期間限定の展示資料:第2展示室

王朝文化

終了予定日:2026年1月12日(月・祝)

【重要文化財】千載佳句 下 本館蔵

中国・唐の時代の詩人の秀句を集めて分類した、漢詩文作成のための一種の参考書。全文にわたって朱書の乎己止点(博士家点。星点のみで種別は不明)および墨書の仮名・返り点・四声点などが加えられている。加点の年代は書写時期に近い14世紀初期頃であろう。

時代:14世紀|数量:1帖

源氏物語 横笛 本館蔵

伏見宮邦高親王・近衛政家・一条冬良ら、公家や僧侶が54帖を各帖ごとに分担して書写したもの。冬良が統轄者で、各帖に冬良自身の奥書がある。本文は『源氏物語』の中でも河内本系に属する。

時代:長享2(1488)年|数量:1巻

類聚雑要抄 巻第一下 複製 原品:本館蔵 本館蔵

貴族階級に必要な有職(宮廷の儀礼等に関する知識)についてまとめた書。12世紀末頃に成立。饗宴の際の饗鐉(もてなしの膳)や寝殿の内部とその調度などを、彩色によって詳細に描いている。平安時代末期の有職故実研究の重要な資料。

時代:18世紀|数量:1巻

大和物語 複製(原品:本館蔵) 本館蔵

平安時代の歌物語の一つで、10世紀中頃、『伊勢物語』にならって作られた。『大和物語』の古伝本は二条家本系と六条家本系とに大別されるが、本書は二条家本系の最古の写本の一つである。

時代:13世紀|数量:1巻

終了予定日:2026年3月1日(日)

金光明最勝王経 巻第六 複製 原品:奈良県 西大寺蔵

天平宝字6年2月8日、百済豊虫が両親の追善のために発願した供養経。全巻にわたって白点(第二群点)と白書の注記があり、さらに朱点が加筆されている。白点は天長7年(830)頃と推定されている。また朱点は喜多院点で、承徳元年(1097)に加えられた。

時代:天平宝字6(762)年|数量:1巻

護摩蜜記 複製 原品:奈良県 西大寺蔵

長元8年4月12日に書写したとの奥書(朱書)があるが、筆者は不明。朱書の仮名・平己止点(宝幢院点)は奥書に見える長元8年4月頃に加えられたものであろう。また別に墨書の仮名も一部に加えられている。

時代:長元8(1035)年|数量:1帖

京程並宮城内裏諸図 複製 原品:東京国立博物館蔵 本館蔵

『延喜式』(九条家本)に付属する図画。平安京内の条坊寸法や、左京・右京図、大内裏・内裏・八省院・豊楽院図が収められている。右京図の末尾は後世に補写したもの。平安京に関する古図としてはもっとも古いものの一つである。

時代:14世紀|数量:1巻

都玉記(建久9年・建暦2年) 複製 原品:本館蔵

正二位権中納言藤原(日野)資実(すけざね)(1162~1223)の日記。伝自筆。内容は土御門(つちみかど)・順徳(じゅんとく)両天皇の大嘗会(だいじょうえ)の記事。この祭は、天皇即位の年か翌年に行われるが、順徳天皇の場合、身内の不幸により、さらに一年延期して行われた。

時代:1198・1212年|数量:1巻

終了予定日:2026年5月

北山抄 巻第二 複製 原品:前田育徳会尊経閣文庫蔵

平安時代中期に藤原公任(966~1041)によって作られた私撰の儀式書。書名は公任が晩年に隠棲した京都・北山の地名による。恒例・臨時の儀式、太政官の政務、国司の行事などを記す。全10巻。展示個所は11月新嘗会における豊明節会の部分。本書の原本は平安時代後期の写本である。

時代:平安時代|数量:1巻

内裏式 中巻 複製 原品:宮内庁蔵(九条家本)

平安時代前期に嵯峨天皇が右大臣藤原冬嗣(775~826)らに命じて撰定させ、弘仁12年(821)に奏上された最初の勅撰の儀式書。全3巻。正月から12月までの年中行事と4項目の臨時行事とから構成される。展示個所は11月新嘗会の部分。本書の原本は鎌倉時代後期の写本である。

時代:鎌倉時代|数量:1巻

印刷文化

終了予定日:2026年1月12日(月・祝)

【国宝】宋版史記(黄善夫刊本) 巻五五 本館蔵

史記集解・索隠・正義の三注合刻本で、全130巻完存した現在最古本。「建安黄善夫刊・于家塾之敬室」の刊記があり、建安(現在福建省)で刊行。直江兼続・上杉藩校興譲館伝来。

