古代日本と朝鮮の金石文にみる東アジア文字文化の地域的展開新

科研費研究

基盤研究(B)一般

古代日本と朝鮮の金石文にみる東アジア文字文化の地域的展開新

研究代表者 三上 喜孝(本館・研究部)
研究分担者 堀 裕(東北大学)
植田 喜兵成智(学習院大学)
稲田 奈津子(東京大学)
赤羽目 匡由(首都大学東京)
畑中 彩子(東海大学)
橋本 繁(日本女子大学)

研究目的

日本列島と朝鮮半島の漢字文化の展開と変容の実態を、石碑や墓誌、鐘銘や印章などの金石文を素材に考察することを目的とする。本研究課題が対象とする古代の日本列島や朝鮮半島は、中国の漢字文化が受容され、それがさらに地域社会の隅々まで浸透していく時代であった。漢字は、官僚や豪族による行政文書の作成という政治利用だけでなく、仏教・儒教などの思想や儀礼の広まりにおいても大きな役割を果たした。こうした実態を知る手がかりとしては、石や金属器に刻まれた金石文が重要な資料となるが、これまで金石文を分析する手法が韓国と日本で共有されていなかったため、その比較研究が難しかった。そこで本研究課題では、古代日本と朝鮮の金石文の比較研究の手法を開発し、さらには漢字文化とそれに付随する思想や儀礼が東アジアの各地域社会にどのように浸透していったか、その実態を金石文を通じて解明することを主眼とする。