基幹研究

水と人間の日本列島史

水をめぐる認知と技術と社会の連環からみた日本列島の歴史過程と文化形成

研究期間:2019年度~2021年度

  氏名(所属/専門分野/分担課題)
研究代表者 松木 武彦
(本館研究部/考古学/水の認知考古学)
研究組織 井上 智博
((公財)大阪府文化財センター/日本考古学/弥生時代の水利用)
菅 豊
(東京大学大学院情報学環・学際情報学府/民俗学/生活・環境と水)
坂 靖
(奈良県立橿原考古学研究所/日本考古学/古墳時代の水と世界観)
藤井 弘章
(近畿大学/民俗学/生活・環境と水)
別所 秀高
((公財)東大阪市文化振興協会/考古地理学/水環境変化の地理的把握)
村上 忠喜
(京都産業大学/民俗学/京都の町と水)
山口 雄治
(岡山大学埋蔵文化財調査研究センター/日本考古学/水からみた弥生文化成立)
渡辺 浩一
(国文学研究資料館/アーカイブズ史/近世都市の成立と水の管理)
島津 美子
(本館研究部/分析科学/水の表現法)
関沢まゆみ
(本館研究部/民俗学/村落・祭祀と水)
仁藤 敦史
(本館研究部/日本古代史/古代国家と水)
林部 均
(本館研究部/日本考古学/古代都城と水)

研究目的

水稲農耕が始まった弥生時代以降、日本列島各地の人びとが「水」をどのように認知し、制御し、活用することによって、再生産が可能な社会を織りなしていったのか、その歴史的なプロセスとメカニズムを解明することを目的とする。

「水」を主軸とした日本史の叙述はこれまでにも試みられているが、本研究の特色は、水と社会との関係史を、単に技術的・経済的側面の発展プロセスだけではなく、認知・儀礼・世界観という心的・文化的側面の変容プロセスを重視し、前者と後者との相互作用に光を当てて日本の社会と文化の形成過程を叙述するところにある。
このような特色を発揮するために、本研究は、考古学と民俗学を両輪とし、それに歴史学・地理学・分析科学などの分野が加わって、どの分野からも接近可能な「水」を共通の土俵に、各分野対等の学際研究を進める。具体的には、それぞれの時代と地域について、(1)人々は水をどう認知してどういう要請からどのような土木技術を実現し、(2)その土木技術が水をめぐる社会関係をどのように作り上げ、(3)その社会関係がどのような儀礼を媒介にどのような世界観として演出されたか、という3点を明示することを、各分野が共有する分析視角とする。
さらに具体的には、上記(1)<土木技術>について、先史・古代の村落と都城における用・排・防水システム(考古学・地理学)、村落・都市の用・排・防水のシステムと運営(民俗学)などを明らかにする。(2)<水をめぐる社会関係>については、水利の争奪・掌握と先史~古代の社会統合(考古学・歴史学)、水争い・水利慣行と中~近世の村落組織(民俗学・歴史学)などを検討する。(3)<水の儀礼と世界観>については、水に関連する祭祀遺跡(考古学)、村落における水と祭祀(民俗学)、国家祭祀と水(歴史学)、絵地図の水表現(地理学・分析科学)などを分析する。

まとめとして、各時代・地域で明らかになった、水をめぐる「認知と技術→技術と社会→社会と儀礼・世界観」の関係を敷衍・一般化することによって、日本列島の歴史と文化の特性を抽出する。

研究会等

概要

日程:2021年2月13日(土)
場所:国立歴史民俗博物館(Zoom)

内容

10:00~10:15 挨拶・自己紹介
10:15~10:50 関沢まゆみ「ニソの杜と水源」
10:50~11:50 新谷尚紀「水と神社-水源・清流・清水-」
11:50~12:20 質疑応答
13:10~15:10 別所秀高「地形学的にみた古代淀川低地の治水戦略」
15:10~15:25 休憩
15:15~15:45 全体についてのディスカッション
15:45~16:00 今後の予定・事務連絡