ファミリープログラム


れきはくをかこうよ作品展

平成29年7月30日[日]に、国立歴史民俗博物館の第2展示室の展示物を写生する「れきはくをかこうよ」を開催しました。小学生など計32人の方が参加してくれました。先生のアドバイスを聞いて、みんないっしょうけんめいすみずみまでよく見て描いていました。
最初に、展示室で歴博の先生から展示物の説明がありました。その後、それぞれ好きな展示物を選び、絵を描きました。描いてみると、気がついたことや新たな発見があったようですね。たくさんの色をつかって描いた絵や細かいところまでていねいに時間をかけて描いた絵など、どれも力作ぞろいでした。

日   時
平成29年7月30日[日]10:00~14:30
場   所
本館第2展示室
画   材
色鉛筆・鉛筆・画用紙
歴博の先生
歴史研究系 田中大喜先生、考古研究系 村木二郎先生

みんなの作品紹介

● 第2展示室 ●

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びんざさら/よろい 小林 汐花
今日のこだわり
色を同じ色にかくのがたいへんだった
注目点・疑問点
自分がかいた絵がどんなものかとわかったことがよかった
歴博の先生から
きれいなびんざさらですね。にぎやかな音が鳴りだしそうです。よろいも細かいところまでよく見ています。
作品(1)

中世武士の水干姿 小林 結香
今日のこだわり
かげの部分をつけたこと
注目点・疑問点
武士なのにあんなふくをきていること
歴博の先生から
とてもりりしい武士の水干(すいかん)姿が描かれていますね。影のつけ方が絶妙(ぜつみょう)だと思います。
水干は公家(くげ)の未成年者から武士、一般庶民(いっぱんしょみん)までが着ていました。特に武士は狩衣(かりぎぬ)という服とともに水干を礼装(れいそう)(公式な儀式(ぎしき)に着ること)に用いました。とても大事にした服といえるでしょう。
作品(2)

ししとこま犬 田中 稜太
今日のこだわり
りんかくと、たてがみ
注目点・疑問点
目の力強さと、ししとこま犬の体のえんきん感
歴博の先生から
とてもりりしい「ししとこま犬」ですね。これでは悪霊(あくりょう)も近づけないことでしょう。こま犬は守護神(しゅごしん)とされ、現在でも神社で多く見ることができます。左右一対(さゆういっつい)、開口(かいこう)と閉口(へいこう)の阿呍(あうん)とするのが原則ですが、両方とも開口しているこま犬もあります。こま犬を見かけたら、気にして見てみてください。
作品(3)

平安の船 篠原 香凜
今日のこだわり
全体の形に注意してかきました
注目点・疑問点
疑問に思うことは、船についているぼうはなんなのか知りたい
歴博の先生から
立体的にかつ細部のようすまで上手に描いていると思います。疑問とした船のパーツは、帆(ほ)をあげる柱です。帆をあげるときにこの柱を立てました。
作品(4)

ごしゅいんせん 塩寺 航大
今日のこだわり
船の下の方
注目点・疑問点
ふくろみたいなところに石がはいっているのがびっくりした
歴博の先生から
このふねをまっ正面からかくのは、とてもむずかしかったと思います。しかし、こまかいところまで一生けんめいかいたおかげで、とてもリアルで迫力(はくりょく)のある絵になりましたね。石のいかりに気がついたのも、よく観察(かんさつ)したからです。すばらしい!
作品(5)

十二単 武冨 楓
今日のこだわり
かおときもののかさねかた
注目点・疑問点
きもののかいわいさ。どうしてあまりすがたを見せないの?
歴博の先生から
顔の表情(ひょうじょう)をかいて、とてもかわいらしいおひめさまになりましたね。水玉模様(みずたまもよう)へのアレンジもすてきです。公式(こうしき)な行事(ぎょうじ)は、おもに男性(だんせい)がとりしきったため、女性(じょせい)は、男性にくらべてそうした場にすがたをみせる機会(きかい)がすくなかったようです。
作品(6)