時代:南宋慶元年間(1195~1201)刊か|数量:1冊

【重要文化財】宋版備急千金要方(びきゅうせんきんようほう) (金沢文庫本) 巻第五下 本館蔵

唐代に成立した医書。本書の開版は南宋の孝宗〈1163~1190〉頃のことと推定される。本文中には補刻の部分も多いが、13世紀初期のものと考えられる。金沢文庫の黒印が押されている。

時代:南宋・12世紀後期刊|数量:1冊

新刊五百家嘉慶註音弁唐柳先生文集 五山版 巻第十五 本館蔵

刊記に見える兪良甫は、明国福建仁徳里台諫坊の住人であったが、わが国に渡来し、京都に住んで、五山版の刊行に携わった。彼の他にも明の刻工が来朝しているが、その活躍を示すものである。

時代:嘉慶元年(1387)刊|数量:1冊

版本法華疏記 巻第三上 本館蔵

本書は法印権大僧都承詮が願主となり、弘安5年(1282)から永仁4年(1296)頃にかけて開版したもの。叡山版は南都版や高野版に比して遺品が少なく貴重。版下筆者に宋人了一の名が見える。

時代:13世紀末刊|数量:1冊

版本群書治要 古活字版(銅活字)駿河版 巻七 本館蔵

徳川家康は駿府(静岡市)に隠棲後、銅活字を鋳造して印刷を行わせたが(いわゆる駿河版)、本書はその一つである。そのときの銅活字は現存し、重要文化財に指定されている。

時代:元和2(1616)年刊|数量:1冊

版本大学衍義 巻第九 本館蔵

本書は朝鮮で宣徳9年(1434・甲寅年)に鋳造された銅活字「甲寅字」によって印刷されている。その文字・印刷は美しく、朝鮮における銅活字印刷技術の水準の高さをよく示している。

時代:16世紀|数量:1冊

版本貞観政要 巻第一 本館蔵

関ヶ原合戦直前の慶長5年2月、西笑承兌が徳川家康の命により刊行した旨の刊記がある。ここには家康が、秀吉の遺命により秀頼をよく輔佐していることを讃えているのが注目される。

時代:慶長5(1600)年刊|数量:1冊

版本源氏物語 古活字版 紅葉賀 本館蔵

源氏物語に最古の版本として著名。表紙の標題は光悦風の書で、いわゆる嵯峨本の一つとされている。刊記はないが、慶長年間(1596~1614)頃に木活字をもって印刷されたものである。

時代:17世紀初期|数量:1冊

版本太平記 巻第一一・一二 本館蔵

太平記は古活字版の国文学書の中でも最も早く開版され、重版も多い。本書も刊記には「慶長十五年(1610)」とあるが、開版時の刊記を継承した元和~寛永ころの重版と推定される。

時代:17世紀前期|数量:1冊

東国と西国

終了予定日:2026年1月12日(月・祝)

紀伊国神野真国庄絵図 複製 原品:京都市 神護寺蔵

神野・真国両庄が康治2年に鳥羽院領荘園として立券される際、その境界を示すために作成された絵図。周辺の7箇所に牓示とその位置が記され、裏には立会人の署判がある。現存する中世荘園の四至牓示図では最古のもの。

時代:康治2(1143)年|数量:1幅

播磨国鵤庄絵図(嘉暦図) 複製 原品:奈良県 法隆寺蔵

鵤庄は現在の兵庫県龍野市・太子町付近に当たる。法隆寺の最も重要な荘園で、末寺として建立された斑鳩寺が今日に残る。絵図には付近の景観と条里の界線が描かれ、地名・牓示・周囲の荘園などが記されている。

時代:嘉暦4(1329)年|数量:1幅

紀伊国高家庄絵図 複製 原品:京都市 大徳寺蔵

高家庄は現在の和歌山県日高郡日高町付近に当たる。山と川、家々などを簡潔に描写しており、大徳寺領の原村・池田・東庄・西庄と聖護院領の「ほん庄」の領域や位置関係を示したものと思われる。

時代:14世紀|数量:1幅

紀伊国井上本庄絵図 複製 原品:京都府・随心院蔵

井上本庄は紀ノ川北岸の現和歌山県粉河町付近。井溝や溜池などの水利を中心に荘園の領域全体を美しく描き、現地ともよく符合する。明徳4年(1393)の随心院と粉河寺の相論の頃の作成か。

