基盤研究

分析機器・設備利用型共同研究

平成30年度共同研究:九州南部における縄文時代早期後葉土器群の年代的位置付け

研究期間:平成30年度

研究代表者 立神 倫史(公益財団法人鹿児島県文化振興財団埋蔵文化調査センター)
館内担当教員 工藤 雄一郎(本館研究部)

研究目的

九州地方の縄文時代早期後葉に位置づけられる鹿児島県上野原遺跡や佐賀県東名遺跡などでは当時の生活環境や精神文化等を伺える事例が確認されている。一方で,鬼界アカホヤテフラが広域テフラと判明した1970年代以降,考古学的年代の指標となる当該期の土器編年の見直しが行われているが定説をみない状況である。今回,当該期の土器付着炭化物の放射性炭素年代測定を行うことにより,従来の考古学研究による手法による検討を加え,多角的に年代的位置付けを考察することが可能となる。近年では,佐賀県東名遺跡や鹿児島県三角山遺跡群出土の縄文時代早期後葉後半の塞ノ神B式土器や苦浜式土器等の年代測定例は増えつつある。一方で,早期中葉土器群からの変遷を考える上で重要となってくる縄文時代早期後葉前半の手向山式土器~塞ノ神A式土器の年代測定例は,さほど多くない状況である。そこで,今回鹿児島県曽於郡大崎町天神段遺跡出土土器を中心とした鹿児島県内出土の早期後葉前半土器の放射性炭素年代測定を実施することにより,従来の編年研究で判然としなかった早期後葉前半段階の土器型式間の年代的位置付けを明確化することを目的とする。同時に,この時期は8.2kイベントと呼ばれる寒冷ピーク期とも重なる。そうした環境による影響を遺跡から考えていく上でも年代的指標となる当該期土器群の年代的な位置付けの検討・検証が必要である。