基盤研究

分析機器・設備利用型共同研究

平成30年度共同研究:縄紋土器付着物の放射性炭素年代測定研究 ―西日本縄文後晩期の実年代の確定へ向けて―

研究期間:平成30年度

研究代表者 小林 謙一(中央大学)
館内担当教員 坂本 稔(本館研究部)

研究目的

炭素14年代測定研究は、歴博においても基幹的な研究の一つとしておこなわれてきたところであり、申請者である小林および館内担当者の坂本もその研究活動に参加してきた経緯を持つ。しかしながら、測定対象とする地域・時期は多岐にわたり、日本列島に絞っても測定事例がいまだ十分とは言えない。特に縄紋時代については東日本中心に測定を重ねてきた。弥生への移行をより明確に把握するためには、縄紋の年代についても全国的な視野から再検討が必要となっている。

測定試料としては、歴博が主体となって研究してきた以前の学術創成研究(2004~2008年度)などにおける採集試料のうち,当時は技術的制約から測定のための処理を保留してきた縄紋・弥生関係の土器付着物試料(長崎県内遺跡、岡山県彦崎貝塚、香川県内遺跡、兵庫県佃貝塚、大阪府瓜生堂遺跡、滋賀県下之郷遺跡など)が保管されており、現在の手法での前処理・測定によって結果を得られる見込みのある試料が存在する。これらの試料を歴博にて前処理をおこなって他機関へAMS測定を委託することで、効率的に年代測定例を蓄積でき、日本列島先史文化の実年代による再構成をより明確に検討し得ることが期待できる。特に、西日本縄紋後晩期の試料に測定できそうな試料が20試料以上確保されており、それらの測定をおこなうことで、不足していた年代値の蓄積を果たすことができる。得られた西日本の測定結果を、より土器編年研究の精度が高い東日本土器群の年代値と対比させることで、縄紋から弥生移行期の列島全体での交差年代を固めることが可能となる。