日本開国史の再構築-「開国のかたち」をめぐる国際的相剋の解明

科研費研究

基盤研究(C)一般

日本開国史の再構築-「開国のかたち」をめぐる国際的相剋の解明

研究代表者 福岡 万里子(本館・研究部)

研究目的

本研究は、1858年を画期とする近代日本の通商開国のかたちが、(1)西洋列強間の国際的相剋の中で形作られる過程、そして(2)実際の開港後にそのかたちが多国間関係の中で再調整されていく過程を、多言語史料を参照しながら解明し、日本開国史を国際関係史として再構築することを目的とする。(1)については、研究史上ほぼ放置されてきた米使ハリスの未刊行史料群の徹底活用と、それ以上に顧みられてこなかったオランダの外交代表クルチウス及び外交顧問シーボルトの対日外交関係史料の活用による米蘭競合の実態の解明を、最大の課題とする。②については、開港後の対日外交で競合を深めた米使ハリスと英使オールコックの対抗関係の中で、五ヵ国条約に起因する諸問題が調整されていく過程を、米英日の史料の他、この間来日した独使オイレンブルクやシーボルト等の史料も第三者の史料として重視し、黎明期の日本外交史を国際関係史として蘇らせる。