謹啓 時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。平素より、本館の運営等につきましては、格別のご配慮を賜り、厚くお礼申し上げます。
このたび当館では、2019年7月30日(火)~ 9月8日(日)の期間、くらしの植物苑特別企画「伝統の朝顔20年の歩み」、総合展示 第3展示室 特集展示「伝統の朝顔」を開催します。
くらしの植物苑の特別企画「伝統の朝顔」は、1999年に始まり、今年で開催20周年を迎えました。それを記念し、「伝統の朝顔20年の歩み」と題したイベントを開催します。
具体的には、植物苑内での特別企画と本館第3展示室での特集展示、本館講堂での第111回歴博フォーラム「伝統の朝顔20年の歩み」を合わせて行います。今年の夏は、変化朝顔を存分にご堪能ください。
つきましては、この展示開催を貴媒体にてぜひ多くの方々にご紹介くださいますようお願い申し上げます。
謹白
開催概要
開催期間 | 2019年7月30日 (火)~9月8日(日) |
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会場 | 国立歴史民俗博物館 くらしの植物苑 |
料金 | 個人 100円 団体(20名以上) 50円 ※高校生以下入苑無料 ※障がい者手帳等保持者は介助者と共に入苑無料 |
開苑時間 | 9時30分~16時30分 (入苑は16時00分まで) ※開花の特性上、午前中の早い時間が見ごろです。 ※なお、8月12日(月)~18日(日)は8時30分から開苑いたします。 |
休苑日 | 毎週月曜日(祝日の場合は開館し、翌日が休館) ※ただし、8月13日(火)は開苑 |
主催 | 国立歴史民俗博物館 |
趣旨・概要
くらしの植物苑の特別企画「伝統の朝顔」は、1999年に始まりました。現在、年4回行っている「季節の伝統植物」も、この「伝統の朝顔」の盛況をきっかけとしています。今年度は、その20周年を記念して、「伝統の朝顔20年の歩み」と題したイベントを開催します。
具体的には、植物苑内での特別企画と本館第3展示室での特集展示、本館講堂での第111回歴博フォーラム「伝統の朝顔20年の歩み」を合わせて行います。今年の夏は、変化朝顔を存分にご堪能ください。
くらしの植物苑 特別企画 季節の伝統植物「伝統の朝顔20年の歩み」
朝顔は古くから多くの人々に親しまれてきました。特に江戸時代以降になると、文化・文政・天保期、嘉永・安政期、明治・大正期など、繰り返し朝顔ブームが訪れ、そのたびに葉と花の多様な変化や組み合わせを楽しむ変化朝顔(参考「豆知識」)がつくり出されてきました。これは今日の遺伝学でいう突然変異を見つけ出し、系統として確立するという、世界的に見ても特異なもので、特に幕末頃には多くの品種がつくり出されていたようです。
しかし、それらの中には、残念ながら単純な大輪朝顔の人気に圧倒されて、あまり知られることなく絶えてしまったものもあります。ただし、広くは栽培されなかったものの、一部の愛好家の努力によって大切に保存され、現在に伝えられたものも少なくありません。
そこで、江戸時代以降の独創的な知識と技術を駆使してつくり上げられた伝統の朝顔を広く知っていただき、人と植物との関わりを見るべく、当苑では1999年以降、歴史資料としてこれらの朝顔を展示してきました。
今年のテーマは「新しい朝顔」です。20周年を迎え、新たな出発にふさわしいテーマとして選びました。朝顔の変異が出現した歴史を江戸時代から平成に至るまで紹介し、その中で無弁花や萌黄、吹詰などの新しく見つかった系統についてパネルで解説します。
また、くらしの植物苑内のハウス、東(あずま)屋、よしず展示場に、当苑で栽培した鉢植えの朝顔を展示します。
主な展示内容
●変化朝顔 正木系40系統、出物25系統
※歴博で2005年に発見された無弁花朝顔を含む。
●明治時代以降の大輪朝顔25系統程度
●ヨーロッパ・北米産の近縁の朝顔10系統程度
計約100系統、約700鉢を展示
★公的機関としては日本最大規模です!
