌を集めた和歌集。鎌倉時代前期に書写された写本で、歌人藤原定家の筆跡と推定される。『伯母集』の最古の写本である。

時代:13世紀|数量:1帖

終了予定日:2025年3月16日(日)

金光明最勝王経 巻第九 複製 原品:奈良県 西大寺蔵

天平宝字6年2月8日、百済豊虫が両親の追善のために発願した供養経。全巻にわたって白点(第二群点)と白書の注記があり、さらに朱点が加筆されている。白点は天長7年(830)頃と推定されている。また朱点は喜多院点で、承徳元年(1097)に加えられた。

天平宝字6 (762)年|数量:1巻

紙本墨書宮城図 複製 原品:京都府 陽明文庫蔵

宮城図(大内裏図)・内裏図・八省院図(朝堂院図)・豊楽院図を収める。『延喜式』(九条家本)の付図とともに平安時代の大内裏の様子をうかがわせる重要な資料。巻末に元応元年に僧頼円が鎌倉の足利上総前司の館で書写した旨の奥書がある。

時代:元応元(1319)年|数量:1巻

終了予定日:2025年3月30日(日)

北山抄 巻第二 複製 原品:前田育徳会尊経閣文庫蔵

平安時代中期に藤原公任(966~1041)によって作られた私撰の儀式書。書名は公任が晩年に隠棲した京都・北山の地名による。恒例・臨時の儀式、太政官の政務、国司の行事などを記す。全10巻。展示個所は11月新嘗会における豊明節会の部分。本書の原本は平安時代後期の写本である。

時代:平安時代|数量:1巻

内裏式 中巻 複製 原品:宮内庁蔵(九条家本)

平安時代前期に嵯峨天皇が右大臣藤原冬嗣(775~826)らに命じて撰定させ、弘仁12年(821)に奏上された最初の勅撰の儀式書。全3巻。正月から12月までの年中行事と4項目の臨時行事とから構成される。展示個所は11月新嘗会の部分。本書の原本は鎌倉時代後期の写本である。

時代:鎌倉時代|数量:1巻

終了予定日:2025年5月6日(火)

愚昧記 複製 原品:本館蔵

左大臣藤原実房(1225年没)の26歳の日記で、『愚昧記』とよばれる。前年の暦の裏や、自分の手紙の控えなどの裏を再利用し、正月から3月までの日記をつけている。四季それぞれを一巻とする体裁。平安時代の日記の中の数少ない原本のひとつ。

時代:1172年|数量:1巻

印刷文化

終了予定日:2025年3月2日(日)

【国宝】宋版漢書(慶元刊本) 巻三十五 本館蔵

南宋慶元刊本として完存。「建安劉元起刊/丁家塾之敬室」「建安黄善夫刊/丁家塾之敬室」の刊記ならびに慶元年間の建安劉之問識語がある。刊年・出版地・伝来は『史記』に同じ。

時代:南宋慶元年間(1195~1201)刊|数量:1冊

【重要文化財】宋版備急千金要方(びきゅうせんきんようほう) (金沢文庫本) 巻第二十六 本館蔵

唐代に成立した医書。本書の開版は南宋の孝宗〈1163~1190〉頃のことと推定される。本文中には補刻の部分も多いが、13世紀初期のものと考えられる。金沢文庫の黒印が押されている。

時代:南宋・12世紀後期刊|数量:1冊

新刊五百家嘉慶註音弁唐柳先生文集 五山版 巻第五 本館蔵

刊記に見える兪良甫は、明国福建仁徳里台諫坊の住人であったが、わが国に渡来し、京都に住んで、五山版の刊行に携わった。彼の他にも明の刻工が来朝しているが、その活躍を示すものである。

時代:嘉慶元年(1387)刊|数量:1冊

版本法華疏記(ほっけしょき) 叡山本 巻第六 本館蔵

本書は、法印権大僧都承詮が願主となり、弘安5(1282)年~永仁4(1296)年頃にかけて、開版したもの。叡山版は、南都版や高野版に比して遺品が少なく貴重。版下筆者に宋人了一の名が見える。

時代:13世紀末刊|数量:1冊

版本群書治要 古活字版(銅活字)駿河版 巻四十六

徳川家康は駿府(静岡市)に隠棲後、銅活字を鋳造して印刷を行わせたが(いわゆる駿河版)、本書はその一つである。そのときの銅活字は現存し、重要文化財に指定されている。

時代:元和2(1616)年刊|数量:1冊

版本大学衍義 巻第九 本館蔵

本書は朝鮮で宣徳9年(1434・甲寅年)に鋳造された銅活字「甲寅字」によって印刷されている。その文字・印刷は美しく、朝鮮における銅活字印刷技術の水準の高さをよく示している。

時代:16世紀|数量:1冊

版本貞観政要 巻第四 本館蔵

関ヶ原合戦直前の慶長5年2月、西笑承兌が徳川家康の命により刊行した旨の刊記がある。ここには家康が、秀吉の遺命により秀頼をよく輔佐していることを讃えているのが注目される。

時代:慶長5(1600)年刊|数量:1冊

版本源氏物語 古活字版 浮舟 本館蔵

源氏物語の最古の版本として著名。標題は光悦風の書で、いわゆる嵯峨本の一つとされている。刊記はないが、慶長年間(1596~1614年)頃に木活字をもって印刷されたものである。

