期間限定の展示資料:第2展示室

王朝文化

終了予定日:2025年8月3日(日)

【重要美術品】大乗止観法門 巻下并後序 本館蔵

中国・南北朝時代(6世紀)に成立した仏書。その後、中国では失われていたが、宋・咸平3年(1000)に日本人の僧円通大師寂照が本書を携えて宋に渡り、再び中国で広まるようになった。本巻は鎌倉時代中期頃の写本で、朱書の乎己止点は西墓点である。

時代:13世紀|数量:1巻

和漢朗詠集 下 零巻 本館蔵

平安中期の貴族藤原公任(きんとう)(966~1041)によって編纂された漢詩文の佳句と和歌の詞華選集。1018年頃の成立。本写本はその下巻で、朱訓点が付される。また出典等に関する注が書き込まれている。公任は詩歌管弦にすぐれていたことで知られ、また儀式書『北山抄』を編纂するなど故実にも詳しかった。

時代:鎌倉後期写|数量:1巻

源氏物語 梅枝 本館蔵

伏見宮邦高親王・近衛政家・一条冬良ら、公家や僧侶が54帖を各帖ごとに分担して書写したもの。冬良が統轄者で、各帖に冬良自身の奥書がある。本文は『源氏物語』の中でも河内本系に属する。

時代:長享2(1488)年|数量:1巻

伊勢物語 (天福筆本) 本館蔵

在原業平ほかの歌をもとに作られた歌物語。10世紀前期頃に成立したもので、平安時代仮名文学の代表作の一つ。本書は藤原定家校訂本をもとにした流布本系の古写本の一つであり、これと同じ系統の諸本の奥書が写されている。

時代:15世紀|数量:1巻

終了予定日:2025年8月31日(日)

類聚雑要抄 巻第三 複製 原品:本館蔵

貴族階級に必要な有職(宮廷の儀礼等に関する知識)についてまとめた書。12世紀末頃に成立。饗宴の際の饗鐉(もてなしの膳)や寝殿の内部とその調度などを、彩色によって詳細に描いている。平安時代末期の有職故実研究の重要な資料。

時代:18世紀|数量:1巻

終了予定日:2025年10月5日(日)

中右記部類 複製 原品:本館蔵 本館蔵

右大臣藤原宗忠(1141年没)が60歳頃に、人々を指揮して自らの日記『中右記』の記事を整理・分類した事典。原本は散逸したが、30巻以上あったらしい。この古写本では、巻物の片面に年中行事秋部上(相撲の節会の記事)を、他面には漢詩集を写している。

時代:鎌倉時代前期|数量:1巻

終了予定日:2025年11月3日(月・祝)

紙本墨書宮城 複製 原品:京都府 陽明文庫蔵

宮城図(大内裏図)・内裏図・八省院図(朝堂院図)・豊楽院図を収める。『延喜式』(九条家本)の付図とともに平安時代の大内裏の様子をうかがわせる重要な資料。巻末に元応元年に僧頼円が鎌倉の足利上総前司の館で書写した旨の奥書がある。

時代:元応元(1319)年|数量:1巻

北山抄 巻第二 複製 原品:前田育徳会尊経閣文庫蔵 本館蔵

平安時代中期に藤原公任(966~1041)によって作られた私撰の儀式書。書名は公任が晩年に隠棲した京都・北山の地名による。恒例・臨時の儀式、太政官の政務、国司の行事などを記す。全10巻。展示個所は11月新嘗会における豊明節会の部分。本書の原本は平安時代後期の写本である。

時代:平安時代|数量:1巻

内裏式 中巻 複製 原品:宮内庁蔵(九条家本) 本館蔵

平安時代前期に嵯峨天皇が右大臣藤原冬嗣(775~826)らに命じて撰定させ、弘仁12年(821)に奏上された最初の勅撰の儀式書。全3巻。正月から12月までの年中行事と4項目の臨時行事とから構成される。展示個所は11月新嘗会の部分。本書の原本は鎌倉時代後期の写本である。

時代:鎌倉時代|数量:1巻

印刷文化

終了予定日:2025年8月3日(日)

