総合展示第5室「近代」
2026年3月17日リニューアルオープン!

プレスリリース

2026.01.27

先史・古代から現代まで 日本の歴史と民俗に関する膨大な資料を展示する
国立歴史民俗博物館
「近代」展示が約30年ぶりに全面リニューアル

このたび、国立歴史民俗博物館(以下、歴博:千葉県佐倉市)では、総合展示第5室「近代」の展示を大きく見直し、2026年3月17日(火) にリニューアルオープンする運びとなりました。

常設の総合展示は第1~6室まであり、日本の歴史や文化をいくつかの時代やテーマに分けて、生活や民衆の視点から展示しています。リニューアル後の第5室「近代」では、世界のなかの近代日本社会の歴史を、「〈国民〉の誕生」「近代化する人びとのくらしと仕事」「〈帝国〉日本の社会と人びと」という3つのテーマでとらえた展示となります。また総合展示第6室「現代」の冒頭「戦争と平和」を充実させ、人びとのくらしと戦争の問題を深めています。

人びとは近代という社会をどのように生きていったのでしょうか。

19世紀末から20世紀初頭、新しい経済のしくみが生まれ、くらしも大きく変わりました。戦争や人びとの交流をとおして、世界やアジア諸地域との関わりも深くかつ複雑になっていきます。こうした多様で複雑な人びとの経験に目を向けながら、近代日本のすがたを来館者の皆様とともに考えていく展示をめざしています。

総合展示第5室「近代」

【展示テーマ】
〈国民〉の誕生
近代化する人びとのくらしと仕事
〈帝国〉日本の社会と人びと

【3つの視点】
アイヌにとっての近代
琉球・沖縄からみた近代
「水平」をめざして

総合展示第5室「近代」フロアマップ
総合展示第5室「近代」

リニューアルのポイント

近代という時代を人びとはどのように経験していったのでしょうか?
新しい資料と視点で問いかけます。

  • 地図は近代という経験の場所を静かに語りかけてくれます。それは、近代日本の姿を、世界の、そしてアジアの視点から問いかけるものとなるでしょう。今回のリニューアルでは、たくさんの地図を展示します。日本全体を描いたもの、商家が櫛比(しっぴ)する街並み、ハワイや朝鮮半島でのくらしの場所……。地図を手がかりに、そこにくらす人びとの多様性もあわせて読み取ってほしいと思います。
  • 民衆生活史、なかでも家族や夫婦のパートナーシップの近代を、経験という新しい視点で描きだしました。展示では、それぞれに近代という時代を背負った一人ひとりの経験に出会うことになるでしょう。
  • 戦争をへて近代日本社会はどのように変貌していったのでしょうか。戦争・戦場も民衆の視点から考えます。さらに「帝国」という空間の広がりのなかで生きる人びとの多様性(民族や性差、都市と農村などの地域差)を見つめつつ、近代を複合的に描き出すことも今回の新しい試みです。
  • 文字・こえ・イメージ(写真や絵画)、生産のための道具、消費されるモノたち……。近代という時代を多様に表現する資料を、これまで以上に展示しながら、近代を生きる人びとの経験を読み解いていきます。

※掲載資料はすべて国立歴史民俗博物館蔵

〈国民〉の誕生

19世紀なかば過ぎ、日本は世界的な通商条約網に組み込まれました。明治維新はこうしたなかで行われ、新政府は近代国家をつくりはじめます。資本主義のしくみを整え、学校や軍隊を軸にして人びとを〈国民〉とする政策が行われました。「文明開化」は人びとの意識や生活様式を変えていきます。やがて日本は対外戦争を経て植民地を持つ国になります。こうした経験のなかで人びとは自らを〈国民〉と意識するようになっていきました。

ブラントン「日本図」

 ブラントン「日本図」(複製)
ブラントンは、 1868年に日本に招聘されたイギリスの技術者で、最初期のお雇い外国人の一人。各地への洋式灯台の建設を主導するとともに、日本で最初期の鉄道や電信の敷設計画、横浜の外国人居留地整備や築港計画に深く関わった。この地図は、彼が1876年の帰国前後に作ったもので、鉄道・電信線・電信局・灯台など、まさに自らが関わって当時作られつつあった日本の最新のインフラ情報を、詳細に描き込んでいる。
明治初期に日本の近代化をインフラ面で支えた英国人技術者が、自らの思い出も埋め込んで編纂した日本地図と言える。
なお、本図の国内での所蔵は、当館のものを含め2点確認されているのみである。