時代:17世紀初期|数量:1冊

版本謡曲 八島 本館蔵

観世流謡本百番のうち、表紙には雲母刷模様を施した色紙を用いる。本文料紙には一面に雲母を引きその上に雲母刷模様を施したもの(第1種)と、模様を省略したもの(第2種)等がある。

時代:17世紀初期|数量:1冊

東国と西国

終了予定日:2025年3月30日(日)

紀伊国峠田庄絵図 複製 原品:神護寺蔵

峠田庄は現和歌山県伊都郡かつらぎ町笠田付近の神護寺領荘園。本図は境界を示す五個の傍示によって荘園の領域を示した四至傍示図である。集落や寺社なども描かれ、平安後期の荘園の景観がうかがわれる。

時代:12世紀|数量:1幅

播磨国鵤庄絵図(至徳図) 複製 原品:奈良県 法隆寺蔵

鵤庄は現在の兵庫県龍野市・太子町付近に当たる。法隆寺の最も重要な荘園で、末寺として建立された斑鳩寺が今日に残る。絵図には付近の景観と条里の界線が描かれ、地名・牓示・周囲の荘園などが記されている。

時代:至徳3(1386)年|数量:1幅

武蔵国鶴見寺尾絵図 複製 原品:神奈川県立金沢文庫蔵

武蔵国鶴見寺尾は現横浜市鶴見区東寺尾付近。絵図の中央に見える「寺」の寺領および境界と、それに対する周囲の武士による押領の状態を描いたものと思われる。関東地方では現存する唯一の荘園絵図である。

時代:建武元(1334)年|数量:1幅

民衆の生活と文化

終了予定日:2025年3月30日(日)

年中行事絵巻 複製 巻第九 原品:京都芸術大学蔵

原本は後白河法皇が作らせた60余巻の絵巻。近世の模写で一部が伝存する。展示しているのは、「祇園御霊会」や「稲荷御霊会」などの祭礼の様子を描いた部分。「御霊会」は、病気をはやらせる貴族や天皇の怨霊をなぐさめて病魔を退散させようとした祭礼で、都の祭りはこれから始まった。

時代:12世紀|数量:1幅

大名と一揆

終了予定日:2025年3月2日(日)

「醍醐山上慈心院文書 第1巻」 田中穣氏旧蔵典籍古文書 本館蔵

京都の収集家、田中教忠氏が集めた土地売券類の巻物。

右の文書は、田地作職の売券。中世は権利が細分化された社会で、田んぼにも名主職や作職が設定された。このうち、作職は実際に耕作する権利を認められたもので、売買の対象となった。文章後半では、買主以外でこの耕地に権利を主張する者は「盗人之罪科」に処することが記されるが、中世社会では盗人を誅殺することが正当化されており、そうした背景に基づく文言となる。

左の文書も田地作職の売券。加地子とは、作職保持者が土地に対する権利を持つ者(多くが名主職保持者)に支払うもの。つまり、作職保持者は年貢と加地子とをそれぞれ別の領主に納める必要があったことが本文書から判明する。

●泉衛門太郎田地作職売券
写真釈文

●落西中務田地作職売券
写真釈文

数量:1巻

平沼文書 本館蔵

埼玉県飯能市の商人、平沼伊兵衛(ひらぬまいへえ)(1907~90)が収集したコレクション。古文書関係では中世から近世初期にかけての武家文書が40点ほど収められている。

本文書は桶狭間の戦いで敗死した今川義元の跡を継いだ今川氏真の判物。「所領経営を認める義元からの文書を火災で失った」との申し出に対し、従来通りの所領経営を認めたもの。所領所在地の三河国東条吉田郷は現在の愛知県西尾市内にあたる。

●今川氏真判物
写真釈文(読み)

数量:1冊

藍韋威腹巻 本館蔵

時代:室町時代|数量:1領

大航海時代のなかの日本

終了予定日:2025年4月6日(日)

花樹草花蒔絵螺鈿洋櫃 本館蔵

ドーム形に湾曲した蓋をもつ櫃は、南蛮漆器の花形商品であった。宝石のほか小物入れとして用いられたもの。

時代:桃山時代(16~17世紀)|数量:1点

花樹鹿虎蒔絵螺鈿洋櫃 本館蔵

時代:桃山時代(16~17世紀)|数量:1点

花鳥蒔絵螺鈿抽斗付平櫃 本館蔵

オランダ東インド会社の記録によれば、1635年から45年にかけて、輸出品の櫃の形式が、従来のドーム形の蓋をもつ櫃から、平らな蓋をもつ櫃へと徐々に変化していったことがわかる。南蛮様式の輸出漆器の最末期にあたるもの。

時代:江戸時代初期(1630年代~40年代)|数量:1点

藤秋草鳥蒔絵螺鈿箪笥 本館蔵

通常の書箪笥より、やや小ぶりの箪笥。東インド会社の記録によれば、1635年から45年の時期を境に、前蓋のかわりに観音開きの扉をもつ箪笥の輸出量が増えている。ただし、本資料は、新しい需要にあわせてヨーロッパで改装されたものであろう。

時代:桃山時代(16~17世紀)|数量:1点

終了予定日:2025年5月6日(火)

錆地五枚胴具足 本館蔵

時代:文禄3(1594)年5月|数量:1点