※内容は変更になる場合があります。
豆知識 ー変化朝顔の名称-
江戸時代に育まれた園芸植物の中で、変化朝顔には特異な名称がつけられています。第一次ブーム(文化・文政期)の番付表にはその走りが見られますが、第二次ブーム(嘉永・安政期)に基本ができあがります。それは葉の色、模様・質・形、茎の形、花の色・模様・花弁・咲き方・花弁の重ねを順番に記述し、必要に応じて付加してゆく命名法で、現在の遺伝学から見ても非常に理にかなったものです。
たとえば「青水晶斑入弱渦柳葉淡藤爪覆輪采咲牡丹(あおすいしょうふいりじゃっかやなぎばあわふじつめふくりんさいざきぼたん)」を見てみましょう。まず始めに、葉についての記述です。青(葉の色)・水晶斑入(模様)・弱渦(質)・柳葉(形)に分解できますが、これは青葉の水晶斑入で、「渦」と「柳」の突然変異が入った葉であることを示しています。次に、花についての記述です。葉の記述と同様に、淡藤(花の色)・爪覆輪(模様)・采咲牡丹(咲き方)に分解できますが、淡藤の地に覆輪が入った花色で、撫子のような花弁で、采咲という細かく切れた咲き方であることを示しています。
左:青水晶斑入弱渦柳葉 右:青水晶斑入弱渦葉(葉) |
淡藤爪覆輪采咲牡丹(花) |
開催概要
『伝統の朝顔』
2019年7月30日(火)~9月8日(日)
開催期間 | 2019年7月30日(火)~9月8日(日) |
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会場 | 国立歴史民俗博物館 第3展示室(近世)副室 |
料金 | 一般600(350)円/大学生250(200)円 高校生以下無料 ( )内は20名以上の団体 ※障がい者手帳等保持者は手帳提示により、介護者と共に入館無 ※高校生及び大学生の方は、学生証等要提示 |
開館時間 | 9:30~17:00(最終入館は16:30まで) |
休館日 | 毎週月曜日(祝日の場合は開館し、翌日が休館) ※ただし、8月13日(火)は開苑 |
主催 | 大学共同利用機関法人 人間文化研究機構 国立歴史民俗博物館 |
趣旨・概要
当館では、くらしの植物苑において変化朝顔を系統維持するとともに、1999年より毎年、特別企画「伝統の朝顔」展を開催してきました。本館においても、1999年・2000年には特別企画を、2008年には特集展示を開催して朝顔に関する歴史資料を公開してきました。
本年はくらしの植物苑の特別企画が20周年を迎えたことを記念して、第3展示室「「もの」からみる近世」において、館蔵品の中から、朝顔に関する図譜や園芸書、美術工芸品を選んで展示し、近世・近代における朝顔にまつわる文化を紹介します。
第3展示室 特集展示「もの」からみる近世 「伝統の朝顔」
本特集展示は、『園芸文化としての朝顔の育成のブーム』と『デザインやイメージとして人々にうけとめられた朝顔』という二つのテーマで展示します。
前者では、文化・文政期(1804~30年)と嘉永・安政期(1848~60年)の二度のブームを迎え、さらに明治20年代から大正期にブームの再燃したことを、館蔵品の朝顔図譜・番付・園芸書などから紹介し、それぞれのブームの担い手や花の趣味などの違いを示します。
後者では、朝顔をイメージした歌舞伎のキャラクターや朝顔を描いた錦絵、朝顔がデザインされた染織品や漆器など、朝顔にちなんだ絵画や工芸品を館蔵品から展示。変化朝顔の栽培には、手間・暇・場所と一定の知識が必要で、庶民が自ら栽培できるようなものではなかったため、多くの人々が愛し続けた朝顔は、誰にでもそれとわかるような朝顔であったことを紹介します。
【展示代表】
澤田 和人 さわだ かずと(国立歴史民俗博物館 情報資料研究系 准教授)
専門は染織史。服飾史。絵画史(絵巻)。特に、中世を中心とする染織および服飾・衣装風俗に関する研究をしている。1998年に文学修士(大阪大学)を取得。
主な展示資料
・あさがほ叢(そう)
・朝顔三十六花撰
・三都一朝
・変化朝顔図
・助六廓花見時
・朝顔花鳥螺鈿ゲーム箱
など約45件、すべて本館蔵
関連の催し物
展示解説会のご案内
くらしの植物苑「伝統の朝顔20年の歩み」
日時 | 7月30日(火) 11:00から |
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会場 | くらしの植物苑 |
総合展示 第3展示室 特集展示室「伝統の朝顔」
日時 | 7月30日(火) 13:30から |
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会場 | 第3展示室 特集展示室 |
当展示プロジェクト委員による展示解説を行います。事前予約等は必要ございません。 詳細につきましては下記「このリリースに関するお問い合わせ」までお問合せください。
歴博フォーラム
植物学の面から朝顔の形と色について、「伝統の朝顔」を企画した立場からその経緯について、そして歴史学の面から朝顔に関する書籍と浮世絵について講演します。ぜひ、午前中にくらしの植物苑で朝顔の実物を見学してからお越しください。
日時 | 2019年8月17日(土) 13:00~16:30 |
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会場 | 国立歴史民俗博物館 講堂 |
備考 | 事前申込制(れきはくホームページ内申込みフォームもしくは往復はがきにて6月17日から受付) |
