第462回 講演会「中世寺院の経済学 ー信仰・院家・地域社会ー」
開催要項
日程
2025年9月13日(土)
時間
13:00~15:00 (開場:12:30)
場所
歴博講堂
講師
小野塚 航一(本館研究部特任准教授)
定員
240名(先着順)
参加費
無料
講演趣旨
「お坊さん」と聞くと、清貧を旨とし、欲にとらわれず、日々の修行に真摯に向き合う――そんな“お堅い”姿を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。そうしたイメージは、僧侶の暮らすお寺にも重ねられ、俗世に染まらない厳かなたたずまいこそ「寺院のあるべき姿」とみなされてきました。
しかし、お寺も突き詰めれば人間が営む一つの経営体。俗世とのつながりを完全に断ち切ることはできず、とりわけ経済面においては決して無縁ではいられません。寺院が行うさまざまな経済活動は、僧侶の生活や境内の維持・整備を支えるだけでなく、宗教活動を成り立たせるための、まさに欠かすことのできない基礎条件でもあったのです。
本講演では、こうした寺院の経済活動を歴史的視点から捉え直し、その実態と変遷を探っていきます。特に江戸時代以前、なかでも中世という時代に焦点を当て、当時の寺院がどのような経済活動を展開し、いかなる経済基盤を築いていたのかを、皆さんとともに史料を通して読み解いていきたいと思います。