年度別学術成果報告

2013年3月7日〜3月9日

国際シンポジウム「Moving Art Between East Asia and the West」
(東アジア西洋間における美術の移動)

会場: チューリッヒ大学

共催:人間文化研究機構、チューリッヒ大学アジア美術学部、国立歴史民俗博物館・久留島「総括チーム」
後援:国際交流基金・出光財団
出席者:120名

[参加者]

ハンス・トムセン(チューリッヒ大学)、大久保純一・日高薫・澤田和人・櫻庭美咲(国立歴史民俗博物館)

[内容]

チューリッヒ大学において「東アジア西洋間における美術の移動」と題する国際シンポジウムが行われ、スイス所在の日本美術コレクションの実態を解明するためにチューリッヒ大学が組織した『スイスにおける日本美術の在外秘宝プロジェクト』が現在実施中の共同調査・研究の成果が、チューリッヒ大学教授ハンス・トムセン氏、東アジア美術史学科の大学院生および関係者により発表された。さらに、ロンドン大学教授タイモン・スクリーチ氏、チェコ工芸大学副学長フィリップ・スホメル氏、東京大学文学部教授高岸輝氏、および歴博の報告者など、海外からの招聘者による西洋所在の日本美術コレクションに関する研究報告が行われ、国際的な日本美術の移動に関する問題が討議された。歴博の報告者のテーマは以下の通りである。

 大久保純一 「幕末・明治の日本版画輸出とジャポニスムへの影響」
 日高 薫 「西洋所在コレクションにみる東アジア製漆器」
 澤田和人  「西洋に渡った日本の染織―その研究上の意義」
 櫻庭美咲  「西洋所在歴史的コレクションにみる日本磁器」

本シンポジウムにおいて、最も力点が置かれた点は、チューリッヒ大学トムセン教授が率いる学生チームによる研究調査を核とする教育プログラムである。そのため、歴博の4名は、今回の滞在中、同大学学生たちと共同でスイスにおいて絵画および工芸の調査を行い、学生たちとの交流を深めた。

学会後にもチューリッヒ大学によるプロジェクトの研究調査は続けられており、成果発表のための展覧会が開催される予定となっている。

(文責:櫻庭)

全体のプログラムはこちら(PDF)

 


大久保教授の発表


チューリッヒ大学


前田隆平 駐スイス日本国大使


トムセン教授・スホメル教授・学生と歴博メンバー


チューリッヒ大学学生の発表