基盤研究
先端博物館構築研究
古代における文字文化形成過程の総合的研究
研究期間:平成22年度~平成24年度
研究代表者 | 小倉 慈司 (本館・研究部) |
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研究組織 | 李 成市 (早稲田大学文学学術院) 犬飼 隆 (愛知県立大学) 吉岡 眞之 (学識経験者、平成23年まで東京大学史料編纂所) 關尾 史郎 (新潟大学) 神野志 隆光 (明治大学大学院) 新川 登亀男 (早稲田大学文学学術院) 山口 英男 (東京大学史料編纂所) 三上 喜孝 (山形大学) 市 大樹 (大阪大学大学院) 安部 聡一郎 (金沢大学) 田中 史生 (関東学院大学) 森下 章司 (大手前大学) 中林 隆之 (新潟大学) 関 和彦 (共立女子第二中学高等学校) 寺崎 保広 (奈良大学) 大橋 信弥 (学識経験者)平成24年から 高橋 一樹 (武蔵大学、平成23年まで本館・研究部) 平川 南 (本館・館長) 小池 淳一 (本館・研究部) 永嶋 正春 (本館・研究部) 仁藤 敦史 (本館・研究部) 高田 貫太 (本館・研究部) |
研究目的
本研究は、古代における文字文化の全体像を明らかにすることを目的とする。本研究プロジェクトのこれまでの出土文字資料・石碑および正倉院文書などの調査研究実績を踏まえ、その総合化を図るとともに、未着手の文字資料の実物・画像データによる調査研究に重点を置く。また、日・中・韓の文字資料を古代史学・考古学・国語国文学・民俗学などの幅広い視点から次のような研究課題を設定する。
ブランチⅠ… 古代中国・朝鮮・日本の文字資料の記載様式・内容の比較検討、および書写材料および紙と木の使い分けについて
ブランチⅡ… 字音表記および仏教・儒教・道教など宗教と文字の問題について
ブランチⅢ… 正倉院文書と出土文字資料の相互比較
特に中国南部走馬楼木簡および韓国内で相次いで発見されている木簡や石碑などと古代日本の広範な文字資料との比較研究を実施し、東アジア諸国の文字文化の伝播の実態を解明し、古代日本の文字文化の実像を描くことを目指す。具体的なテーマとしては六つの課題を設定する。
《1》書写材料としての竹・木・紙・石・金属の使い分け。とりわけ中国・韓国・日本の木簡の樹種比較、古代朝鮮・古代日本においてなぜ竹を用いなかったのかという問題の検討と、紙・漆素材の科学的分析を行う。
《2》書写材料としての木と紙の使い分けの問題。30年を超える日本の木簡学会の議論においても、どのように両者を機能的に使い分けていたのかという問題は未解決の課題となっている。正倉院文書は、この観点において出土文字資料と比較検討する上で格好の素材であり、正倉院文書研究にとって不可欠の課題である。
《3》古代中国・朝鮮・日本における文字資料の記載様式・内容の比較検討。例えば、籍帳類、倉の出納などを通じて、竹・木・紙という書写材料と記載様式・内容の実態を解明する。
《4》文法・発音など字音表記の国語学的分析による古代朝鮮の複雑な実態とその影響を受けた古代日本の実態の解明。
《5》文字文化の伝播で大きな役割を果たした仏教・儒教・道教・呪術などの宗教的要素の解明 。
《6》古代日本の文字文化の全体的な骨格の解明。具体的には正倉院文書や木簡を視野に入れた古代文字文化の全体像を描く。
研究会開催予定-「古代における文字文化形成過程の総合的研究」 |
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日程 : 2010年10月31日(日) 10:00~16:00 |
備考 |
報告者・タイトル |