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謹啓 時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。平素は、当館の運営等につきまして、格別のご配慮を賜り、厚くお礼申し上げます。
このたび当館では、2020年7月28日(火)~ 9月6日(日)の期間、くらしの植物苑特別企画「伝統の朝顔」を開催します。
夏の風物詩としておなじみの朝顔。当苑では、江戸時代以降に作り出されてきた朝顔とは思えない変わった花形や葉形の「変化朝顔(へんかあさがお)」を、約100系統、約700鉢展示いたします。
また、今年は、文化・文政期頃(1810年代~1830年代)に武士や庶民の間でおこった「朝顔の第一次ブーム」をテーマとし当時の変異が現在にも残っていることや、第一次ブームにおいて楽しまれていた、種のできる正木とよばれる比較的単純な変異の様子を図譜と現物展示を対比させて紹介します。あわせて、当時の人々の朝顔に対する知識について、現代の遺伝学や植物学の面から紹介します。
江戸時代から楽しまれてきた「えっ!これが朝顔?」と思える変化朝顔の世界をご堪能ください。
つきましては、この展示開催を貴媒体にてぜひ多くの方々にご紹介くださいますようお願い申し上げます。
謹白
例年実施している展示解説会、観察会、朝顔苗の有償頒布は新型コロナウイルス感染拡大防止のため中止となりました。大変ご迷惑をおかけしますがご了承ください。
開催概要

開催期間 | 2020年7月28日 (火)~9月6日(日) |
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会場 | 国立歴史民俗博物館 くらしの植物苑 |
料金 | 個人(高校生以上) 100円 団体(20名以上) 50円 ※高校生以下は入苑無料です。 ※障がい者手帳等保持者は手帳提示により、介護者と共に入苑無料。 ※博物館の総合展示・企画展示は別途料金がかかります。 ※博物館の半券の提示で、当日に限りくらしの植物苑にご入場できます。また、植物苑の半券の提示で、当日に限り博物館の入館料が割引になります。 |
開苑時間 | 9時30分~16時30分 (入苑は16時00分まで) ※開花の特性上、午前中の早い時間が見ごろです。 ※なお、8月10日(月祝)~16日(日)は8時30分から開苑いたします。 |
休苑日 | 毎週月曜日(休日の場合は翌日休苑します) ※8月11日(火)は開苑いたします。 |
主催 | 国立歴史民俗博物館 |
趣旨
朝顔は古くから多くの人々に親しまれてきました。特に江戸時代以降、文化・文政、嘉永・安政、明治・大正期など、繰り返し朝顔ブームが訪れ、変化朝顔とよばれる、朝顔に見えないような多様な形の花と葉を持つ朝顔が創り出されてきました。特に、朝顔は一年草であるにも関わらず、種子を結ばない変異も種子によって維持してきたことは世界的に見ても特異なもので、幕末の嘉永・安政期にはきわめて多くの品種が創り出されていたようです。
しかし、大正期以降、現在でも広く栽培されている大輪朝顔の栽培が盛んになる一方、変化朝顔の愛好家は次第に減少し、第二次世界大戦後の変化朝顔はわずか数名の愛好家によって維持される状況になりました。幸いなことに、江戸期に起源を持つ変化朝顔の変異の多くは、愛好家や研究者の努力によって現在まで維持されているのです。そこで、江戸時代以降の独創的な知識と技術を駆使してつくり上げられた伝統の朝顔を広く知っていただき、人と植物との関わりを見るべく、当苑では1999年以降、歴史資料としてこれらの朝顔を展示してきました。
今回は、文化・文政期頃(1810年代~1830年代)に武士や庶民の間でおこった「朝顔の第一次ブーム」をテーマとし、当時の変異が現在にも残っていることを紹介します。第一次ブームにおいて楽しまれていたのは、種のできる正木とよばれる比較的単純な変異がほとんどです。展示では、その様子を図譜と現物を対比させて紹介します。あわせて、当時の人々の朝顔に対する知識について、現代の遺伝学や植物学の面から紹介します。
また、くらしの植物苑内のハウス、東(あずま)屋、よしず展示場に、当苑で栽培した鉢植えの朝顔を展示します。
主な展示内容
![]() 黄弱渦柳葉淡水色地青紫吹雪采咲牡丹 |
●明治時代以降の大輪朝顔25系統程度
●ヨーロッパ・北米産の近縁の朝顔 10系統程度
計 約100系統、約700鉢を展示
★公的機関としては日本最大規模です!
展示風景
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広報用素材の提供について
ご希望の写真を送付いたしますので、プレスリリースの画像番号をご連絡ください。 画像(JPEG)はメールで送信いたします。問い合わせ先は下記の「このリリースに関するお問い合わせ」をご覧ください。
ご注意
- 本展広報目的でのご使用に限ります。(展示期間終了まで)。
- 展覧会名、会期、会場名、掲載図版のキャプションを必ず掲載してください。
- 資料画像は全図で使用してください。文字を重ねるなど画像の加工・改変はできません。部分使用については事前申請・許諾が必要です。
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以上の点に留意いただけない場合に発生したトラブルについて、本展主催者として一切の責任を負いかねますのでご注意ください。
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1)松島鍬形葉白地紫時雨絞丸咲(咲分け) | 2)黄蝉葉栗皮茶丸咲大輪(団十郎) | 3)黄抱常葉紅覆輪丸咲牡丹 |
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4)青尾長立田葉淡青切咲 | 5)青縮緬立田雨龍葉紫車咲 | 6)黄縮緬葉瑠璃筒白総鳥甲吹上台咲牡丹 |
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7)黄弱渦柳葉淡水色地青紫吹雪采咲牡丹 | 8)青林風尾長爪龍葉白管弁流星獅子咲牡丹 | 9)青渦顰葉渦小人紅筒白丸咲 |
豆知識 ー変化朝顔の名称-
江戸時代に育まれた園芸植物の中で、変化朝顔には特異な名称がつけられています。第一次ブーム(文化・文政期)の番付表にはその走りが見られますが、第二次ブーム(嘉永・安政期)に基本ができあがります。それは葉の色、模様・質・形、茎の形、花の色・模様・花弁・咲き方・花弁の重ねを順番に記述し、必要に応じて付加してゆく命名法で、現在の遺伝学から見ても非常に理にかなったものです。
たとえば「青水晶斑入弱渦柳葉淡藤爪覆輪采咲牡丹(あおすいしょうふいりじゃっかやなぎばあわふじつめふくりんさいざきぼたん)」を見てみましょう。まず始めに、葉についての記述です。青(葉の色)・水晶斑入(模様)・弱渦(質)・柳葉(形)に分解できますが、これは青葉の水晶斑入で、「渦」と「柳」の突然変異が入った葉であることを示しています。次に、花についての記述です。葉の記述と同様に、淡藤(花の色)・爪覆輪(模様)・采咲牡丹(咲き方)に分解できますが、淡藤の地に覆輪が入った花色で、撫子のような花弁で、采咲という細かく切れた咲き方であることを示しています。
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左:青水晶斑入弱渦柳葉 右:青水晶斑入弱渦葉(葉) |
淡藤爪覆輪采咲牡丹(花) |
このリリースに関するお問い合わせ
人間文化研究機構 国立歴史民俗博物館 広報サービス室広報・普及係 横尾・小林・大賀
〒285-8502千葉県佐倉市城内町117番地
TEL 043-486-0123(代) FAX 043-486-4941
E-mail:koho@ml.rekihaku.ac.jp