司会/青木 隆浩(本館 民俗研究系 准教授)
講師/辻 誠一郎「くらしの植物苑特別企画『伝統の朝顔』の始まり」
仁田坂 英二「変化朝顔の起源を探る」
星野 敦「DNAで紐解く黒白(こくびゃく)江南(こうなん)花(か)の謎」
日野原 健司「浮世絵版画からみた朝顔」
平野 恵「書物に見る江戸の朝顔」
有償頒布のご案内
日時 | 6月1日(土)・2日(日)・29日(土)・30日(日) 9:30~13:30 |
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会場 | くらしの植物苑 |
くらしの植物苑観察会
※くらしの植物苑にて開催、事前申込み不要、要入苑料
第245回 「新しい朝顔」
講師 | 仁田坂 英二 (九州大学大学院) |
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日時 | 8月24日(土)10:00~12:00 |
その他歴博で開催される催事
特集展示
「もののけの夏-江戸文化の中の幽霊・妖怪-」
2019年7月30日(火)~ 9月8日(日) 企画展示室Bにて開催
開館時間 9:30~17:00(最終入館16:30)
入場料 一般600円、大学生250円、高校生以下無料
第4展示室 特集展示
「よみがえる地域文化-岐路に立つ共同体(コミュニティ)のいま-」
2019年7月23日(火)~ 11月4日(月) 総合展示 第4展示室にて開催
開館時間 ~9月 9:30 ~ 17:00(入館は16:30まで)
10月~ 9:30 ~ 16:30(入館は16:00まで)
入場料 一般600円、大学生250円、高校生以下無料 ※料金が変更になる場合があります
広報用素材の提供について
ご希望の写真を送付いたしますので、プレスリリースの画像番号をご連絡ください。 画像(JPEG)はメールで送信いたします。問い合わせ先は下記の「このリリースに関するお問い合わせ」をご覧ください。
ご注意
- 本展広報目的でのご使用に限ります。(展示期間終了まで)。
- 展覧会名、会期、会場名、掲載図版のキャプションを必ず掲載してください。
- 資料画像は全図で使用してください。文字を重ねるなど画像の加工・改変はできません。
部分使用については事前申請・許諾が必要です。 - Web上に掲載する場合は、72dpi以下のサイズにしてください。
- 資料画像の使用は本展の紹介目的に限ります。展覧会終了後の使用、ならびに2次使用はできません。
- 転載、再放送など2次使用をされる場合には、別途申請いただきますようお願いいたします。
- 基本情報、図版使用の確認のため、校正紙(Web上の場合は掲載URL)をお送りください。
- 掲載、放送後は必ず、掲載誌(掲載面PDF)、同録テープを、1部お送り願います。
くらしの植物苑特別企画「伝統の朝顔20年の歩み」 広報画像
1) 黄斑入蝉葉納戸時雨絞丸咲大輪(蝶々夫人) | 2) 黄蝉葉栗皮茶丸咲大輪(団十郎) | 3) 青渦柳葉江戸紫采咲牡丹 |
4) 青縮緬立田雨龍葉紫車咲 | 5) 萌黄縮緬葉白筒紅台咲牡丹 | 6) 青桔梗渦葉短毛青紫糸覆輪桔梗咲八重 |
7) 青渦顰葉渦小人紅筒白丸咲 | 8) 黄握爪龍葉淡紅紫地紅紫車絞覆輪風鈴獅子咲牡丹 | 9) 黄抱柳葉紅吹雪撫子采咲牡丹 |
【朝顔】動画もご用意いたしました!
No.00070黄蝉葉栗皮茶丸咲大輪(団十郎)2017年8月撮影 |
「紹介したいが、タイミングが合わず撮影に行けない・・・」などあれば、ぜひご相談ください。特別企画「伝統の朝顔」をご紹介頂ける場合、当館で撮影した動画をご提供させて頂きます。ご希望の際は、メールにてお知らせください。
<広報動画使用に際しての注意事項>
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・掲載、放送後は必ず、掲載誌(掲載面PDF)、同録テープを、1部お送り願います。
総合展示 第3展示室 特集展示「伝統の朝顔」 広報画像
10) あさがほ叢 1817(文化14)年刊 国立歴史民俗博物館蔵 変化朝顔の第一次ブーム(文化・文政期)に江戸で最初に刊行された朝顔図譜。朝顔流行の経緯と作り方のマニュアルに加え、100図の美しい彩色図が収録されている。 |
11) 朝顔花鳥螺鈿ゲーム箱 江戸時代後期~明治時代初期 国立歴史民俗博物館蔵 19世紀にオランダ人の注文によってヨーロッパ向けに輸出された漆器。内部に小箱4合を収め、小箱の中にはカードゲームで用いる貝製のチップ(中国製)が入っている。 |
12) 三代歌川豊国画 今様三十二相・よねんなさ相 1859(安政6)年 国立歴史民俗博物館蔵 摘み取った朝顔の花を重ねることに「余念無さそう」な美人を描く。このような楽しみ方は当時よく行われたようで、その状態で水盤や茶碗にいけた様子が北斎一派の絵にも見いだせる。 |
13) 高橋其堂画 変化朝顔図 1914(大正3)年 国立歴史民俗博物館蔵 変化朝顔の第三次ブーム(明治20年代から大正期)に活動した最大の団体東京朝顔研究会の会誌の口絵を飾った原画。描かれたのは、会の品評会で評価された優秀作品であった。 |
このリリースに関するお問い合わせ
人間文化研究機構 国立歴史民俗博物館 博物館事業課
広報サービス室広報係 小林・大賀・合田
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