期間限定の展示資料:第2展示室

王朝文化

終了予定日:2025年11月30日(日)

【重要美術品】紙本墨書 西宮記 臨時五 本館蔵

平安時代中期に、醍醐天皇皇子の西宮左大臣源高明(914~982)によって作られた私撰の儀式書。村上天皇の頃の恒例・臨時の儀式、政務の進め方などが勘物(事例などの書き込み)とともに記されている。本書は室町時代初期の写本で、もと壬生官務家に所蔵されていた。

時代:室町時代|数量:1巻

秘抄(第十五 太元) 本館蔵

仁和寺(京都市)喜多院御室守覚法親王(1150~1202)の著作と伝えられる。全面にわたって朱書の仮名・送り点・区切点・四声点などが加えられているが、加点の年代も書写年代とほぼ同じ13世紀初期と推定される。鎌倉時代前期の片仮名資料の一つでもある。

時代:13世紀|数量:1巻

解深密経 巻第五 本館蔵

天平勝宝元年10月21日に観法が瑜行以下21人の結縁者を集めて書写した経典。白書の仮名・乎己止点(第四群点)は9世紀中頃のものであるが、保存もよく、訓点資料として重要である。

時代:天平勝宝元(749)年|数量:1巻

源氏物語 柏木 本館蔵

伏見宮邦高親王・近衛政家・一条冬良ら、公家や僧侶が54帖を各帖ごとに分担して書写したもの。冬良が統轄者で、各帖に冬良自身の奥書がある。本文は『源氏物語』の中でも河内本系に属する。

時代:長享2(1488)年|数量:1巻

終了予定日:2026年1月12日(月・祝)

類聚雑要抄 巻第一下 複製 原品:本館蔵 本館蔵

貴族階級に必要な有職(宮廷の儀礼等に関する知識)についてまとめた書。12世紀末頃に成立。饗宴の際の饗鐉(もてなしの膳)や寝殿の内部とその調度などを、彩色によって詳細に描いている。平安時代末期の有職故実研究の重要な資料。

時代:18世紀|数量:1巻

大和物語 複製(原品:本館蔵) 本館蔵

平安時代の歌物語の一つで、10世紀中頃、『伊勢物語』にならって作られた。『大和物語』の古伝本は二条家本系と六条家本系とに大別されるが、本書は二条家本系の最古の写本の一つである。

時代:13世紀|数量:1巻

終了予定日:2026年3月1日(日)

京程並宮城内裏諸図 複製 原品:東京国立博物館蔵 本館蔵

『延喜式』(九条家本)に付属する図画。平安京内の条坊寸法や、左京・右京図、大内裏・内裏・八省院・豊楽院図が収められている。右京図の末尾は後世に補写したもの。平安京に関する古図としてはもっとも古いものの一つである。

時代:14世紀|数量:1巻

都玉記(建久9年・建暦2年) 複製 原品:本館蔵

正二位権中納言藤原(日野)資実(すけざね)(1162~1223)の日記。伝自筆。内容は土御門(つちみかど)・順徳(じゅんとく)両天皇の大嘗会(だいじょうえ)の記事。この祭は、天皇即位の年か翌年に行われるが、順徳天皇の場合、身内の不幸により、さらに一年延期して行われた。

時代:1198・1212年|数量:1巻

印刷文化

終了予定日:2025年11月30日(日)

【国宝】宋版史記(黄善夫刊本) 巻五四 本館蔵

史記集解・索隠・正義の三注合刻本で、全130巻完存した現在最古本。「建安黄善夫刊・于家塾之敬室」の刊記があり、建安(現在福建省)で刊行。直江兼続・上杉藩校興譲館伝来。

時代:南宋慶元年間(1195~1201)刊か|数量:1冊

【重要文化財】宋版備急千金要方(びきゅうせんきんようほう) (金沢文庫本) 巻第五上 本館蔵

唐代に成立した医書。本書の開版は南宋の孝宗〈1163~1190〉頃のことと推定される。本文中には補刻の部分も多いが、13世紀初期のものと考えられる。金沢文庫の黒印が押されている。

