大学院について
正式名称は、総合研究大学院大学(総研大)先端学術院先端学術専攻 日本歴史研究コース。平成11(1999)年に、国立歴史民俗博物館(れきはく)に設置された、博士後期課程のみの大学院です。この大学院では、歴博がもっているたくさんの資料や図書、充実した研究施設などを利用し、さまざまな専門分野の教員による指導のもとで、学際的な研究を行うことができます。
※令和5(2023)年4月より、文化科学研究科日本歴史研究専攻は、先端学術院先端学術専攻日本歴史研究コースへ、移行いたしました。
コース長挨拶
三上 喜孝
MIKAMI Yoshitaka
コース長
日本歴史研究コースについて
総合研究大学院大学は、先端学術院先端学術専攻に属する20のコースからなり、そのなかで国立歴史民俗博物館(歴博)を基盤機関とする日本歴史研究コースでは、歴史学、考古学、民俗学、美術史、情報学、分析科学などさまざまなアプローチから歴史研究を進めることができます。歴博が所蔵する膨大な歴史文化資料と最新の分析機器等を活用した実践的な研究ができることも大きな特色です。さらに博物館という強みを生かして、専門的な研究成果を社会にどのように還元していくかという問題意識も育てていくことができます。総研大の一翼を担うコースとして、文理さまざまな学問領域をカバーする他の19コースとの連携もめざしています。学際的な研究を意識した幅広い関心から歴史の研究に取り組む仲間を歓迎します。
コースの3つの特徴
異分野への挑戦
本コースには、約30名の教員がいます。歴史学、考古学、民俗学、美術史学、文化財科学など、専門領域は多彩です。学生は、自分の専門にかかわらず、他分野の講義・ゼミを履修することが可能です。また、多分野の研究者が行う共同研究への参加が、新たな道を拓きます。
豊富な資料と蔵書
博物館の所蔵資料約30万点、図書室の蔵書は約35万冊。身近にある所蔵資料を利用した講義やゼミは、博物館の大学院ならではの醍醐味といえるでしょう。また、研究書のほか、各地の発掘調査報告書や自治体史、博物館の展示図録など充実した蔵書も魅力です。
充実した資金援助制度
論文作成で必要な物品等の購入費のほか、国内外の調査・学会参加旅費を補助する制度があります。また、歴博の共同研究や総研大のRA(リサーチ・アシスタント)等、さまざまなプロジェクトの補助業務の機会があります。
ポリシー
先端学術院アドミッション・ポリシー
求める学生像
総合研究大学院大学は、研究に対する強い興味を持ち、学問の全体を俯瞰的に捉えながら、新しい時代を切り開く研究を目指して、豊かな知性と感性を絶えず研磨し、国際的に活躍する意志と熱意を持った学生を求めます。
日本歴史研究コース(カリキュラム・ポリシー)
コース概要
広義の日本歴史の分野に関して、専門的並びに国際的・学際的な視野をもち、特定の専門分野や資料に根ざして高度で先端的な研究を行える研究者、および、高い研究能力をもって社会に貢献できる人材の育成を目的とします。本コースは、修士を受け入れる博士後期課程のみから成り、コースに所属する学生は千葉県佐倉市に所在する人間文化研究機構国立歴史民俗博物館において学修・研究活動を行います。博物館の膨大な所蔵品と最新の分析技術を駆使して、資料に基づいた最高レベルの研究を博士論文に結実させます。
目指す博士像
- 広義の日本歴史の分野に関して、資料に基づいた高度な研究を行う能力を身につけ、学問的な発展に貢献できること。
- 学際的な見地と論理的な判断能力に基づき、ニーズを踏まえつつ、高い倫理観と責任をもって社会に貢献できること。
- 獲得した知見に基づき、高い水準の研究成果を国内外に向けて発信するとともに、独創的な研究を主導できること。
学習活動・研究活動
日本歴史研究コースでは、個別授業・基礎演習・論文指導という3つの形態の授業を行います。
個別授業では、担当教員がそれぞれの専門に沿った講義・対話およびディスカッションを通じ、専門および関連の分野での知識を深めます。実物資料の利用という博物館特有の授業が可能です。基礎演習では、コースの教員と学生の全員が参加して、発表とディスカッションを行います。専門を超えた対話が、研究の視野を広げ、コミュニケーションの能力を高めます。論文指導では、おもに指導教員とともに、博士論文の作成に向けた知識や技術の実践を、講義・演習・実習など、さまざまな形で行います。
これら3つの授業形態以外にも、倫理性や学際性を養うために各種の集中講義などがあります。学位を取得するには、カリキュラムに沿って以上の授業単位を取得し、博士論文を完成させます。
学位を取得するには(ディプロマ・ポリシー)
学位の取得には、所定の期間在学して必要とされる単位を取得し、研究指導を受け、本コースの過程を修了すること、および、所定年限内に博士論文の審査及び試験に合格することが学位の要件です。
課程の修了は、広義の日本歴史研究者として自立して活動するために必要な総合的能力と、その基盤となる専門的かつ学際的知識を身につけているかどうかという点を基準として判断されます。博士論文は、まず提出の約6か月前に論文の予備審査を出願し、それが承認されてから正式な審査を行います。学内の指導教員のほか、学外の研究者も加わって、専門的かつ広範な視点から審査を実施し、公開発表会、口述または筆記試験を行います。合格後に学位授与の運びとなります。学位授与と卒業の機会は、年2回(9月・3月)です。なお、取得できる主な学位は、博士(文学)です。
学位論文に係る評価基準
以下の諸点について、コース内審査担当教員ならびに外部審査員による検討を行う。
- テーマ設定がどのようなオリジナリティをもっているか。
- 先行研究の研究史整理が十分に行われているか。
- 活用する資料の資料批判などを通した実証性が貫かれているかどうか。
- 論文全体が、論文構成に即して、論理的に記述されているかどうか。
- 論文で何を明らかにし、いかに研究水準を高めたか。
学生支援
資金援助制度
有給の研究の補助として、歴博の共同研究や総研大のリサーチアシスタントなどの経済的支援制度があります。
相談窓口
学生のみなさんの勉学・研究を始めとした学生生活、悩みや対人関係など、さまざまな問題に対応し、教育研究環境をより良いものにしていくため、当コースでは以下のような相談・カウンセリング体制を整えております。どうぞお気軽にご相談ください。ひとりで悩まず、相談することでより良い解決方法を一緒に探っていきましょう。
学生相談員
齋藤 努 教授
E-mail: saito(at)rekihaku.ac.jp
※(at)は@に変更してください。
カウンセリング
毎月、第2水曜日の午前3時間程度カウンセラーによる相談窓口を設置しています。
前田昭子(臨床心理士)
2023年度カウンセリングのご案内 (PDF)
この他に教員・職員によるハラスメント相談窓口もございます。
その他
動画で知る大学院
YouTubeにて日本歴史研究コースの紹介をしています。
歴史学・考古学・自然科学の共同研究について(坂本稔教授)
授業の様子(2022年度)