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謹啓 時下益々ご清祥のことと、お慶び申し上げます。平素より、当館の運営等につきましては、 格別のご配慮を賜り、厚くお礼申し上げます。
当館では6月3日より、平成20年度第3展示室ミニ企画展示『近代医学の発祥地・佐倉順天堂』を開催します。
当館の研究成果についてご理解いただき、当館へのより一層のご支援をいただけたらと存じます。 つきましては、この展示開催を貴媒体にてぜひ多くの方々にご紹介くださいますようお願い申し 上げます。
敬具
開催概要
『近代医学の発祥地・佐倉順天堂』
開催期間 | 2008年6月3日(火)~2008年6月29日(日) |
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会場 | 国立歴史民俗博物館 第3展示室 |
料金 | 一般420(350)円 高校生・大学生250(200)円 中学生以下無料 ( )内は20名以上の団体 ※常設展もあわせてご覧になれます。 ※毎週土曜日は、高校生の入館が無料です。 |
開館時間 | 9時30分~17時00分 (入館は16時30分まで) |
休館日 | 毎週月曜日 |
主催 | 国立歴史民俗博物館・佐倉市・佐倉市教育委員会・順天堂大学・日本医史学会 |
主旨
日本における近代医学の発祥地としては、長崎、大坂の緒方塾が注目されてきました。しかし、江戸後期から幕末の佐倉も、全国各地から順天堂に医学生が参集し、蘭学の中心地として栄えたのです。
そこで、本年6月21・22日に佐倉市で開催される日本医史学会総会・学術大会を機に、3月にリニューアルオープンした国立歴史民俗博物館第3展示室の「いつ来ても新しい常設展示」の一環として、佐倉順天堂のミニ企画展示を開催します。国立歴史民俗博物館寄託(佐倉市所蔵)のほか順天堂大学所蔵・佐藤強氏所蔵の順天堂関係資料などを展示し、堀田正睦の庇護のもとに活躍した佐藤泰然、果敢に近代化に挑んだ佐藤舜海(尚中)を通して、佐倉藩・佐倉順天堂が黎明期の近代日本医学の受容に重要な役割を果たしたことを明らかにいたします。
展示構成および主な展示資料
(佐倉市蔵<当館寄託>順天堂関係資料は所蔵を省略しました)
プロローグ 蘭学の時代から近代医学の扉をたたく
安永3年(1774)の『解体新書』出版から約70年。開国を前にして、幕府は天保10年(1839)の蛮社の獄など、蘭学者への弾圧を強めていました。しかし、日本を取り巻く海外の情勢は日本に開国を迫り、科学、軍事の近代化が急速にすすんでいきました。そのなかで医学は開国直前の安政4年(1857)にオランダ海軍軍医ポンペ・ファン・メールデルフォールトによって日本にもたらされ、医学の近代化へと一歩踏み出しました。
[主な展示物]
重訂解体新書(順天堂大学蔵)
平次郎解体図(解體図)(当館寄託金子家資料)
第一部 佐倉藩の蘭学のおこりと背景
佐倉藩の蘭学のおこりは、五代藩主堀田正睦が蘭癖といわれるほどの蘭学の必要に痛感していたことにあります。その背景には正睦の後見人で佐倉藩の支藩佐野藩主堀田正敦の存在がありました。正敦は長らく幕閣の座にあって幕府の蘭学の権威化、海外情報の収集に力を尽くし、豊富な海外知識をもっていました。天保3年、正敦死後、佐倉藩の年寄役となった渡辺弥一兵衛もまた、早くから蘭学学習の必要を進言。かくして藩校での蘭学教育が始まりました。
[主な展示物]
御用留<年寄部屋日記>(すべて(財)日産厚生会佐倉厚生園蔵 佐倉市寄託)
第二部 佐倉藩での順天堂のはじまり
長崎の足かけ4年の留学を終えて、江戸に戻った佐藤泰然は蘭学塾を開いて盛名を得ていましたが、佐倉藩の年寄役渡邉弥一兵衛の求めに応じて、天保14年(1843)に佐倉藩に移住。藩校で蘭学を教えると同時に、佐倉藩郊外の本町に土地を得て、蘭学塾順天堂を開きました。順天堂では江戸から泰然に従った塾生や藩内はもとより、各地から医生が集まってきて、蘭学や医術を学びました。
[主な展示物]
佐藤泰然の肖像画
鹿鳴図(渡辺崋山画、佐藤強氏蔵)
順天堂扁額(順天堂大学蔵、複製)
第三部 順天堂の医療
