期間限定の展示資料:第2展示室
王朝文化
終了予定日:2025年7月6日(日)
覚禅鈔 地天 本館蔵
『覚禅鈔』は僧覚禅(1143~1213以降)によって編纂された真言宗の別尊法を集大成した書で100巻以上にのぼる。本写本はそのうちの「地天」の巻。地天は十二天の一つで、古代インドの大地をつかさどる女神に由来するという。円融寺真言堂壁画の地天像などを収録する。朱墨により仮名や声点・ヲコト点(東大寺点)・傍訓などが付される。
時代:鎌倉後期写|数量:1巻
源氏物語 真木柱 本館蔵
伏見宮邦高親王・近衛政家・一条冬良ら、公家や僧侶が54帖を各帖ごとに分担して書写したもの。冬良が統轄者で、各帖に冬良自身の奥書がある。本文は『源氏物語』の中でも河内本系に属する。
時代:長享2(1488)年|数量:1巻
古今和歌集 下 本館蔵
10世紀初期に成立した勅撰和歌集。巻末に永暦2年(1161)の藤原俊成の奥書が書写した、いわゆる俊成本の古写本であり、その古い形態を伝える最古本として貴重である。
時代:13世紀後期|数量:1巻
金光明最勝王経 巻第七 複製 原品:奈良県西大寺蔵
天平宝字6年2月8日、百済豊虫が両親の追善のために発願した供養経。全巻にわたって白点(第二群点)と白書の注記があり、さらに朱点が加筆されている。白点は天長7年(830)頃と推定されている。また朱点は喜多院点で、承徳元年(1097)に加えられた。
時代:天平宝字6(762)年|数量:1巻
京程並宮城内裏諸図 複製 原品:東京国立博物館蔵
『延喜式』(九条家本)に付属する図画。平安京内の条坊寸法や、左京・右京図、大内裏・内裏・八省院・豊楽院図が収められている。右京図の末尾は後世に補写したもの。平安京に関する古図としてはもっとも古いものの一つである。
時代:14世紀|数量:1巻
終了予定日:2025年8月31日(日)
類聚雑要抄 巻第三 複製 原品:本館蔵
貴族階級に必要な有職(宮廷の儀礼等に関する知識)についてまとめた書。12世紀末頃に成立。饗宴の際の饗鐉(もてなしの膳)や寝殿の内部とその調度などを、彩色によって詳細に描いている。平安時代末期の有職故実研究の重要な資料。
時代:18世紀|数量:1巻
終了予定日:2025年10月5日(日)
中右記部類 複製 原品:本館蔵 本館蔵
右大臣藤原宗忠(1141年没)が60歳頃に、人々を指揮して自らの日記『中右記』の記事を整理・分類した事典。原本は散逸したが、30巻以上あったらしい。この古写本では、巻物の片面に年中行事秋部上(相撲の節会の記事)を、他面には漢詩集を写している。
時代:鎌倉時代前期|数量:1巻
終了予定日:2025年11月3日(月・祝)
北山抄 巻第二 複製 原品:前田育徳会尊経閣文庫蔵 本館蔵
平安時代中期に藤原公任(966~1041)によって作られた私撰の儀式書。書名は公任が晩年に隠棲した京都・北山の地名による。恒例・臨時の儀式、太政官の政務、国司の行事などを記す。全10巻。展示個所は11月新嘗会における豊明節会の部分。本書の原本は平安時代後期の写本である。
時代:平安時代|数量:1巻
内裏式 中巻 複製 原品:宮内庁蔵(九条家本) 本館蔵
平安時代前期に嵯峨天皇が右大臣藤原冬嗣(775~826)らに命じて撰定させ、弘仁12年(821)に奏上された最初の勅撰の儀式書。全3巻。正月から12月までの年中行事と4項目の臨時行事とから構成される。展示個所は11月新嘗会の部分。本書の原本は鎌倉時代後期の写本である。
時代:鎌倉時代|数量:1巻
印刷文化
終了予定日:2025年7月6日(日)
【国宝】宋版漢書(慶元刊本) 巻三十九 本館蔵
南宋慶元刊本として完存。「建安劉元起刊/丁家塾之敬室」「建安黄善夫刊/丁家塾之敬室」の刊記ならびに慶元年間の建安劉之問識語がある。刊年・出版地・伝来は『史記』に同じ。
時代:南宋慶元年間(1195~1201)刊|数量:1冊
