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このたび、国立歴史民俗博物館(千葉県佐倉市)(※以下歴博)では、国際企画展示「昆布とミヨク—潮香るくらしの日韓比較文化誌」を2020年3月17日(火)~5月17日(日)に開催いたします。

国立歴史民俗博物館と韓国国立民俗博物館は、両館の学術研究交流の促進を目的とし、2015年より国際交流事業「日韓地域研究の実践的展開」を進めてきました。また同時に共同研究「海の生産と信仰・儀礼をめぐる文化体系の日韓比較研究」を立ちあげ、3年間、日本と韓国の各地を訪れて準備研究を行いました。その成果を国際企画展示「昆布とミヨク―潮香るくらしの日韓比較文化誌」として発表します。この展示は、両国の国立博物館が共同で企画を練り、日韓でほぼ同じ内容でおよそ400件の展示を行う画期的な試みです。すでに韓国では2019年10月2日(水)~2020年2月2日(日)の日程で公開されており、好評を博しています。

昆布とわかめ(ミヨク)。日本でも韓国でも、どちらもなじみ深い海藻で、古くから日々のくらしの糧とされてきました。一方で、儀礼食や贈答品という観点からは、日本では昆布が、韓国ではわかめが重要な役割を果たしており、異なる文化的意味を持っています。海底の岩に根を張って、長く青黒いその姿を揺らす昆布とわかめは、似ているけれども、どこか違う。違うけれども、どこか似ている。日本と韓国との関係を、昆布とわかめに象徴させることができるのではないか、という発想から、本展示は出発します。

列島を成す日本と半島を成す韓国は、ともに長い海岸線を持ち、共通する海洋環境も多くあります。一方で、韓国西南海の広大な干潟や日本が面する太平洋など、独特の環境も存在します。また、長い交流の歴史に裏づけられた東アジア的文化基盤を共有するとともに、独自の文化的展開や技術的発展が見られます。本展示では、日本と韓国の、海をめぐるありふれた日常の歴史とその移りかわりに、類似と相違という観点から光をあてます。先人たちが互いに影響しあい、主体的に相手の文化を受けいれてきた躍動的な姿をご覧ください。

日本のコンブ漁 韓国のワカメ漁

 

開催概要

昆布とミヨク-潮香るくらしの日韓比較文化誌
開催期間2020年3月17日(火)~5月17日(日)
開催期間 2020年3月17日(火)~5月17日(日)
会場 国立歴史民俗博物館 企画展示室A・B
料金

一般:1000(800)円 / 大学生:500(400)円
※(  )内は20名以上の団体料金です。※高校生以下は入館料無料です。
※高校生及び大学生の方は、学生証等を提示してください。
(専門学校生など高校生及び大学生に相当する生徒、学生も同様です)
※障がい者手帳等保持者は手帳提示により、介助者とともに入館が無料です。
※半券の提示で当日に限りくらしの植物苑にご入場できます。

開館時間 9時30分~17時00分(入館は16時30分まで)
※開館日・開館時間を変更する場合があります。
休館日 月曜日(休日の場合は翌日が休館日となります) 
主催 大学共同利用機関法人人間文化研究機構 国立歴史民俗博物館
韓国国立民俗博物館

本展のみどころ

  • 日本初! 日韓の生活文化を比較した大規模な展覧会です。
  • 焼肉だけじゃない。多様な海産物で作る塩辛や、祖先祭祀で供えられる魚介類など、奥深い韓国の海産物利用の歴史と文化を紹介します。
  • だしの歴史や熨斗の文化など、日本人も確認しておきたい、海産物と日本人の関係も紹介します。
  • これは日本?それとも韓国?漁師の技術や信仰など、日韓の海をめぐる文化の類似と相違にせまります。
  • 漁村や魚市場、そして祭りなど、日韓の人びとの生き生きとした姿を映像でも楽しめます。
  • 近代における日韓の文化的影響関係を、生活者の主体的な受容という視点から読み解きます。

展示構成

プロローグ 海のひろがる日常

日本人と韓国人はどのような海産物を、どう調理して食べているのでしょうか? 日本と韓国の魚屋の店頭をモニターで再現し、魚屋さん同士の掛け合いで解説します。

 

第1部  海を味わう

1.1 味の基本の海産物

和食では鰹節や昆布などの出汁から旨味を得ますが、韓食ではエビやカタクチイワシなどを原料とする塩辛が味の基礎となります。日韓の食文化を支える出汁と塩辛の製法や製品を紹介しつつ、その歴史についても紐解いていきます。

  
広報画像①②
左「女人塩辛商人」/ 右「海老塩辛商人」ハ・ウン画『風俗画帖』1907年 韓国国立民俗博物館蔵
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スズメダイの塩辛甕 20世紀 韓国国立民俗博物館蔵