時代:南宋・12世紀後期刊|数量:1冊

新刊五百家嘉慶註音弁唐柳先生文集 五山版 巻第十四 本館蔵

刊記に見える兪良甫は、明国福建仁徳里台諫坊の住人であったが、わが国に渡来し、京都に住んで、五山版の刊行に携わった。彼の他にも明の刻工が来朝しているが、その活躍を示すものである。

時代:嘉慶元年(1387)刊|数量:1冊

版本法華疏記 巻第二 本館蔵

本書は法印権大僧都承詮が願主となり、弘安5年(1282)から永仁4年(1296)頃にかけて開版したもの。叡山版は南都版や高野版に比して遺品が少なく貴重。版下筆者に宋人了一の名が見える。

時代:13世紀末刊|数量:1冊

版本群書治要 古活字版(銅活字)駿河版 巻六 本館蔵

徳川家康は駿府(静岡市)に隠棲後、銅活字を鋳造して印刷を行わせたが(いわゆる駿河版)、本書はその一つである。そのときの銅活字は現存し、重要文化財に指定されている。

時代:元和2(1616)年刊|数量:1冊

版本大学衍義 巻第八 本館蔵

本書は朝鮮で宣徳9年(1434・甲寅年)に鋳造された銅活字「甲寅字」によって印刷されている。その文字・印刷は美しく、朝鮮における銅活字印刷技術の水準の高さをよく示している。

時代:16世紀|数量:1冊

版本孟子 巻第五 本館蔵

刊記に「関東上総住今関正運刊」とあり、本書の開版は上総国の人によって行われた。古活字版の刊行には広く各地の人が関係していた様子がうかがいしられる。

時代:17世紀初期|数量:1冊

版本源氏物語 古活字版 末摘花 本館蔵

源氏物語に最古の版本として著名。表紙の標題は光悦風の書で、いわゆる嵯峨本の一つとされている。刊記はないが、慶長年間(1596~1614)頃に木活字をもって印刷されたものである。

時代:17世紀初期|数量:1冊

版本太平記 巻第九・一〇 本館蔵

太平記は古活字版の国文学書の中でも最も早く開版され、重版も多い。本書も刊記には「慶長十五年(1610)」とあるが、開版時の刊記を継承した元和~寛永ころの重版と推定される。

時代:17世紀前期|数量:1冊

東国と西国

終了予定日:2026年1月12日(月・祝)

紀伊国神野真国庄絵図 複製 原品:京都市 神護寺蔵

神野・真国両庄が康治2年に鳥羽院領荘園として立券される際、その境界を示すために作成された絵図。周辺の7箇所に牓示とその位置が記され、裏には立会人の署判がある。現存する中世荘園の四至牓示図では最古のもの。

時代:康治2(1143)年|数量:1幅

播磨国鵤庄絵図(嘉暦図) 複製 原品:奈良県 法隆寺蔵

鵤庄は現在の兵庫県龍野市・太子町付近に当たる。法隆寺の最も重要な荘園で、末寺として建立された斑鳩寺が今日に残る。絵図には付近の景観と条里の界線が描かれ、地名・牓示・周囲の荘園などが記されている。

時代:嘉暦4(1329)年|数量:1幅

紀伊国高家庄絵図 複製 原品:京都市 大徳寺蔵

高家庄は現在の和歌山県日高郡日高町付近に当たる。山と川、家々などを簡潔に描写しており、大徳寺領の原村・池田・東庄・西庄と聖護院領の「ほん庄」の領域や位置関係を示したものと思われる。

時代:14世紀|数量:1幅

紀伊国井上本庄絵図 複製 原品:京都府・随心院蔵

井上本庄は紀ノ川北岸の現和歌山県粉河町付近。井溝や溜池などの水利を中心に荘園の領域全体を美しく描き、現地ともよく符合する。明徳4年(1393)の随心院と粉河寺の相論の頃の作成か。

時代:14世紀末ころ|数量:1幅

民衆の生活と文化

終了予定日:2026年1月12日(月・祝)