やぶさめ/かまくらばくふ 新 幸祐
今日のこだわり
かっこよかったから/かまくらばくふがとても好きで、一度行ってみたかったから
注目点・疑問点
弓をうっているところ。やぶさめ以外にくんれんがあったのか。/北じょううじまさが注目です。どうしてとりいが3つあるか。
歴博の先生から
やぶさめと鎌倉の町並みを選んでくれたとろこから、中世の武士に関心があることが伝わってきます。わたしも中世の武士を研究テーマにしているので、とてもうれしいです。
武士の訓練(くんれん)には、そのほかに犬追物(いぬおうもの)と笠懸(かさかけ)がありました。若宮大路(わかみやおおじ)に3つも鳥居(とりい)があるのは、若宮大路が鶴岡八幡宮(つるおかはちまんぐう)の参道(さんどう)だったからかもしれません。
作品(7) 作品(7)

 鵜木 耀平
今日のこだわり
たいほうがすごくこまかかったから
注目点・疑問点
なんでそんなに昔は海ぞくがいるのだろうか
歴博の先生から
あざやかな色の船ですね。たいほうをもった大きな船なので、安心して乗っていけそうです。海ぞくをとりしまる力が弱いと、海ぞくがふえて、海の安全がおびやかされました。そのため自分たちで武器をもって戦わねばならなかったのです。
作品(8)

ぎおんまつりのかんこぼこ やまざき まなか
今日のこだわり
色づかい、もよう(ぬの)
注目点・疑問点
何人のれるのか。長さは何メートルか。誰がつくったのか。ほかにどんなほこがあるのか。作るのにどれくらい時間がかかるのか。
歴博の先生から
はなやかな山ぼこでお祭りのにぎわいが聞こえてきそうです。色を重ねてぬるなど、色づかいがうまいですね。
高さは20m以上あり、50人くらいがのりますから、とても多くの人たちで動かします。町ごとにほこがあり、町の人たちがお金を出し合いくふうして作りました。ふだんはバラして収納しておき、お祭りの前の短期間に組み立てます。ほこの種類(しゅるい)は調べてみてください。いろいろありますよ。
作品(9)

むかしのふね 田辺 太一
今日のこだわり
船のほをかくのをがんばった。
注目点・疑問点
船のほ。後ろの平という字。
歴博の先生から
帆(ほ)と旗(はた)をがんばってかいたおかげで、船が躍動的(やくどうてき)になっています。この船なら安心して海外まで旅に出られそうですね
作品(10)

昔の船 田辺 真子
今日のこだわり
船が本当に海で航海している様子を思いうかべながら描いた。
注目点・疑問点
こまかいところを一生けん命描いた。船の中を見てみたい。
歴博の先生から
斜(なな)め前からのむずかしい角度なのに、とてもていねいにうまくかけましたので、立体的で本当に公開しているように見えます。鉛筆と色鉛筆の合わせ方がたいへん上手ですね。
作品(11)

平安時代の女の人 A.I
今日のこだわり
色とりどりの着物をきれいにぬれるように心がけた
注目点・疑問点
こんなにいっぱい着物をきて暑いのに、なんで着たのだろうと思った。かみが長くて大変だとおもった。
歴博の先生から
おすましした、とてもかわいいお姫様ですね。重ね着している様子がよく描かれていると思います。
平安時代の女性は長い髪(かみ)が美人の条件とされていたようです。夏はきっと暑くて大変だったでしょうが、美人になるために努力していたのかもしれません。
作品(12)

かまくらじだいのふね T.I
今日のこだわり
かっこよくかいた
注目点・疑問点
おなじちゃいろでも、こくかいたり、うすくかいたりした。
歴博の先生から
大きくかいてあり、展示(てんじ)の模型(もけい)よりも迫力(はくりょく)のある絵になっていますね。とてもかっこいいです。鎌倉時代(かまくらじだい)の船(ふね)は、まだ実物(じつぶつ)が発見(はっけん)されていないので、実際(じっさい)のようすがよくわかっていません。実際の船は、Tくんがかいてくれたような大型(おおがた)のかっこいい船だったかもしれませんね。
作品(13)


昔のよろい 山下 祐太朗
今日のこだわり
かぶとのかざりをこだわってかいた
注目点・疑問点
はでな色があったし昔の色をそうぞうして
歴博の先生から
よろいはむずかしいのに、よくかけています。色えんぴつの黒とふつうの黒いえんぴつを、うまく重ねて使ったのが成功しましたね。そのおかげで、かぶとかざりのあざやかさがきわだっています。
作品(14)