時代:14世紀末ころ|数量:1幅

民衆の生活と文化

終了予定日:2026年1月12日(月・祝)

年中行事絵巻 複製 巻第十二 原品:京都芸術大学蔵

原本は後白河法皇が作らせた60余巻の絵巻。近世の模写で一部が伝存する。展示しているのは、「祇園御霊会」や「稲荷御霊会」などの祭礼の様子を描いた部分。「御霊会」は、病気をはやらせる貴族や天皇の怨霊をなぐさめて病魔を退散させようとした祭礼で、都の祭りはこれから始まった。

時代:12世紀|数量:1巻

大名と一揆

終了予定日:2026年1月12日(月・祝)

雑々文書(ざつざつもんじょ) 田中穣氏旧蔵典籍古文書(たなかゆたかしきゅうぞうてんせきこもんじょ) 本館蔵

京都の収集家、田中教忠氏が集めた土地売券(うりけん)類の巻物。

右の文書は、田地(でんち)の譲状(ゆずりじょう)。尼しょう阿弥陀仏に質物(しちもつ)として預けられた田地二反とその証明文書(手継証文(てつぎしょうもん))を、たむらの九郎二郎に譲ったもの。期日までに借用物が返済されない場合、質物は質流れとして貸与者の所有となった。

左の文書は、田地の売券。実際に売却しているのは田地一反であるが、「売渡 百姓識((職))之事」と記されていることから、当時は田地の売却ではなく、田地に付随する百姓職(しょうしき)の売却と認識されていたことがわかる。中世では、田地にも様々な権利や得分(とくぶん)が付随しており、それぞれが「職(しき)」と呼ばれていた。

●しやうあみたぶつ譲状
写真釈文

●徳阿弥田地売券
写真釈文

数量:鎌倉時代~室町時代|1巻

北野神社旧蔵文書(きたのじんじゃきゅうぞうもんじょ) 田中穣氏旧蔵典籍古文書 本館蔵

北野神社の祠官(しかん)である妙蔵院(みょうぞういん)・光薗院(こうおんいん)の旧蔵文書。

本文書は、室町幕府の奉行人(ぶぎょうにん)、飯尾元行(いのおもとゆき)・松田頼亮(まつだよりすけ)が将軍足利義澄(あしかがよしずみ)の仰せをうけて発給(はっきゅう)した文書。

朝日寺別当職(べっとうしき)について、密乗院(みつじょういん)による押領(おうりょう)(無理やり別当として振舞うこと)は正当性がない。元のように妙蔵院(みょうぞういん)が別当を務(つと)めるようにとのことを通達したもの。「別当」とはその寺院におけるトップ。別当職には得分(とくぶん)(収入)も付属したため、相論(そうろん)の対象となった。

●室町幕府奉行人連署奉書(むろまちばくふぶぎょうにんれんしょほうしょ)
写真釈文

数量:室町~戦国時代|1巻

黒韋肩裾取威腹巻 本館蔵

時代:15~16世紀|数量:1領

大航海時代のなかの日本

終了予定日:2025年12月26日(金)

横矧二枚胴具足 本館蔵

甲冑はその時代の主要武器のありようを反映している。弓矢が盛んだと大鎧。刀や薙刀だと腹巻・胴丸の類である。さらに鉄砲や鑓の歩兵集団戦が主体になると、鑓先や玉を外すために鉄板仕立の新様式の当世甲冑が流行した。

時代:16世紀|数量:1点

花樹鳥蒔絵螺鈿洋櫃 本館蔵

空間を充填するように密に文様を描く例は、伝統的な蒔絵装飾には認められず、インドやイスラムの装飾様式の影響を受けたものと推測される。

桃山時代(16~17世紀)|数量:1点

扇面蒔絵螺鈿洋櫃(台付) 本館蔵

付属の台は、「ジャパニング」と呼ばれる模造漆技術によってヨーロッパで製作されたもの。

江戸時代初期(1630年代~40年代)|数量:1点

花鳥蒔絵螺鈿洋櫃 本館蔵

時代:桃山時代(16~17世紀)|数量:1点

草花蒔絵螺鈿箪笥 本館蔵

大小八個の抽斗をおさめる箪笥。南蛮漆器の主要品目は洋櫃と箪笥であった。多くの箪笥は、前面に倒れる形式の蓋を有する書箪笥(escritorio)であったが、本資料は前蓋を持たない点がやや珍しい。

桃山時代(16~17世紀)|数量:1点