【重要文化財】宋版備急千金要方(びきゅうせんきんようほう) (金沢文庫本) 巻第三〇 本館蔵
唐代に成立した医書。本書の開版は南宋の孝宗〈1163~1190〉頃のことと推定される。本文中には補刻の部分も多いが、13世紀初期のものと考えられる。金沢文庫の黒印が押されている。
時代:南宋・12世紀後期刊|数量:1冊
新刊五百家嘉慶註音弁唐柳先生文集 五山版 巻第九 本館蔵
刊記に見える兪良甫は、明国福建仁徳里台諫坊の住人であったが、わが国に渡来し、京都に住んで、五山版の刊行に携わった。彼の他にも明の刻工が来朝しているが、その活躍を示すものである。
時代:嘉慶元年(1387)刊|数量:1冊
版本法華疏記 巻第九本 本館蔵
本書は法印権大僧都承詮が願主となり、弘安5年(1282)から永仁4年(1296)頃にかけて開版したもの。叡山版は南都版や高野版に比して遺品が少なく貴重。版下筆者に宋人了一の名が見える。
時代:13世紀末刊|数量:1冊
版本群書治要 古活字版(銅活字)駿河版 巻五〇
徳川家康は駿府(静岡市)に隠棲後、銅活字を鋳造して印刷を行わせたが(いわゆる駿河版)、本書はその一つである。そのときの銅活字は現存し、重要文化財に指定されている。
時代:元和2(1616)年刊|数量:1冊
版本大学衍義 巻第三 本館蔵
本書は朝鮮で宣徳9年(1434・甲寅年)に鋳造された銅活字「甲寅字」によって印刷されている。その文字・印刷は美しく、朝鮮における銅活字印刷技術の水準の高さをよく示している。
時代:16世紀|数量:1冊
版本貞観政要 巻第九・一〇 本館蔵
関ヶ原合戦直前の慶長5年2月、西笑承兌が徳川家康の命により刊行した旨の刊記がある。ここには家康が、秀吉の遺命により秀頼をよく輔佐していることを讃えているのが注目される。
時代:慶長5(1600)年刊|数量:1冊
版本源氏物語 古活字版 桐壺 本館蔵
源氏物語の最古の版本として著名。標題は光悦風の書で、いわゆる嵯峨本の一つとされている。刊記はないが、慶長年間(1596~1614年)頃に木活字をもって印刷されたものである。
時代:17世紀初期|数量:1冊
版本謡曲 東岸居士 本館蔵
観世流謡本百番のうち、表紙には雲母刷模様を施した色紙を用いる。本文料紙には一面に雲母を引きその上に雲母刷模様を施したもの(第1種)と、模様を省略したもの(第2種)等がある。
時代:17世紀初期|数量:1冊
東国と西国
終了予定日:2025年7月6日(日)
山城国神護寺(与)小野山堺絵図 複製 原品:神護寺蔵
現京都市右京区高雄に所在する神護寺の寺領と、隣接する主殿寮領小野山との堺相論に際して作成された絵図。朱で境界線が引かれ、神護寺と高山寺の伽藍も見える。裏面には年紀と当事者らの署判がある。
時代:寛喜2(1230)年|数量:1幅
薩摩国伊作庄内日置北郷下地中分絵図 複製 原品:東京大学史料編纂所蔵
伊作庄は現鹿児島県日置郡日吉町付近。荘園領主は本所が近衛家、領家が興福寺一乗院で、鎌倉末期の元亨4(1324)年に地頭大隈氏との間で下地中分が行われ、中分線を明確にするために本図が作成された。
時代:元亨4(1324)年|数量:1幅
伊予国弓削島庄下地相分差図 複製 原品:京都府立総合資料館蔵
弓削島庄は現愛媛県越智郡弓削町に所在する東寺領荘園。塩の産地として知られ、『兵庫北関入船納帳』にも港名として頻出する。地頭小宮氏と相論が繰返され、領家方三分二、地頭方三分一の下地分割が行われた。
時代:嘉元4(1306)年頃|数量:1幅
越後国荒河保(与)奥山荘絵図 複製 原品:新潟県立歴史博物館蔵
荒河保の地頭河村秀通と奥山庄の地頭和田茂長の間で堺相論が起こり、これを鎌倉幕府が裁許した際に作成された絵図。和与堺が朱線で描かれ、その両側に執権北条貞時と連署北条宣時の花押が据えられている。
時代:正応5(1292)年頃|数量:1幅
