第461回 講演会「近代中国で生きた外国人たち」
開催要項
日程
2025年7月12日(土)
時間
13:00~15:00 (開場:12:30)
場所
歴博講堂
講師
吉井 文美(本館研究部歴史研究系准教授)
定員
240名(先着順)
参加費
無料
講演趣旨
いま日本には多くの外国人が生活しています。また、多くの日本人が海外で生活しています。歴史を振り返ってみると、近世においては、国境をこえる人の移動は極めて限定的でした。海外に行って暮らすことや、国内で外国人とともに暮らすことは、近代以降少しずつ拡大していったともいえます。
私の専門は近代の東アジア国際関係史で、中国における日本人やイギリス人の活動を、帝国史や外交史の文脈で研究してきました。中国で活動する外国人の人数や居住地域が拡大するのは、アヘン戦争以降のことです。それらの人びとは治外法権を持ち、租界で生活するなど、さまざまな権利を中国から付与されていました。日本人も日清戦争後に一連の特権を獲得します。中国における外国人の活動は、帝国主義とも密接に関わっていた点に特徴があります。
治外法権の付与という点からも分かるように、中国における外国人の活動には、日中関係や中英関係など国家同士の関係が色濃く投影されていました。しかし必ずしもすべてがそれに規定されていたわけではなく、さまざまな局面で多様な選択をする人びとがいたことも近年明らかになっています。中国を一つの舞台として、人びとの経験から東アジアの近代を考えてみましょう。