【国宝】宋版漢書(慶元刊本) 四〇巻 本館蔵

南宋慶元刊本として完存。「建安劉元起刊/丁家塾之敬室」「建安黄善夫刊/丁家塾之敬室」の刊記ならびに慶元年間の建安劉之問識語がある。刊年・出版地・伝来は『史記』に同じ。

時代:南宋慶元年間(1195~1201)刊|数量:1冊

【重要文化財】宋版備急千金要方(びきゅうせんきんようほう) (金沢文庫本) 巻第一 本館蔵

唐代に成立した医書。本書の開版は南宋の孝宗〈1163~1190〉頃のことと推定される。本文中には補刻の部分も多いが、13世紀初期のものと考えられる。金沢文庫の黒印が押されている。

時代:南宋・12世紀後期刊|数量:1冊

新刊五百家嘉慶註音弁唐柳先生文集 五山版 巻第十 本館蔵

刊記に見える兪良甫は、明国福建仁徳里台諫坊の住人であったが、わが国に渡来し、京都に住んで、五山版の刊行に携わった。彼の他にも明の刻工が来朝しているが、その活躍を示すものである。

時代:嘉慶元年(1387)刊|数量:1冊

版本法華疏記 巻第九末 本館蔵

本書は法印権大僧都承詮が願主となり、弘安5年(1282)から永仁4年(1296)頃にかけて開版したもの。叡山版は南都版や高野版に比して遺品が少なく貴重。版下筆者に宋人了一の名が見える。

時代:13世紀末刊|数量:1冊

版本群書治要 古活字版(銅活字)駿河版 巻一

徳川家康は駿府(静岡市)に隠棲後、銅活字を鋳造して印刷を行わせたが(いわゆる駿河版)、本書はその一つである。そのときの銅活字は現存し、重要文化財に指定されている。

時代:元和2(1616)年刊|数量:1冊

版本大学衍義 巻第四 本館蔵

本書は朝鮮で宣徳9年(1434・甲寅年)に鋳造された銅活字「甲寅字」によって印刷されている。その文字・印刷は美しく、朝鮮における銅活字印刷技術の水準の高さをよく示している。

時代:16世紀|数量:1冊

版本孟子 巻第一 本館蔵

刊記に「関東上総住今関正運刊」とあり、本書の開版は上総国の人によって行われた。古活字版の刊行には広く各地の人が関係していた様子がうかがいしられる。

時代:17世紀初期|数量:1冊

版本源氏物語 古活字版 帚木 本館蔵

源氏物語に最古の版本として著名。表紙の標題は光悦風の書で、いわゆる嵯峨本の一つとされている。刊記はないが、慶長年間(1596~1614)頃に木活字をもって印刷されたものである。

時代:17世紀初期|数量:1冊

版本太平記 巻第一・二 本館蔵

太平記は古活字版の国文学書の中でも最も早く開版され、重版も多い。本書も刊記には「慶長十五年(1610)」とあるが、開版時の刊記を継承した元和~寛永ころの重版と推定される。

時代:17世紀前期|数量:1冊

東国と西国

終了予定日:2025年10月5日(日)

尾張国富田庄絵図 複製 原品:円覚寺蔵

富田庄は円覚寺が地頭職を持った荘園で、現名古屋市中川区富田付近に当たる。本図は富田庄の領域と隣接地域を示したもので、右上の萱津宿をはじめ、村落・寺社・堤など当時の景観を知る好資料である。

時代:14世紀|数量:1幅

越後国奥山庄波月条近傍絵図 複製 原品:中条町役場蔵

奥山庄の地頭三浦和田氏の所領相続に関する相論の過程で描かれた絵図。論点の波月条が朱線で囲まれている他、地頭の屋敷や市場(七日市・高野市)、鋳物師の家などが描かれていることも興味深い。

時代:建治3(1277)年ころ|数量:1幅

陸奥国骨寺村絵図(その一) 複製 原品:中尊寺

骨寺村(現一関市本寺)は中尊寺に近い農村で、同寺の経蔵別当が直接支配を行っていた。絵図からは耕地と居宅がセットになった「在家」が盆地内に散在する様子がよくうかがえ、骨寺堂などの記載も見られる。

時代:鎌倉時代末か|数量:1幅

和泉国日根野村近隣絵図 複製 原品:宮内庁書陵部蔵(九条家文書)