民衆の生活と文化
終了予定日:2025年7月6日(日)
年中行事絵巻 複製 巻第十二 原品:京都芸術大学蔵
原本は後白河法皇が作らせた60余巻の絵巻。近世の模写で一部が伝存する。展示しているのは、「祇園御霊会」や「稲荷御霊会」などの祭礼の様子を描いた部分。「御霊会」は、病気をはやらせる貴族や天皇の怨霊をなぐさめて病魔を退散させようとした祭礼で、都の祭りはこれから始まった。
時代:12世紀|数量:1幅
大名と一揆
終了予定日:2025年7月6日(日)
紺糸威胴丸 本館蔵
時代:17世紀|数量:1領
「雑々古文書(ざつざつこもんじょ)」第一巻 田中穣氏旧蔵典籍古文書(たなかゆたかしきゅうぞうてんせきこもんじょ) 本館蔵
京都の収集家、田中教忠氏が集めた土地売券(うりけん)類の巻物。
右の文書(もんじょ)は、土地借用(しゃくよう)時の請文(うけぶみ)(誓約書(せいやくしょ))。借用者(行恒(ゆきつね))は貸主(かしぬし)に毎年金銭を支払っており、貸主が必要となれば即座に土地を返却する必要があった。本文書からもわかるように、中世社会では本来の土地持ち主の権利が強かった。
この土地は五年後に別人に貸し出された。それを示すのが左の文書である。ほぼ同様の土地面積であるが、毎年支払う金額が異なっている。その背景に何があったのか、興味深い二通である。
●行恒(カ)請文
写真|釈文
●熊夜叉女請文
写真|釈文
数量:平安~室町時代|1巻
「普成仏院(ふじょうぶついん)(仏名院(ぶつみょういん))文書(もんじょ)」 第五巻 本館蔵
普成仏院(仏名院)は、鳥羽天皇(とばてんのう)皇后の美福門院(びふくもんいん)が平治(へいじ)年間(1159・60)に建立(こんりゅう)した御願寺(ごがんじ)で、摂津国(せっつのくに)野鞍荘(ののくらのしょう)はその所領(しょりょう)の一つ。
右の文書は、13世紀前半の朝廷を主導した九条道家(くじょうみちいえ)が、普成仏院に対して地頭停止が認められたことを伝え、天皇・朝廷のための仏事遂行(すいこう)を命じたもの。
左の文書は、地頭停止を命じた鎌倉幕府の下知状(げちじょう)。九条道家の子息頼経(よりつね)が鎌倉幕府第四代将軍であったため、道家は朝廷・幕府双方に影響力を発揮できたことがわかる。
九条道家(くじょうみちいえ)は一三世紀前半の朝廷を主導した人物で、子息頼経(よりつね)が鎌倉幕府第四代将軍であったことから、幕府との意思疎通(いしそつう)も円滑(えんかつ)であった。
●九条道家御教書
写真|釈文(読み)
●関東下知状
写真|釈文(読み)
数量:平安~鎌倉時代|1巻
大航海時代のなかの日本
終了予定日:2025年7月6日(日)
花樹鳥蒔絵螺鈿洋櫃 本館蔵
空間を充填するように密に文様を描く例は、伝統的な蒔絵装飾には認められず、インドやイスラムの装飾様式の影響を受けたものと推測される。
時代:桃山時代(16~17世紀)|数量:1点
扇面蒔絵螺鈿洋櫃(台付) 本館蔵
付属の台は、「ジャパニング」と呼ばれる模造漆技術によってヨーロッパで製作されたもの。
時代:江戸時代初期(1630年代~40年代)|数量:1点
花鳥蒔絵螺鈿洋櫃 本館蔵
時代:桃山時代(16~17世紀)|数量:1点
草花蒔絵螺鈿箪笥 本館蔵
大小八個の抽斗をおさめる箪笥。南蛮漆器の主要品目は洋櫃と箪笥であった。多くの箪笥は、前面に倒れる形式の蓋を有する書箪笥(escritorio)であったが、本資料は前蓋を持たない点がやや珍しい。
時代:桃山時代(16~17世紀)|数量:1点
終了予定日:2025年8月31日(日)
白絲威五枚胴具足 本館蔵
甲冑はその時代の主要武器のありようを反映している。弓矢が盛んだと大鎧。刀や薙刀だと腹巻・胴丸の類である。さらに鉄砲や鑓の歩兵集団戦が主体になると、鑓先や玉を外すために鉄板仕立の新様式の当世甲冑が流行した。
時代:17世紀|数量:1点