3D計測による縄文・弥生・古墳時代の土器装飾を貫流する「文様破調」の実態解明

科研費研究

基盤研究(C)一般

3D計測による縄文・弥生・古墳時代の土器装飾を貫流する「文様破調」の実態解明

研究代表者 石井 匠(本館・外来研究員)

研究目的

本研究では、土器の3Dモデルを作製し、研究代表者が縄文土器の器面全域の文様を対象に開発した、3D・2D両視点を統合する独自の文様構造分析法を他時代の土器にも適用し、上記の構造分析で見いだした文様破調を洗いだす。文様破調とは、器面を帯状に周回する連続文様の反復リズムが意図的に一か所で崩されるものを指す。

従来の考古学的文様研究では、器面全域の文様は、ほとんど分析対象とされず、時代をまたぐ文様構造の比較研究はなく、文様破調は、土器制作者の未熟な技術による偶発的なミスと考えられてきた。そこで本研究では、弥生土器や古墳時代の土師器・須恵器等における文様破調について、研究代表者独自の文様構造分析法を適用し、3Dモデルを用いた多視点の分析により、その真偽と普遍性を検証するとともに、縄文~古墳時代に貫流する美的構成要素の詳細な実態を解明することを目的とする。