ブラントン「日本図」(一部)

凡例の右側から、実線は敷設済みの鉄道、点線は計画中の鉄道、二重線は街道、二重丸は旧城下町、点と線のラインは電信線、黒丸は電信局を示すことが分かる。

ブラントン「日本図」(一部)

黄色と赤の丸マークが灯台。東京・横浜間には日本で最初に敷設された鉄道および電信線のラインが記される。横浜から太平洋を経てサンフランシスコに向かって、米国・太平洋郵船会社の定期航路のルートが記される。

ペリー首里城より帰還の図(複製)

ペリー首里城より帰還の図(複製)

清朝南京人 亜墨利加婦人 魯西亜軍師

清朝南京人 亜墨利加婦人 魯西亜軍師

沖縄対話

沖縄対話(改正再版)

単語図

単語図

開化の本

開化の本

『男女同権論』

『男女同権論』

尋常小学読本唱歌

尋常小学読本唱歌

近代化する人びとのくらしと仕事

資本主義経済の発展、貿易の拡大、植民地の獲得などによって、日本の産業構成や労働のあり方は大きく変化し、家族やくらし、地域社会にも影響をおよぼしました。近代の日本は農家や商家などの自営業が多数を占める社会でした。しかし、しだいに工場や鉱山で雇われて働く人びとが増加すると、農村からの移動が促され、新たなくらしの場がかたちづくられていきます。ここではくらしと仕事に焦点をあてて、近代社会とは何かを考えてみましょう。

貧乏教員之手記

貧乏教員之手記

足尾町商業案内便覧図

足尾町商業案内便覧図(複製)

風俗画報増刊第234号 足尾銅山図絵

『風俗画報』増刊第234号 足尾銅山図絵

中国向け輸出マッチ

中国向け輸出マッチ(複製)

〈帝国〉日本の社会と人びと

20世紀初頭、日本は植民地や勢力圏を持つ帝国となっていました。帝国の社会関係は、植民地と本国、都市と農村、生産と消費といった領域で、支配と被支配、排除と包摂、中心と周辺などの要素が複雑に重なりあっていました。帝国にくらす人びとの関係も対等ではなく、それは性差といった人びとのありようにも及んでいました。帝国日本の姿はどのようなものだったのか、人びとの生活と社会という観点から、みつめてみましょう。

鉄道おもちゃ

鉄道おもちゃ

布哇新聞

布哇(ハワイ)新聞

白蝶貝・白蝶貝からできたボタン

白蝶貝・白蝶貝からできたボタン

30キロ入り朝鮮米の米袋

30キロ入り朝鮮米の米袋

チョウセン

チョウセン 上衣(複製)
原品 館山市立博物館蔵

チョウセン

チョウセン 下衣(複製)
原品 館山市立博物館蔵

ヌン(メガネ)

ヌン(メガネ)

『新流行唄 大震災の歌』

『新流行唄 大震災の歌』

全世界開闢以来ノ決死的大放レ業 人間大砲

全世界開闢以来ノ決死的大放レ業 人間大砲(部分)

二十四時家庭双六

二十四時家庭双六
※展示される資料は複製です





第5室では「アイヌにとっての近代」「琉球・沖縄からみた近代」「「水平」をめざして」という3つの視点も設けています。これらは、それぞれ独自の歴史や文化を育んだ人びとが経験した近代社会のありようを深めるための展示となっています。また違った角度から近代社会を考える手がかりともなるでしょう。

アイヌにとっての近代
明治政府は「北海道」を置き、植民・開拓政策を推進していきました。アイヌ民族は圧倒的な少数者となり、くらしの場を奪われていきました。また千島列島や樺太(サハリン)のアイヌは、近代の国境の変化のなかで移住を強いられました。こうしたなかでも、新しい学びの場の創造や言語・文化の継承、土地の権利の主張といったアイヌ自らが近代社会に主体的に切り結んだ動きを見つめていきます。

琉球・沖縄からみた近代
琉球王国は「琉球処分」を通じて日本に編入されました。こうした転換(「世替わり」)のなかでこの地の人びとはどのような経験をしたのでしょうか。出稼ぎや移民の経験、さらに宮古諸島、八重山諸島のくらしも視野に入れます。固有のアイデンティティを求めつつ、日本への同化も進展していった琉球・沖縄から、近代の社会や世界はどのように見えてくるのでしょうか。

