「冬の華・サザンカ」(2025年度)

開催概要
サザンカは日本を原産地とし、ツバキとともに冬枯れの季節に庭を彩る数少ない植物です。くらしの植物苑では、特別企画「季節の伝統植物」の一環として、2001年より冬を代表する園芸植物であるサザンカを収集し、展示してきました。これらには、「江戸サザンカ」「肥後サザンカ」と呼ばれる独自の品種群も含まれています。
サザンカは、自生種に近い「サザンカ群」、獅子頭の実生またはその後代と考えられている「シシガシラ(カンツバキ)群」、サザンカとツバキの間で自然にできた交雑種またはその後代と考えられている「ハルサザンカ群」の3グループに大別され、花はグループごとに10月中頃から翌年2月にかけて上記の順に咲いていきます。これらの品種は、いずれも実生の変種から選抜されたもので、こうした品種を維持・普及する方法は、日本の園芸文化の大きな特徴といえます。くらしの植物苑では、⼈とサザンカの関わりを遺伝資源と⽂化的な資産の両⾯から着⽬し、⽣きた植物と歴史資料を併せて考察した成果を展⽰してきました。
本展では、約140品種のサザンカを鉢植えで展示いたします。
開催期間
2025年12月2日(火)~2026年2月1日(日) ※苑内メンテナンス・悪天候等、諸般の理由により、開苑日・開苑時間等の変更、各種催し物を延期または中止する場合があります。最新の情報は館のホームページ及びSNSでご確認ください。 |
会場
国立歴史民俗博物館 くらしの植物苑
料金
個人 100円、団体50円
※2026年1月11日(日)は入苑無料。
※高校生以下は入苑無料です。
※団体は20名以上です。
※障がい者手帳等保持者は手帳等提示により、介助者と共に入苑無料です。
※博物館の総合展示・企画展示は別途料金がかかります。
※博物館の半券の提示で、当日に限りくらしの植物苑にご入場できます。また、植物苑の半券の提示で、当日に限り博物館の入館料が割引になります。
開苑時間
9:30~16:30 (入苑は16:00まで) |
休苑日
12月8日・15日・22日・23日、27日~1月6日・13日・19日・26日
主催
大学共同利用機関法人 人間文化研究機構 国立歴史民俗博物館
※内容は変更する場合があります。ご了承ください。
主な展示内容
2000年に当苑へ寄贈された品種に、その後新たに収集した品種を加え、栽培・育種したサザンカ(サザンカ群70品種、シシガシラ(カンツバキ)群43品種、ハルサザンカ群32品種)を鉢植えにて、苑内の東屋周辺、ハウスで展示します。一部、常設スペースでの地植えもあります。
- 出展品種 計 約140品種
- 出展鉢数 約300鉢
※生育状況により出展数は変わる場合があります。
展示解説会のご案内
展示風景
1. 展示風景(東屋)
2. 展示風景
サザンカ群 / 開花期は10~12月
生態・形態的に、サザンカの自生種に近いグループで、一重か二重の花を咲かせます。花色は、白、桃、紅、紅色の覆輪ぼかしがあり、香りが強い種類です。大輪花も多く、「江戸サザンカ」の代表的なものも、この品種群のなかまです。
3. 七福神(しちふくじん)
4. 朝日鶴(あさひづる)
5. 黒紅サザンカ(くろべにさざんか)
シシガシラ(カンツバキ)群 / 開花期は11~3月
中部地方に古木が多い「獅子頭」がもとになってつくられたもので、真冬に、八重や獅子咲きなどの華やかな花を咲かせます。花色は、白、桃、紅、紅色の覆輪ぼかしがあり、香りは弱い種類です。
6. ミスエド
7. 絞昭和の栄(しぼりしょうわのさかえ)
8. 玉姫(たまひめ)
ハルサザンカ群 / 開花期は12~4月
サザンカとツバキの自然交雑で生まれたと考えられていて、開花が遅く、初冬から春にかけて、一重や八重、千重咲きまでさまざまな花を咲かせます。花色は、白、桃、紅、紅色の覆輪ぼかし、縦絞りがあり、香りはほとんどないものから強いものまであります。
9. 東牡丹(あづまぼたん)
10. 宝塚(たからづか)
11. 明日華(あすか)
関連の催し物
展示解説会のご案内
日時
2025年12月2日(火) 13:30~
会場
くらしの植物苑
備考
要入苑料 |
当展示プロジェクト委員による解説を行います。事前予約等は必要ございません。
くらしの植物苑観察会
第318回「名前からひもとくサザンカの伝播」
日時
12月20日(土) 13:30~15:30
会場
くらしの植物苑
講師
加地 典子(日本ツバキ協会)
備考
要入苑料、事前申し込み不要