順天堂では、蘭書に熟達することを目的とせず、より医術の実践に力を置きました。その内容は嘉永年間、順天堂で行われた医療の記録『順天堂実験録』や、安政年間の順天堂治療費『療治定』によって知ることが出来ます。順天堂では塾生が往診に出かけた記録もあります。とくに嘉永2年(1849)に牛痘接種が導入されると、塾生が佐倉藩内を回って接種に従事しました。
[主な展示物]
療治定(成田山霊光館蔵)
差上申証文之事<手術承諾書>
英国製カフ式顕微鏡一式(順天堂大学蔵)
種痘器具
説里鳥私図(千葉大学附属図書館亥鼻分館蔵)
舶来薬品類
注射器
ポムペの講義資料
第四部 順天堂の門人たち
順天堂には佐藤泰然の時代の門人帳がありません。しかし、佐藤舜海(尚中)の時代に、門人が書き残した慶応元年の『順天堂社中姓名録』と慶応2年に舜海(尚中)自身が書き残した「門人名簿」とわずか2年分のものが残されています。その他の門人は書簡や伝記など諸書に出てくる順天堂の門人の名前を拾ってまとめたものですが、出身地は北は北海道函館から南は九州佐賀にいたります。
[主な展示物]
佐倉順天塾社中姓名録(順天堂大学蔵)
第五部 戊辰戦争と佐倉藩・順天堂
房総の雄藩佐倉藩は幕府に格別恩顧の家柄であっただけに戊辰戦争では窮地に立たされました。征討軍が佐倉に入場したとき、留守居重臣平野縫殿が倒幕か佐幕かと詰問され、倒幕派に従うことを表明して、佐倉城を兵火から救いました。その後、征討軍大総督の命令で藩医佐藤進らが官軍負傷者手当のため奥羽白河へ派遣され、薩摩兵の治療に当たりました。このときの経験は佐藤進に欧州留学の動機となったのです。
[主な展示物]
病院旗(順天堂大学蔵、写真パネル)
第六部 明治以降の順天堂
明治2年12月、佐藤舜海(尚中)は新政府に大学大博士に任ぜられ、上京して、大学東校(東京大学医学部の前身)で西洋医学教育をはじめました。しかし、明治4年ドイツ人教師が来日して、尚中の根本から改めたため、一切の官職を去り、東京に私立順天堂を設けて教育と診療を行いました。佐倉の順天堂は高弟の岡本道庵(2代目佐藤舜海)によって房総最大の私立病院として発展しました。
[主な展示物]
私立病院願
佐倉順天堂病院図
佐倉順天堂病院前での職員記念写真
東京順天堂写真(順天堂大学蔵、写真パネル)
関連の催し物
内覧会のご案内
日時 | 6月3日(火) 受付:午後1時00分~ 1時30分開始 |
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会場 | 国立歴史民俗博物館 ガイダンスルーム・企画展示室 |
展示についてのお問い合せ電話番号
ハローダイヤル:03-5777-8600 (午前8時から午後10時まで)
その他の催し物
歴博フォーラム
ギャラリートーク
実施の際は、詳細は追ってHP上などで紹介いたします。
歴博講演会
各回共通
会場 | 歴博講堂 |
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時間 | 14時00分~16時00分 |
備考 | 入場無料、当日先着順に受付、定員260名 |
[1]第294回「旅から旅行へ」
日時 | 6月14日(土) |
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講師 | 山本光正(当館歴史研究系) |
[2]第295回「女たちの伊勢参り」
日時 | 7月12日(土) |
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講師 | 山本志乃(旅の文化研究所) |
[3]第296回「『伝統の朝顔』展10年のあゆみ」
日時 | 8月9日(土) |
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講師 | 仁田坂英二(九州大学大学院)、平野恵(文京ふるさと歴史館)、岩淵令治(当館歴史研究系) |
歴博探検
各回共通
時間 | 午前11時00分~午後12時30分 |
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対象 | 小学校高学年~中学生(保護者の方も参加できます) |
備考 | 要事前申込、参加費無料、定員20名 |
「お米と社会」
日時 | 6月14日(土) |
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講師 | 広瀬和雄(当館考古研究系) |