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日本山海名産図会」1799年 個人蔵

江戸時代の土佐(現在の高知県)のカツオ一本釣りから鰹節製造までの様子が描かれている。

広報画像⑤
鰹節製造用具(生切り庖丁) 現代 個人蔵

一本のカツオを四本の節に切り分けるための庖丁。部位によって使い分ける。

 

1.2 儀礼と海産物

正月をはじめとする日本の年中行事では、さまざまな場面で海産物が使われ、贈答や儀礼の場では、熨斗アワビや鰹節などの海産物が欠かせません。一方、韓国の祖先祭祀では、干したスケトウダラやイシモチ、タコなどが供えられ、人生儀礼では子供の無事の誕生と成長をワカメで祈ります。日韓それぞれの海産物にこめられた意味について考えます。

広報画像⑥
「錦沙公祭需記」 1950年 韓国国立民俗博物館蔵

祖先祭祀の物品を記録した文書。 干しスケトウダラ、サメ、ガンギイ、ニベ、マダラ、貝類などが確認できる。

広報画像⑦
「竈王祭祝文」 年代不詳 
財団法人緑雨堂ユン・ヒョンシク蔵

台所を守る竈王神に家庭の幸福を祈願する文書。わかめ(甘藿)とわかめスープ(藿羹)が供え物として記載されている。

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幸木と節米 模型 現代 福岡市博物館蔵

福岡市東区弘の正月飾り。

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結納品一式(富山県氷見市) 現代 国立歴史民俗博物館蔵

広報画像⑩
熨斗(ハコフグ) 現代 福岡市博物館蔵

 

第2部 海に生きる

2.1 漁師の技

日韓の漁法には似ている部分もあれば違っている部分もあります。その背景には、海産物の嗜好や、それを獲るために重ねられてきた工夫が見られます。日本のコンブ漁と韓国のワカメ漁を例に日韓の磯漁を船や道具を通して比較するとともに、黒潮の海、太平洋で営まれる日本のカツオ・マグロ漁と、韓国の西南海岸の大きな潮汐を利用して営まれる干潟漁の様子を紹介します。

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韓国のワカメ採取用テベ(筏)
20世紀 韓国国立民俗博物館蔵

広報画像⑫
カジキ突きんぼう漁具一式
20世紀 館山市立博物館蔵 国指定重要有形民俗文化財

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トンチゲ(ワカメ採取用) 20世紀 韓国国立民俗博物館蔵

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ナゲマッカ(コンブ採取用) 20世紀 国立歴史民俗博物館蔵

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児島湾漁撈回漕図 複製 1798年(原品) 国立歴史民俗博物館蔵

岡山県児島湾での漁を描いた絵馬。干潟でガタスキーに乗る人やうなぎ掻きをする人などが見える。

 

2.2 漁師の信仰

日本でも韓国でも、漁師が海上安全と豊漁を祈る気持ちは変わりません。では、漁師たちが思い描く神霊とは、どのような存在なのでしょうか。日韓ともに信仰される龍神の存在や、韓国の漁船が海上安全と豊漁を願って祀る将軍神、日本の漁師の信仰を集めるエビスなどをとおして、日韓の漁師の心のなかにある海の姿をとらえます。また、徳島県の椿泊と済州道のチュジャ島の祭りの様子も紹介します。

広報画像⑯
マイウェー(龍宮) 20世紀 国立歴史民俗博物館蔵

大漁の際に船主や網主が漁師などの関係者に配った祝い着。めでたく、縁起の良い絵柄が鮮やかに染め抜かれており、龍宮もまた定番の柄であった。

広報画像⑰
龍王図 20世紀 韓国国立民俗博物館蔵

広報画像⑱
ホセンウォン 現代 韓国国立民俗博物館蔵

全羅南道珍島郡鳥島で豊漁や安全をつかさどるトッケビ。浜辺に連れていったり、船から漁場に投げ入れたりして、豊漁と安全を祈願した。

広報画像⑲
海神図 1960~70年代 韓国国立民俗博物館蔵

広報画像⑳
鰹のエビス像 複製 年代不詳
国立歴史民俗博物館蔵

カツオ漁が盛んであった屋久島では、タイではなくカツオを抱いたエビスが祀られている。

広報画像㉑
オイベッサー 現代 貴船神社蔵

長崎県壱岐市の定置網の組が祀るエビス。秋に若者が海から丸い石を拾い、それを一年間エビスとして祀る。

 