板碑 山中 清美
今日のこだわり
実ぶつとできるだけにてるようにかきたかったので、おはかのところにある黒い点みたいのがあったので、それをかきました。
注目点・疑問点
注目したところは、字をできるだけおおきくかいたところです。
歴博の先生から
板碑に掘られた梵字(ぼんじ)や文字まで描いてあり、とても詳細(しょうさい)なスケッチになっています。影(かげ)のつけ方もいいですね。
この形の板碑は、青みが買った石を使用するのが特徴(とくちょう)です。また見に来る機会(きかい)があれば、色のようすもぜひ見てください。
作品(15)

やくしにょらい H.M
今日のこだわり
かげをかいた。ゆびの形。
注目点・疑問点
やくしにょらいは本当にいたんですか。台はどうしてあんな形なんですか。かみの毛はなんで丸いんですか。手にもっている物は、なんでくりの形なんですか。
歴博の先生から
影(かげ)をつけて、とてもリアルにかけていると思います。ゆびの形など細かいところにもこだわっている点はすばらしいですね。
薬師如来(やくしにょらい)は、ふるくから病気(びょうき)の回復(かいふく)を願う人びとの信仰(しんこう)をうけた仏様(ほとけさま)です。仏様がのっているのは蓮(はす)の葉です。仏様の丸まった髪(かみ)の毛を「螺髪(らほつ)」といいますが、悟(さと)りをひらいた仏様は、らほつとなります。
薬師如来の手にある栗(くり)のようなかたちの入れ物は「薬壺(やっこ)」というつぼです。栗ではありません。つぼなのですが、当時(とうじ)の製造技術(せいぞうぎじゅつ)で栗のような形になってしまったようです。
作品(18)

洛中の町並み 奥田 胡春
今日のこだわり
せんす屋さんのせんすの色やもようをていねいにかくこと。屋根の石のならびい気をつけてかく
注目点・疑問点
外から見るとはなやかだけど、村木先生の説明を聞いて、うらの生活している場所がつながっているところ(近所の人と)ドアがなくてのれんになっていた。
歴博の先生から
こまかいところまでよく観察しましたね。屋根の家の並(なら)びに気をつけるなんて研究者みたいです。
ドアは見えませんが、ちゃんとあるので、夜はしめていました。とてもきれいな絵がかけましたね。構成(こうせい)もすばらしいです。
作品(18)

むかしのおうち H.S
今日のこだわり
なるべく立体のようにかいた
注目点・疑問点
どうしてトイレがそとにあるんですか
歴博の先生から
かまどのようすがうまくかけていますね。トイレは家のなかにあると、くさかったとおもいますよ。
作品(20) 作品(20)

大きいふね 田中 咲妃
今日のこだわり
こまかいところがむずかしかった
注目点・疑問点
人は何人くらい乗れるのか
歴博の先生から
船の前の部分がとてもていねいにかけています。色づかいがきれいなので、とてもはなやかな船になりました。旗(はた)や帆(ほ)もよく観察していますね。このサイズの船なら、100人以上乗れました。
作品(21)

たいほうがあるふね 田中 舜
今日のこだわり
ふねのはたをきをつけてかいた
注目点・疑問点
ぜんぶ
歴博の先生から
もえるような色づかいが、はくりょくあります。たいほうもこちらをむいていて、強そうですね。「平」という字が書かれたはたは、まきついていてむずかしいのに、よくかけています。
作品(22)

おまつり 嘉藤 花都
今日のこだわり
おくの方の人のかぶってるものをちょっとこまかくかいた
注目点・疑問点
おくの人のかぶっているぼうしみたいな上にのっている人形がなんであるの?
歴博の先生から
あざやかな衣しょうですね。びんざさらを鳴らしながら今にもおどり出しそうです。おくの方の人が高いげたをはいているところまでよく観察(かんさつ)しましたね。
おくの人がかぶっているぼうしは「風流笠(ふうりゅうがざ)」といって、はなやかな作りものがのっています。この人形は田楽座(でんがくざ)の花笠(はながさ)をかぶっています。鳥居(とりい)は奈良県の春日大社(かすがたいしゃ)をあらわし、そこで神さまに音楽やおどりをささげているようすを表現(ひょうげん)しています。
作品(23)

