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開催概要関連の催し物広報用素材の提供について問い合わせ先

謹啓 時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。平素より、当館の運営等につきましては、格別のご配慮を賜り、厚くお礼申し上げます。

当館では,2015年3月10日(火)から9月6日(日)までの期間、第4展示室において特集展示「山の流行服」を開催します。

山村では、昭和30年代に入ってから既製服が定着していきますが、それ以前は山仕事をするための丈夫な植物繊維を材料とした野良着や、豪雪に耐えるための防寒具、雪道を歩くための履き物などが自製されていました。しかし,木綿やゴムの普及、立体裁断の導入、仕事の変化などによって大正時代から少しずつ変わっていきました。

本展では、そのような山村における服飾類の近現代史を表現するのに適した資料群「石川県白山麓山村生活用具」を中心に、山村における服飾の変化を紹介します。

つきましては、この展示開催を貴媒体にてぜひ多くの方々にご紹介くださいますようお願い申し上げます。

敬具

開催概要

第4展示室 特集展示
「山の流行服」
開催期間2015年3月10日(火)~
2015年9月6日(日)
開催期間 2015年3月10日(火)~2015年9月6日(日)
会場 国立歴史民俗博物館 総合展示第4展示室 副室
料金 一般420(350)円/高校生・大学生250(200)円/中学生以下無料
(  )内は20名以上の団体
※総合展示もあわせてご覧になれます。
※毎週土曜日は、高校生の入館が無料です。
開館時間 9時30分~17時00分 (入館は16時30分まで)
休館日 月曜 (休日の場合は翌日を休館日とします)
※8月10日は開館します
主催 国立歴史民俗博物館

趣旨

―使い分けや機能性を重視する一方で、おしゃれへの工夫も。

現代社会からみると、近代から昭和30年代までの山村の衣服は、伝統的なもの、あまり変化していないものとしてみられているかもしれません。しかし、素材や裁断の仕方の変化、仕事内容の変化などによって、デザインや肌触り,使い心地などは少しずつ変わっていました。

また、山仕事用の仕事着、屋内で着る仕事着、自宅の周辺で着る普段着、町場へ買い物に行く時に着る外出着など、時と場所によって様々なタイプの衣服が取り揃えられていました。これらは、使い古されていくと、他の用途に変えられたり、あるいは解体して全く別のものに作り変えられたりしながら、長く使用されました。すべて同じようにみえるワラジやゾウリでさえも遠距離用や近距離用、屋内の上履き用や下履き用、流し場用などいくつもの種類に分かれていたのです。この意味で、山村の衣服や履き物は多様でもありました。

そして、衣服には模様に工夫を凝らしながらつぎあてをし、ワラグツには衣服の切れ端を編み込んで、常におしゃれに気をつかっていました。いつの時代のどこの地域でも、人々はおしゃれをし、流行を意識しているものです。そこで,この特集展示では、機能性を重視しながらもおしゃれや流行に配慮してきたことに焦点を当てながら、山村の人々の衣服や被り物、履き物を展示します。

【展示代表 紹介】

青木 隆浩(あおき たかひろ):国立歴史民俗博物館 研究部 民俗研究系 准教授

みどころ

-収集家・伊藤氏のコレクションから、山村の暮らしを伝える衣服や履き物を紹介。

この特集展示で展示する「石川県白山麓山村生活用具」は、石川県加賀市で平成16年に亡くなった故・伊藤常次郎氏が昭和20年代から50年代にかけて、おもに大日川流域と手取川流域で収集したものです。伊藤氏は自称・民具収集家で、焼畑や山菜採り、炭焼きなどで生計を営みながら、資料収集や小松市での民俗調査、研究者への調査協力などで多大な貢献をした方です。昭和55年頃と平成2年前後には、NHKや日本テレビの番組にも何度か出演していた有名人です。その伊藤氏は、資料とともにそれに関する使用地や使用者、使用時期、使用法、製作方法、製作時間などの詳しい記録を残しています。その記録により、衣服や被り物、履き物の流行の変遷をたどれることが、この資料群の大きな魅力となっています。

また、伊藤氏は第二次世界大戦後まもなく資料収集を開始したため、この資料群には昭和初期にほぼ消滅したタイプの古い衣服や被り物、履き物が残っている点も重要です。中でも、イラクサの繊維で作ったイラザックリやサックリモモヒキ、股のないタッツキ、足のつま先を保護するシャナガミなどは古いタイプの衣服や履き物といえます。

《展示スケジュール》
第1期「冬を過ごす」:3月10日(火)~5月6日(水)
第2期「町に出る」 :5月8日(金)~7月5日(日)
第3期「山で働く」 :7月7日(火)~9月6日(日)

