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第429回「サザンカの文化史と園芸品種」第434回「東アジアにおける近代化と学知」第433回「幕末の風刺画と鯰絵」(開催中止)第432回「八重山・宮古・奄美からみた琉球帝国」

第429回「サザンカの文化史と園芸品種」

開催要項

※2020年12月12日開催延期分
日程 2021年12月11日(土)
講師 箱田 直紀(恵泉女学園大学名誉教授)

講演趣旨

サザンカは九州や四国など西南日本の山地に分布する自生サザンカから生まれた日本原産の花木です。関東以西でしたら庭木や生垣などとしてどこでも普通に見られますが、江戸時代初期から後期、明治期など何回かの発達期を経て、現在でも400以上の園芸品種が栽培されています。

自生種の花は1012月に咲き、67弁の白花ですが、広く栽培されている園芸品種には桃色や紅色、紅ぼかしなどがあり、花形も八重や千重咲き、獅子咲きなど様々です。これら多彩な園芸品種が生まれたのは、江戸時代初期あるいはそれ以前に、西南日本のどこかでサザンカとヤブツバキが自然交雑し、その雑種にサザンカやツバキ、あるいはそれらの園芸品種が交雑を繰り返すことによって変異が拡大したと考えられています。

今回は多彩なサザンカの園芸品種が生まれてきた経緯を辿りながら、園芸サザンカの全体像と特徴的な数々の品種や最新品種などについても紹介します。

第434回「東アジアにおける近代化と学知」

開催要項

日程 2021年11月13日(土)
講師 木村 直也(元立教大学特任教授)

講演趣旨

かつて日本で多数派だった近代史観は、「鎖国をしていた日本が開国し、幕府を倒して成立した明治政府は近代化を進め、アジアで最も早く近代国家を樹立した」というものでした。これはある一面を捉えてはいますが、こうした視点だけでは見落とすものも多く、近年の研究動向では、西洋近代至上主義から脱却しつつ、「日本国家vs.西洋諸国」の枠組みだけではない重層的な捉え方をし、多様性への目配りもなされてきています。とりわけ日本が属していた東アジアへの着目がはかられてきていて、今回の企画展示でも随所に生かされています。

この講演では、企画展示の特徴に触れながら、東アジアの近代化、漢文を介した世界情勢理解、江戸時代に交隣の関係であった日朝関係の転回、西洋近代を学ぶことによるアジア認識の変化、福澤諭吉と東アジアとの関係についてお話ししたいと思います。それによって東アジアの近代化について考察を深めていただければ幸いです。

第433回「幕末の風刺画と鯰絵」

開催要項

日程 2021年8月14日(土)※開催中止
講師 湯浅 淑子(たばこと塩の博物館)

講演趣旨

19世紀後半、江戸では数多くの風刺画が制作されました。当時の浮世絵出版には、絵師名と版元名を出し、出版前に改(あらため=検閲のこと)を受けるというルールがありましたが、浮世絵のいちジャンルである風刺画には、出版ルールに則ったものと無視したものがあります。出版ルールに則った風刺画は、検閲を通すためか、内容がストレートに伝わらないように、わかりづらくなっています。一方ルールを無視したものは、何を風刺しているか、よりわかりやすいものが多いという特徴があります。

安政2年(1855)102日に江戸を襲った大地震をきっかけに出された鯰絵以降、出版ルールを無視したものが多く見られるようになり、それに伴い風刺の対象がストレートに表現されるようになります。そういう意味でも、鯰絵は幕末の風刺画にとり、大きな存在です。さらに鯰絵展でも触れられている通り、鯰絵のモチーフはその後の風刺画に受け継がれていて、鯰絵が幕末の風刺画に与えた影響は大きなものがあります。

ここでは、19世紀の代表的な風刺画を紹介し、鯰絵以前と以降での変化を見ながら、鯰絵の果たした役割を考えたいと思います。

第432回「八重山・宮古・奄美からみた琉球帝国」

開催要項

日程 2021年4月10日(土)
講師 村木 二郎(本館研究部)

講演趣旨

世界史上の大航海時代より以前、早くも14世紀代から東アジア海域では活発な交易がおこなわれていました。その中心となったのが海洋国家・琉球です。琉球王国の輝ける時代は、これまでもしばしば紹介されてきました。ただ、琉球はその活動過程で、言語も文化も異なる周辺の島々、八重山・宮古・奄美に侵攻し、それぞれの社会を大きく変化させたことはあまり知られていません。

文献資料のほとんど残っていないこれらの地域の歴史は、琉球王国によって作られた歴史書をもとに語られてきました。しかし島々を歩くと、ジャングルの中には当時の村が遺跡として眠っており、そこからは大量の陶磁器が発見されます。琉球王国とは別の世界が、そこには確かにあったのです。

これまでほとんど注目されてこなかった琉球の帝国的側面に視点を据え、八重山・宮古や奄美といった周辺地域から琉球を捉え直す。現在開催中の特集展示「海の帝国琉球-八重山・宮古・奄美からみた中世-」はそういった内容です。その中からポイントとなる話題をお話しさせていただきます。

 

第431回「江戸東京の明治維新ー身分とジェンダーの視点からー」

開催要項

日程 2021年3月13日(土) ※開催中止
講師 横山 百合子(本館研究部)

第426回「女性とスポーツの近代」

開催要項

日程 2021年2月13日(土)(2020年8月8日(土)当初予定)※開催中止
講師 樋浦 郷子(本館研究部)

 

 

第430回「東アジアのなかの近代日本」

開催要項

日程 2021年1月9日(土)※開催中止
講師 吉井 文美(本館研究部)