近代日本における暦制度と神社神道に関する宗教史的研究

科研費研究

特別研究員奨励費

近代日本における暦制度と神社神道に関する宗教史的研究

研究代表者 下村 育世(本館・研究部)

研究目的

本研究は、近代日本の暦の歴史を、神祇行政や神道界の動向と展開との関連から見直し、近代神社神道史の重要な構成要素であったことを示した後に、神道の歴史叙述の再構築に寄与し新たな歴史像を提示することを主たる目的とする。また日本の暦は後に神宮大麻とともに外地に頒布されるにあたり、海外神社が重要な役割を果たす。本研究では、帝国日本の暦政策の東アジアへの影響や皇民化政策との関わりを考察し、近代神道史を海外神社も視野に入れた歴史叙述に書き換えるにあたり必須の基礎的研究として、外地への日本の暦頒布政策の解明を第2の目的とする。

神祇・宗教行政側からの暦の通行や暦面掲載情報に対する対応や理解の歴史を解明するにあたり、神祇官や内務省の行政文書、神祇行政に関わった要人の私文書などから解明する。また帝国日本の外地への暦政策については、国内公文書史料で把握できる限りの調査により明らかにした上で、海外史料調査を行う。