「水平」をめざして
近世被差別身分であった人びとや、その居住地域への差別と排除は、近代社会においてもかたちをかえながら被差別部落の問題として続いていきました。ここでは部落差別の諸相と、それに抗する運動や活動を、戦後も視野にいれつつ描いていきます。被差別部落の人びとがつちかってきた文化や生業について紹介します。




第6室「現代」の冒頭の「戦争と平和」の一部もリニューアルします。

戦争と平和

20世紀なかばまで日本は数々の戦争を繰り返しました。1930年代にはじまる中国との長い戦いは、第二次世界大戦、アジア・太平洋戦争へとつらなっていきます。日本は、これらの戦争によって自国民はもとより他国・他民族の人びとにも犠牲を強いていきました。同時代、世界には平和への模索もありましたが、この頃の日本では、多くの人びとは平和に絶対的な価値をおくことはなかったのです。敗戦と占領の経験は人びとの意識に大きな変容を迫っていくのです。

『普通選挙 其の日は来た』

『普通選挙 其の日は来た』

『女性日本人』創刊号(婦人参政号)

『女性日本人』創刊号(婦人参政号)

『満州事変グラフ』

『満州事変グラフ』

佐倉連隊跡地からの出土遺物 水筒

佐倉連隊跡地からの出土遺物 水筒

入館料

2026年3月17日(火)より入館・入苑料が変わります。

【博物館】
一般 個人:900円 団体:800円
大学生 個人:500円 団体:400円
高校生以下 無料
【くらしの植物苑】
一般・大学生 個人:200円 団体:100円
高校生以下 無料

施設概要

施設名 大学共同利用機関法人 人間文化研究機構 国立歴史民俗博物館 
(〒285-8502 千葉県佐倉市城内町 117)
休館日 毎週月曜日(ただし休館となる日が休日にあたる場合は開館し、翌平日を休館日とします。)
年末年始(12月27日~1月4日)
その他、年10日程度休館日あり、館の公式サイトをご確認ください。
開館時間 3月〜9月 9:30 ~ 17:00(入館は16:30まで)
10月〜2月 9:30 ~ 16:30(入館は16:00まで)
料金 一般900(800)円  大学生500(400)円
※( )は20名以上の団体料金です。
※高校生以下、18歳未満の方は無料です。(年齢の分かる証明書等をご提示ください。)
※大学生(専修学校等含む)の方は、学生証等(学校の発行する公的書類)をご提示ください。
※障がい者手帳等保持者は手帳等のご提示により、介助者とともに入館無料です。
※企画展示の入館料は、その都度別に定めます。
※博物館の半券の提示で、当日に限りくらしの植物苑にご入場できます。
 また、植物苑の半券の提示で、当日に限り博物館の入館料が割引になります。
お問い合わせ ハローダイヤル:050-5541-8600

広報用資料画像の使用について

資料画像を広報素材として提供します。別紙広報画像申請書に必要事項をご記入のうえご送付ください。
画像(JPEG)はメールで送信します。画像をご掲載の際には、クレジット表記、注意事項を順守いただきますよう、お願いいたします。

<広報画像使用に際しての注意事項>

  • 総合展示 第5室「近代」リニューアルオープン広報目的でのご使用に限ります(2027年3月31日まで)。
  • 歴博の基礎情報、クレジット(申請書「ご掲載時の展示物データ表記」のとおり)を必ず掲載してください。
  • 資料画像は全図で使用してください。文字を重ねる、トリミングなど画像の加工・改変・部分での使用はできません。部分使用については事前申請・許諾が必要です。
  • Web上に掲載する場合は、72dpi以下の解像度にしてください。
  • 転載、再放送など2次使用をされる場合には、別途申請いただきますようお願いいたします。
  • 基本情報、図版使用の確認のため、ゲラ刷り・原稿の段階で広報事務局までお送りいただきますようお願いします。
  • 掲載、放送後は必ず、掲載誌、同録テープを、広報事務局へ1部お送り願います。

本リリースに関するメディア問い合わせ先
国立歴史民俗博物館 広報事務局(株式会社ユース・プラニング センター内) 担当:大山・平野・池袋
〒150-8551 東京都渋谷区桜丘町9-8 KN渋谷3ビル4F
TEL:03-6826-8708 FAX:03-6821-8869 E-mail:rekihaku@ypcpr.com