日根庄は摂関家のひとつ九条家の荘園。この絵図は14世紀ころの「荒野」の開発に際して、日根野村付近の様子を描いたもの。図の上部に「日根」と記録され、左寄りの中央から下部にかけては「荒野」が描かれている。

時代:14世紀初|数量:1幅

民衆の生活と文化

終了予定日:2025年10月5日(日)

年中行事絵巻 複製 巻第九 原品:京都芸術大学蔵

原本は後白河法皇が作らせた60余巻の絵巻。近世の模写で一部が伝存する。展示しているのは、「祇園御霊会」や「稲荷御霊会」などの祭礼の様子を描いた部分。「御霊会」は、病気をはやらせる貴族や天皇の怨霊をなぐさめて病魔を退散させようとした祭礼で、都の祭りはこれから始まった。

時代:12世紀|数量:1幅

大名と一揆

終了予定日:2025年8月3日(日)

紫糸肩裾取威胴丸 本館蔵

時代:16世紀|数量:1領

「雑々古文書(ざつざつこもんじょ)」第三巻 田中穣氏旧蔵典籍古文書(たなかゆたかしきゅうぞうてんせきこもんじょ) 本館蔵

京都の収集家、田中教忠氏が集めた土地売券(うりけん)類の巻物。

右の文書は、備中国万寿本庄(びっちゅうのくにますほんしょう)(現:岡山県倉敷市)の年貢(ねんぐ)五貫文を慈身院法印(じしんいんほういん)に納めることを約した文書。備中国万寿本庄は新熊野社領(いまくまのしゃりょう)として史料に見えるが、差出(さしだし)の俊憲(しゅんけん)も宛所(あてどころ)の慈身院法印も醍醐寺(だいごじ)の僧侶で、本文書からは同荘への醍醐寺の関与が窺(うかが)える。今後の研究の深まりが期待される一通である。

左の文書は畠地(はたち)の寄進状。年貢=米のイメージが強いため、前近代社会(ぜんきんだいしゃかい)では農業=水田耕作のイメージがあるが、日常食料産出(さんしゅつ)の場として重要視されていたのは畠地で、その有無が飢饉(ききん)での生存可否を左右した。

●俊憲奉書(しゅんけんほうしょ)
写真釈文

●尼昌欽畠地寄進状(あましょうきんはたちきしんじょう)
写真釈文

数量:平安~室町時代|1巻

「普成仏院(ふじょうぶついん)(仏名院(ぶつみょういん))文書(もんじょ)」 第五巻 本館蔵

普成仏院(仏名院)は、鳥羽天皇(とばてんのう)皇后(こうごう)の美福門院(びふくもんいん)が平治(へいじ)年間(1159・60)に建立(こんりゅう)した御願寺(ごがんじ)で、摂津国(せっつのくに)野鞍荘(ののくらのしょう)はその所領(しょりょう)の一つ。

本文書は嘉禎(かてい)2年(1236)のもので、守護方(しゅごかた)勢力が野鞍荘内に入ることを禁じたもの。将軍からの命令文書である関東下知状(かんとうげちじょう)が西国所()領(さいごくしょりょう)を対象に発給(たいしょうはっきゅう)された場合、その実現のために京都に所在(しょざい)した鎌倉幕府(かまくらばくふ)の出先機関(でさききかん)である六波羅探題(ろくはらたんだい)から施行状(しぎょうじょう)(上位者(じょういしゃ)の命令を下位者(かいしゃ)に伝える文書)が発給されたことが本文書から判明する。

●六波羅施行状(ろくはらしぎょうじょう)(竪紙(かたがみ))
写真釈文(読み)

数量:平安~鎌倉時代|1巻

大航海時代のなかの日本

終了予定日:2025年8月3日(日)

南蛮屏風 本館蔵

17世紀|数量:1点

花クルス螺鈿蒔絵鞍 本館蔵

時代:6~17世紀|数量:1点

終了予定日:2025年8月31日(日)

白絲威五枚胴具足 本館蔵

甲冑はその時代の主要武器のありようを反映している。弓矢が盛んだと大鎧。刀や薙刀だと腹巻・胴丸の類である。さらに鉄砲や鑓の歩兵集団戦が主体になると、鑓先や玉を外すために鉄板仕立の新様式の当世甲冑が流行した。

時代:17世紀|数量:1点