「旅から旅行へ」
日時 | 7月12日(土) |
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講師 | 山本光正(当館歴史研究系) |
「町のくらしと朝顔」
日時 | 8月 9日(土) |
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講師 | 岩淵令治(当館歴史研究系) |
くらしの植物苑観察会
各回共通
会場 | くらしの植物苑 |
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時間 | 13時30分から(8月23日は10時00分~) |
備考 | 事前申込不要、要入苑料 |
第111回観察会「梅雨の植物」
日時 | 6月28日(土) |
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講師 | 中川重年 |
第112回観察会「植物で染める」
日時 | 平成19年2月10日(土) |
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講師 | 加藤國男 |
第113回観察会「伝統の朝顔展の舞台裏」
日時 | 8月23日(土) |
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講師 | 辻圭子 |
次回企画展示のご案内
「旅-江戸の旅から鉄道旅行へ-」7月1日(火)~8月31日(日)
現代の観光旅行のルーツは近世に求めることができます。近世の旅は伊勢参宮に代表されますが、各地の都市を中心に多様な旅行地が成立しました。旅は寺社参詣が目的でしたが、街道も楽しみの場であり、旅の行程すべてが壮大なアミューズメントパークでした。
鉄道旅行により、そのアミューズメントパークは崩壊しますが、都市周辺には多くの旅行地が成立し、短時日のうちに、より遠くへの旅行も可能になりました。一方、鉄道の発展は汽車に乗ることも楽しみとなり、鉄道趣味へと発展していきます。鉄道旅行が当然のことになると、旧道回顧も盛んになり、画家を中心に旧道旅行も行われ、現在の旧道歩きに引き継がれています。
今回は旅行案内書などを中心に展示しますが、本展示により、新しい旅行の在り方を模索していただきたいと思います。
広報用素材の提供について
ご希望の写真(データ)を送付いたしますので、各プレスリリースの写真番号をご連絡ください。e-mailでも結構です。問い合わせ先は下記の「このリリースに関するお問い合わせ」をご覧ください。
ご注意
- 本図版の使用は、平成20年度ミニ企画展示『近代医学の発祥地・佐倉順天堂』広報に関するものに限ります。
- 掲載に際しては、最小限でも「催事名」「会場」「会期」「掲載図版のキャプション」を明記していただくようお願いします。「当館寄託」は「国立歴史民俗博物館寄託」となります。
- 情報確認のため、校正紙(ウェブ上の場合は掲載URL)をお送り下さい。ウェブ上での掲載の場合は、画像サイズを400ピクセル以下・72dpi以下のサイズにしてください。
- ご掲載いただいた場合は、お手数ですが掲載物をご送付ください。
以上の点に留意いただけない場合に発生したトラブルについて、本展主催者として一切の責任を負いかねますのでご注意ください。
1) 顕微鏡 (順天堂大学蔵) |
2) 骨鋸 (順天堂大学蔵) |
3) 玉抜き (順天堂大学蔵) |
4) 舶来薬品類 19世紀 (佐倉市蔵 当館寄託) |
5) 注射器 19世紀 (佐倉市蔵 当館寄託) |
6) 種痘器具 19世紀 (佐倉市蔵 当館寄託) |
7) 差上申証文之事 手術承諾書 (佐倉市蔵 当館寄託) |
8) 佐藤泰然翁肖像画 (佐倉市蔵 当館寄託) |
9) 佐倉順天堂の現状 佐倉順天堂記念館 (写真提供:佐倉市) |
このリリースに関するお問い合わせ
人間文化研究機構 国立歴史民俗博物館 博物館事業課
広報サービス室広報係 飛留間・山本・坂本
〒285-8502千葉県佐倉市城内町117番地
TEL 043-486-0123(代)/6488(直) FAX 043-486-4482
E-mail:koho@ml.rekihaku.ac.jp