基幹研究

日本の原始・古代史像新構築のための研究統合による年代歴史学の新展開
―新領域開拓と研究発信―

(総括研究代表者 本館・研究部 藤尾 慎一郎)

個別課題・研究期間

I期 平成27年度~平成30年度(4年間)
A 戦いと国家形成の環境的基盤-炭素14年代と酸素同位体による古気候復元と社会統合過程との比較照合-
 (松木代表)平成27〜29年度
B 北と南からみた古代の列島社会-列島諸地域の交流・形成と環境変動-
 (三上代表)平成28〜30年度開始

II期 平成30年度〜平成32年度(3年間)
 「日本歴史の新構築-600年の時間差-」
A 唯物史観にもとづく原始・古代史像の再検討
B 気候変動の視点による中近世史像の再構築
C 稲作の民俗からみた伝承的歴史世界の再構築

研究目的

本基幹研究の全体研究計画は、第3期中期計画を念頭においたものである。

平成20年度より行ってきた弥生時代から古代国家成立までの原始・古代史像の再構築に加え、今回新たに温湿度を中心とした当該期の環境変動を復元した上で、日本の原始・古代史像の新構築を図る。

こうした研究は環境決定論として歴史学の王道からは低くみられてきたが、これまでの研究は、弥生の小海退や古墳開始期の寒冷化など、きわめて粗い精度の年代単位で花粉分析によって復元された気温をもとに行われてきた。しかし、弥生時代を中心とした年代観の高精度化によって、環境復元も同じ高精度で行い、政治や文化の動きをそれと対比させることによってあらためて見直しをはかり、再構築していく必要がある。

本研究では、総合地球環境研究所で行われている日本産樹木を素材とした酸素同位体比にもとづく環境復元にプラスして、朝鮮半島南部産の樹木を素材とした酸素同位体比にもとづく、東北アジアを舞台としたマクロな環境変動のもとで、気温と湿潤から本課題に迫ることを目的としている。また、製品としての青銅器、ガラス・釉薬やその原料の移動を追うことによって見えてくる当該時期の政治的・文化的な変化を、環境の変動と照合し、環境が歴史と文化に与えた影響について、あらためて考察を加える。

以上のように、本研究はまさに学際融合による研究統合と国際学術融合による新領域開拓を目指すものである。

ニューズレター

歴博基幹研究「日本の原始・古代史像新構築のための研究統合による年代歴史学の新展開 ―新領域開拓と研究発信―」の第1期分(平成27~30年度)について、平成28年度よりニューズレターの発行を始めました。これまで共同研究会の成果を中心とした内容をアップしましたので、ぜひご覧ください。また、今後、発行のたびにアップしますのでご期待ください。

大代表 研究部 藤尾慎一郎