第467回 講演会「文化財科学からみた冶金と金属工芸」
開催要項
日程
2026年3月14日(土)
時間
13:00~15:00 (開場:12:30)
場所
歴博講堂
講師
齋藤 努(本館情報資料研究系教授)
定員
240名(先着順)
参加費
無料
備考
事前申込不要
講演趣旨
ここでは、「金・銀・銅」にまつわるお話をします。
小判は江戸時代の金貨ですが、金銀合金でできています。時期によって金濃度が異なりますが、「色付」という処理を施すことで、銀を化学的に溶かして除き、金を表面に残して金色に見せています。調べてみたところ、ある時期から色付が深くなっていることがわかりました。
江戸時代の銀貨である丁銀は銀銅合金でできており、時期によって銀濃度が大きく変動します。これらも、色付で銅を溶かして除き、銀を表面に残して銀色に見せています。色付の深さは系統的に変わるわけではなく、大きく3通りに分けられるようです。
中世に日本で作られた経筒や禅宗寺院の雲版、鎌倉大仏などは、北宋から輸入した銅銭を原料にしていたという説があります。しかし、実際に北宋銭を分析して原料の産地を調べたところ、それらとは異なる地域や鉱山のものがたくさんありました。素材を個別に輸入し、混合して材料に使ったと考えた方がよさそうです。