ほとけさま 嘉藤 夢果
今日のこだわり
くすりをもっているところ
注目点・疑問点
あたまのぶつぶつはなんこあるの?
歴博の先生から
薬(くすり)をいれたつぼをちゃんとかいてくれて、この仏様(ほとけさま)が薬師如来(やくしにょらい)だとわかります。仏様の丸まった髪(かみ)の毛を「螺髪(らほつ)」といいます。悟(さと)りをひらくと、髪の毛がらほつになるそうです。らほつの数は仏様によってちがうので、決まった数はありません。
作品(24) 作品(24)

ふね H.O
今日のこだわり
かたち
注目点・疑問点
たいほうのしたにしろいぬのがあった
歴博の先生から
ななめうしろからのかんさつですね。舵(かじ)がしっかりとかけているのが、いんしょうてきです。大きなふねのもけいですが、こまかいところまでよく見て、いろいろなことがわかったという思いがつたわってきます。
作品(25)

長崎へ出発! E.S
今日のこだわり
船の一番後ろのはたに注意した。
注目点・疑問点
なぜ一番後ろのほが三角形なのか。
歴博の先生から
赤と緑とむらさきが印象的な美しい船ですね。ロープの1本1本まで注意してよくかけています。上の旗の「平」の字もよく気づきましたね。
後ろの三角形の帆(ほ)は、向かい風を利用して船をあやつるのに便利だそうです。
作品(26)

はたらくひとたち A.T
今日のこだわり
はたらいちえる人たちをメインにしました
注目点・疑問点
いつから田うえのおうえんがなくなったんですか
歴博の先生から
大きなのこぎり「大鋸(おが)」をつかうふたりは、ぴったりいきが合っているようです。おがくずをあつめるはこまで、よく気がつきましたね。
田うえのおうえん「田植踊(たうえおどり)」は東北地方(とうほくちほう)などでまだやっているところもあるようです。楽しそうですね。
作品(27) 作品(27)

本ものみたいなしび 増田 健太
今日のこだわり
大きさとはばにこだわりました。色もこだわりました。
注目点・疑問点
まるのまわりには、色をぬりませんでした。もようをみやすいようにするためです。なんでひれがないんですか。
歴博の先生から
実物(じつぶつ)を再現(さいげん)したかのようにりっぱな「鴟尾(しび)」がかかれていますね。大きさや幅(はば)へのこだわりもさることながら、実物とおなじ緑色にぬった点にたいへんかんしんしました。もともと鴟尾は、大棟(おおむね)のそりを強調(きょうちょう)するための飾瓦(かざりがわら)でしたが、火災(かさい)にあわないように水を連想(れんそう)させる魚の形でつくられるようになりました。ひれがないのは「魚っぽさ」がつたわればよかったからでしょうかね。ざんねんながら、正確(せいかく)なことはわかりません。
作品(26)

てっぽう 鈴木 ひかた
今日のこだわり
よくみてもようをかいた
注目点・疑問点
ずれないようにかいた
歴博の先生から
てっぽうのこまかいところまでよく見てかきましたね。金ぞくの部分がとてもリアルです。
作品(26)

ふね 鈴木 杏佳
今日のこだわり
おおきくかいた
注目点・疑問点
ふねのいろ
歴博の先生から
いきおいのあるふねですね。そとのせかいにたびだつのに、ふさわしいつよさをかんじます。
作品(26)

御朱印船 完倉 魁人
今日のこだわり
帆を細かく描いた
注目点・疑問点
600年前に自分たちだけで船を作って外国にいくなんて、すごいですね。
歴博の先生から
すごく細かなところまで観察した絵ですね。鉛筆画をかきなれているのでしょうか。暗いところの表現やぼかしなど、小学生ばなれしたテクニックが全体をひきしめています。
作品(26)

ちきゅうぎ/はこ K.M
今日のこだわり
きにいったから
注目点・疑問点
はこになんでかぎがあるの?
ちきゅうはどうしてまるいの?
歴博の先生から
てんじしつのちきゅうぎ。したのほうからかんさつすると、こんな人たちがみえるんですね。どうしてまるのかは、おおきくなったら、かんがえてみてください。とてもむずかしいテーマで、わたくしにはわからないので。
はこは「なんばんしゅき」ですね。くろっぽいなかでひかる「らでん」があおくみえるのですね。おとなにはできないひょうげんです。かぎがあるのは、たいせつなものを いれるからでしょうか。日本せいなのに、ヨーロッパ人のためにつくったため、かぎあなのかたちがヨーロッパのかたちになっています。
作品(27) 作品(27)


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