先端的同位体分析手法によって読み解く第四紀の海洋Sr循環ダイナミクス

科研費研究

基盤研究(B) 一般

先端的同位体分析手法によって読み解く第四紀の海洋Sr循環ダイナミクス

研究期間:2024年度~2026年度

研究代表者 若木 重行(本館・研究部)
研究分担者 堀川 恵司(富山大学)
高柳 栄子(東北大学)
吉村 寿紘(国立研究開発法人海洋研究開発機構)

研究目的

全球的な気候変動に影響を与える因子のうち陸上における珪酸塩鉱物の化学的風化作用は、海洋の二酸化炭素吸収率を介して気候の温暖化に負のフィードバックを与える。現在と同じ気候システムになった第四紀における珪酸塩鉱物の化学的風化フラックスの変遷とそのメカニズムは、現代における気候変動の理解とその将来予測にあたって鍵になる要素の一つであるが、未だ不明点が多い。本研究では、海水の放射起源Sr同位体比の僅かな変動として海洋底堆積物に記録されている珪酸塩鉱物の化学的風化フラックスの変遷を、先端的な同位体分析技術を用いてこれまでにない分析精度で検出することを目的とする。また、構築したSr同位体比進化曲線を用いて海洋のSr元素循環システム構成要素の検証を行うとともに、珪酸塩鉱物の化学的風化フラックスの変遷を定量的に再現することを目指す。