主な展示物 

展示換えがあります。※内容は変更になる場合があります。

資料群「石川県白山麓山村生活用具」より
・ボウシ(通学用) 昭和初期~昭和6年
・ボウシガサ(日除け笠) 大正末期~昭和38年
・ノノコ(屋内用仕事着、長着) 昭和10年~33年
・ミジカベ(長着を再利用した仕事着) 昭和14~33年
・イラザックリ(山仕事専用) 大正中頃~昭和20年
・ノノザックリ(婦人用外出着) 昭和12~24年
・シマのミジカベ(外出用の着物)
・ソデナシ(部屋着、仕事着) 大正末期~昭和13年
・シマのミジカベ(女性用の外出着)
・サックリモモヒキ(山仕事用) 大正中期~昭和13年
・モンペ 昭和18~23年
・タッツキ(仕事着) 大正末期~昭和12年
・ユキバカマ(外出用) 大正初期~昭和7年
・キビシャアテ(踵の防雪具) 大正末期~昭和18年
・ハバキ(足首の防雪具) 昭和28年~34年
・ズボロ(つま先の防雪具) 昭和19~35年
・ユキワラジ(降雪時のワラジ) 昭和16~21年
・ミチフミワカグツ(新雪時の道踏み用) 昭和19~24年
・アシナカ(小さな草履) 昭和22年~

資料群「青森県の衣生活用具」より
・シナ(ハバキ、アシナカの材料)
・藤の皮(ハバキの材料)
・ガマ(ハバキの材料)

関連イベント

展示解説会のご案内

日時 3月10日(火) 13:30から
会場 本館第4展示室副室

当展示プロジェクト委員による展示解説を行います。事前予約等は必要ございません。 詳細につきましては下記「このリリースに関するお問い合わせ」までお問合せください。

その他の催事

企画展示

「大ニセモノ博覧会―贋造と模倣の文化史―」

開催日時 2015年3月10日(火) ~5月6日(水) 9:30~17:00(入館は16:30まで)
会場 国立歴史民俗博物館 企画展示室A・B
入苑料 一般 830(560)円、高校生・大学生 450(250)円、小・中学生無料 
※( )内は20名以上の団体

総合展示 第3展示室 特集展示

「和宮ゆかりの雛かざり」

開催日時 2015年2月24日(火)~4月5日(日)
2~9月 9:30~16:30、10~3月 9:30~17:00(入館は閉館30分前まで)
会場 国立歴史民俗博物館 第3展示室
入苑料 一般 420円(350円)、高校・大学生250円(200円)、小中学生 無料

歴博講演会

歴博講堂にて開催、13:00~15:00、申込不要、入場無料、先着順(定員260名)

2月14日(土)第374回「絵具と彩色技法」 島津 美子(本館情報研究系)
3月14日(土)第375回「古墳の出土品と社会の変化」 上野 祥史(本館考古研究系)

くらしの植物苑観察会

くらしの植物苑にて開催、13:30~15:30、申込不要、要入苑料

2月28日(土)第191回「くらしの中に息づく植物」 天野 誠(千葉県立中央博物館)
3月28日(土)第192回「くらしのなかの信仰と植物」 吉村 郊子(本館歴史研究系)

広報用素材の提供について

ご希望の写真(データ)を送付いたしますので、各プレスリリースの写真番号をご連絡ください。e-mailでも結構です。問い合わせ先は下記の「このリリースに関するお問い合わせ」をご覧ください。

ご注意

  • 本図版の使用は、「第4展示室特集展示『山の流行服』」の広報に関するものに限ります。
  • 掲載に際しては、最小限でも「催事名」「会場」「会期」「掲載図版のキャプション」を明記していただくようお願いします。
  • 情報確認のため、校正紙(ウェブ上の場合は掲載URL)をお送り下さい。ウェブ上での掲載の場合は、画像サイズを400ピクセル以下・72dpi以下のサイズにしてください。
  • ご掲載いただいた場合は、お手数ですが掲載物をご送付ください。

以上の点に留意いただけない場合に発生したトラブルについて、本展主催者として一切の責任を負いかねますのでご注意ください。

1) アシナカ(農作業で使用する小さな草履) 2) イラザックリ(男性用、山仕事専用)

3) シマのミジカベ(女性用の外出着)

4) シャナガミ(雪道を歩く時の履物)

5) ソデナシ(女性用の部屋着、仕事着) 6) ノノザックリ(女性用の外出着)

7) マルウソ(雪道を歩く時の履物)

8) モンペ(女性用の外出着)

 

このリリースに関するお問い合わせ

人間文化研究機構 国立歴史民俗博物館 博物館事業課
広報サービス室広報・普及係 横尾・小林・尾高

〒285-8502千葉県佐倉市城内町117番地 
TEL 043-486-0123(代)  FAX 043-486-4482
E-mail:koho@ml.rekihaku.ac.jp