若手研究(B)

中国西域およびアジア東辺地域出土馬具の比較研究

研究期間:2006年度~2007年度

研究代表者 中條(藤井)英樹 (本館・機関研究員)

研究目的

近年の3世紀から7世紀における東アジア出土馬具に関する研究は、日本列島のみならず中国東北地方や韓国から多くの新資料が発掘されたため、それらの系譜関係の整理をおこない当時の国際交流に言及するなど活発な議論・研究が展開されている。馬具系譜関係の研究においては出土資料の綿密な観察にもとづいた構造の把握が最重要課題である。しかし、通常は腐朽してしまう有機物部分が良好に残存する中国西域の新疆ウイグル自治区出土馬具のように、日本列島も含めたアジア東辺地域出土馬具の構造を考察するうえで非常に参考になる馬具が出土しているにもかかわらず、いまだ当該地域出土馬具の構造把握、資料の実態・集成は不十分と言わざるを得ない。

そこで、中国西域の新疆ウイグル自治区や内蒙古自治区出土の馬具の資料集成・調査・報告をおこなうことを第1の目的として研究をおこなう。そして同時に日本列島の古墳時代に併行する時期でかつ有機物が明瞭に残存する資料を中心に調査をおこない、日本列島や韓国・中国東北地方出土馬具の構造を復原することを第2の目的として研究をおこないたい。