第118号 2003年5月30日発行

題字解説


表紙解説

歴博第2展示室の「洛中洛外図屏風」と「京都の町並み」復元模型

第2展示室にならんでいる二つの展示品。両者は一連の展示であり、模型は屏風を典拠に作られた、という関係にある。しか し、典拠となった屏風は複数だが、屏風は一度に一種類しか展示できないし、また屏風はあくまでも絵であって、たとえば家は町割りの縮尺よりずっと大きく描 かれているから、そのまま模型になるわけでもない。近年配置した人形も、屏風全体から適宜抜き出したもので、本来の場所にはいない。復元模型は歴史展示に 重要な位置を占めるが、それはいろいろな要素を解釈し再構成して作った一つの歴史像にすぎないのである。

目次

巻頭エッセイ 7

[特集]胎動する歴史学 歴史展示
歴史展示とは何か / 小島 道裕

歴史の証人 写真による収蔵品紹介

サーカスの夜明け-軽業芸人の海外交流 / 松尾 恒一

[特集] 歴史展示

  • 反照する歴史の表象-アジアの三つの記念館を訪ねて 吉田 憲司
  • ドイツの歴史系博物館事情 藤尾 慎一郎
  • オーストラリアの博物館で考えたこと
  • -アボリジニの展示と戦争の記録をめぐって 久留島 浩
  • 幻の国立歴史博物館「国史館」とその周辺 金子 淳
  • [コラム] 団地生活再現展示のその後 青木 俊也

歴博けんきゅう便 第14回

展示の新たな可能性を求めて / 北原 糸子

研究者紹介 〔その7〕

歴史系博物館での資料に根ざした絵画史研究 / 大久保 純一

書評

春成 秀爾 著 『縄文社会論究』 / 甲元 眞之

自著紹介

宇田川 武久 著 『鉄砲と戦国合戦』

教室から博物館へ

観客からみた歴博 / 竹内 有理

れ・き・は・く・井・戸・端・会・議

歴博かわら版