年中行事絵巻 複製 巻第十二 原品:京都芸術大学蔵

原本は後白河法皇が作らせた60余巻の絵巻。近世の模写で一部が伝存する。展示しているのは、「祇園御霊会」や「稲荷御霊会」などの祭礼の様子を描いた部分。「御霊会」は、病気をはやらせる貴族や天皇の怨霊をなぐさめて病魔を退散させようとした祭礼で、都の祭りはこれから始まった。

時代:12世紀|数量:1巻

大名と一揆

終了予定日:2025年1月30日(日)

「吉祥院田畠古文書」 田中穣氏旧蔵典籍古文書 本館蔵

現京都市南区に所在する吉祥院関係の文書群。吉祥院が所持した田畠にまつわる文書で構成(こうせい)されている。

本文書は、吉祥院領内にある則成(のりしげ)の私領(しりょう)を、末尾に記されている国則(くにのり)たちに譲与することを記した譲状(ゆずりじょう)。田、畠、屋敷の順に列記されており、田が七反小、畠が三反半、屋敷が一反の計一町一反三〇〇歩の面積を所持していた。この広さは東京ドームの約1/3にあたる。

●則成田畠屋敷譲状(のりしげでんはたやしきゆずりじょう)
写真1写真2釈文

数量:南北朝~室町時代|1巻

「北野神社旧蔵文書」田中穣氏旧蔵典籍古文書 本館蔵

北野神社の祠官(しかん)である妙蔵院(みょうぞういん)・光薗院(こうおんいん)の旧蔵文書。

本文書は、室町幕府の奉行人(ぶぎょうにん)、諏訪晴長(すわはるなが)・飯尾盛就(いのおもりなり)が、将軍足利義輝(あしかがよしてる)の命令をうけて発給(はっきゅう)したもの。真満院先代住持(しんまんいんせんだいじゅうじ)による北野社祠官光薗院敷地跡(しきちあと)の売却を認めず、真満院の相続を認める通知を禅乗(ぜんじょう)に出した。もし先代住持がこの決定に随(したが)わなければ厳罰に処すという将軍義輝の仰せを通達したもの。

土地や敷地の範囲を示すために中世ではしばしば絵図(えず)・差図(さしず)が作られた。左の差図の作成意図や場所は不詳だが、右の文書に貼り継がれていることから、光薗院旧跡を示した可能性も残る。

●室町幕府奉行人連署奉書(むろまちばくふぶぎょうにんれんしょほうしょ)(折紙)
写真釈文

●某地差図(ぼうちさしず)
写真釈文

数量:室町~戦国時代|1巻

熏韋威肩紫紅縹腹巻 本館蔵

時代:16世紀|数量:1領

大航海時代のなかの日本

終了予定日:2025年12月26日(金)

横矧二枚胴具足 本館蔵

甲冑はその時代の主要武器のありようを反映している。弓矢が盛んだと大鎧。刀や薙刀だと腹巻・胴丸の類である。さらに鉄砲や鑓の歩兵集団戦が主体になると、鑓先や玉を外すために鉄板仕立の新様式の当世甲冑が流行した。

時代:16世紀|数量:1点

花樹鳥蒔絵螺鈿洋櫃 本館蔵

空間を充填するように密に文様を描く例は、伝統的な蒔絵装飾には認められず、インドやイスラムの装飾様式の影響を受けたものと推測される。

桃山時代(16~17世紀)|数量:1点

扇面蒔絵螺鈿洋櫃(台付) 本館蔵

付属の台は、「ジャパニング」と呼ばれる模造漆技術によってヨーロッパで製作されたもの。

江戸時代初期(1630年代~40年代)|数量:1点

花鳥蒔絵螺鈿洋櫃 本館蔵

時代:桃山時代(16~17世紀)|数量:1点

草花蒔絵螺鈿箪笥 本館蔵

大小八個の抽斗をおさめる箪笥。南蛮漆器の主要品目は洋櫃と箪笥であった。多くの箪笥は、前面に倒れる形式の蓋を有する書箪笥(escritorio)であったが、本資料は前蓋を持たない点がやや珍しい。

桃山時代(16~17世紀)|数量:1点