航路・寄港地から見た倭と古代朝鮮の交渉史に関する日韓共同研究

科研費研究

基盤研究(B)一般

航路・寄港地から見た倭と古代朝鮮の交渉史に関する日韓共同研究

研究代表者 高田 貫太(本館・研究部)
研究分担者 稲田 宇大(滋賀県立大学)
廣瀬 覚(独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所)
諫早 直人(京都府立大学)

研究目的

本研究では、古墳時代(≒朝鮮半島の三国時代)における倭と古代朝鮮の交渉史を、実際に用いられた航路や寄港地の動態に焦点を定めて、考古学的に検討する。

フィールドを3 世紀後半~6 世紀前半の朝鮮半島西・南海岸に定め、海を望む立地にある集落・墳墓・祭祀遺跡の分析から、詳細な航路や寄港地を推定復元する。また、寄港地とおぼしき地にのこされた考古資料の多様な系譜を明らかにし、交渉にのぞむ倭系集団や百済・加耶系の集団、寄港地を生業の場とした現地集団との多元的な交流の動態を解明する。

さらに航路や寄港地が、近隣の地域社会、百済・馬韓(栄山江流域に位置した社会)・加耶・倭などの王権によってどのように管理・運営されたのか、ついて追究する。こうした情報を積み重ね、王権、地域社会、集団、個人がダイナミックに連動し交渉を重ねる、古墳時代の新たな日朝関係史を叙述する。