第3部 海を越える

3.1 東アジアの近代と日韓漁民の接触

明治初期にはじまった日本人漁民による朝鮮半島近海への出漁は、1889(明治22)年に結ばれた協定「日朝通漁規則」や韓国併合によって環境が整備され、拡大します。釣りや打瀬網といった季節的な小規模漁業が、しだいに、イワシ巾着網のような大規模で組織的な漁業へと展開し、日韓の漁民のかかわり方が変化する過程を追います。

広報画像㉒
大漁旗 20世紀 個人蔵

広報画像㉓
大漁旗 1970年代 韓国国立海洋博物館蔵

広報画像㉔
「日本朝鮮両国通漁規則」複製 1889年(原品)
国立歴史民俗博物館蔵

広報画像㉕
「方魚津回想地図」 2011年 韓国蔚山東区文化院蔵

岡山県の日生から韓国蔚山市の方魚津(バンオジン)に移住した人が、記憶をもとに描いた日本人町の地図。

広報画像㉖
カブト(器械潜水用) 20世紀初
太良町歴史民俗資料館蔵

 

3.2 漁民の移動と文化の変容

日本人漁民による新たな漁法の導入と、東アジアにおける広域的な経済圏への朝鮮半島の編入は、在来の漁業に急激な変革をもたらすとともに、食文化にも多大な影響を与えました。そのうちの一つがカタクチイワシであり、日本人がもたらした煮干の文化は、現在の韓国に定着しています。一方、日本の海をめざした済州島の海女の痕跡は、日本の海女文化に現在も残されています。日韓の漁民の移動が、双方の生活文化に大きな変化をもたらしたことを示します。

広報画像㉗
「愛媛県越智郡魚島村韓国出漁之状況」複製
1907年(原品) 国立歴史民俗博物館蔵

広報画像㉘
「漁猟許可証」 1936年 個人蔵

鎮海要塞発行のカタクチイワシの権現網(曳網)漁船6隻の漁業許可証。権現網は広島県坂町の 漁師によって朝鮮半島でひろめられた。

  

広報画像㉙㉚
チョウセン 20世紀 館山市立博物館蔵 国指定重要有形民俗文化財

千葉県千倉町の海女が着た朝鮮式磯着。

 

エピローグ 海がつなぐ日本と韓国

日本の食卓でなじみ深い明太子は、戦後の博多で、韓国での思い出の味が再現されたのがはじまりです。現在では、韓国でも日本式の明太子が主流となり、韓国の伝統的な明太子は、幻の味となっています。日本と韓国のつながりが新たな文化を生成し続けているということを、明太子を例として再確認します。

 

【展示プロジェクト委員】

展示代表:松田 睦彦(国立歴史民俗博物館 民俗研究系 准教授)
1977年、神奈川県生まれ。専門は漁業、農業、採石業といった生業の技術や、生業にともなう人の移動(出稼ぎ等)の民俗学的研究。著書に『人の移動の民俗学―タビ〈旅〉から見る生業と故郷―』(慶友社、2010年)共編著に『柳田國男と考古学―なぜ柳田は考古資料を収集したのか―』(新泉社、2016年)等。

キ・リャン(韓国国立民俗博物館)
ジョン・ヨンハク(韓国国立民俗博物館)
チェ・ウンス(韓国国立民俗博物館)
チェ・ミオク(韓国国立民俗博物館)
オ・チャンヒョン(韓国国立民俗博物館)
ソン・キテ(木浦大学校島嶼文化研究院)
飯田 卓(国立民族学博物館)
磯本 宏紀(徳島県立博物館)
川島 秀一(東北大学災害科学国際研究所)
昆 政明(神奈川大学)
島立 理子(千葉県立中央博物館)
藤永 豪(西南学院大学)
小池 淳一(国立歴史民俗博物館)
荒木 和憲(国立歴史民俗博物館)
川村 清志(国立歴史民俗博物館)
清武 雄二(国立歴史民俗博物館)
鈴木 卓治(国立歴史民俗博物館)
西谷 大(国立歴史民俗博物館)
村木 二郎(国立歴史民俗博物館)

歴博講演会

※事前申込不要

第424回「日韓のくらしを比較する—その意義と可能性」

開催日時 4月11日(土)13:00~15:00
講師 松田 睦彦(本館 民俗研究系 准教授)
会場 国立歴史民俗博物館 講堂(定員260名)

●その他、関連イベントについての詳細は、決まり次第企画展示ページに掲載します。

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  • 基本情報、図版使用の確認のため、ゲラ刷り・原稿の段階で広報事務局までお送りいただきますようお願いします。
  • 掲載、放送後は必ず、掲載誌、同録テープを、本展広報事務局へ1部お送り願います。

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国立歴史民俗博物館 広報事務局(株式会社ユース・プラニング センター内)担当: 大山 / 平野 / 池袋
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