ファミリープログラム


れきはくをかこうよ作品展

平成28年7月18日[月・祝]に、国立歴史民俗博物館の第3展示室の展示物を写生する「れきはくをかこうよ」を開催しました。小中学生計27人の方が参加してくれました。先生のアドバイスを聞いて、みんないっしょうけんめいすみずみまでよく見て描いていました。
最初に、展示室で歴博の先生から展示物の説明がありました。その後、それぞれ好きな展示物を選び、絵を描きました。描いてみると、気がついたことや新たな発見があったようですね。たくさんの色をつかって描いた絵や細かいところまでていねいに時間をかけて描いた絵など、どれも力作ぞろいでした。

日   時
平成28年7月18日[月・祝]10:00~14:30
場   所
本館第3展示室
画   材
色鉛筆・鉛筆・画用紙
歴博の先生
歴史研究系 横山百合子先生、福岡万里子先生

みんなの作品紹介

● 第3展示室 ●

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青ものばかり すずき えまり
今日のこだわり
線のところにしましまをつけた。
注目点・疑問点
なんで青だけなのか。
歴博の先生から
青い色の絵の具にとうめいなうわぐすりをかけたやきものを「そめつけ」といいます。すっきりしていて、ひとびとに好まれました。
小さなさかづきのもようにも工夫があることをみつけましたね。同じ青でも、少し色あいがちがっているところに気付いた観察の力もすばらしいです。
作品(1)

子供の墓の副葬品 きむら さつき
今日のこだわり
おなじ色でもびみょうにちがったりしたので、本物に近い色でぬりました。
注目点・疑問点
銅せい人形をよく見ると、1体だけ形がちがうのがありました。ポッペンて何ですか?
歴博の先生から
ポッペンは、ガラスでできていて、息を吹きこむとポコポコという音がするおもちゃです。
どれも小さくて、よく見ないと、とくちょうがわからないのですが、細かくかんさつしましたね。銅せいの人形は、大きさが1.5センチメートルくらいなのに、形のちがいをきちんと見つけたところは、えらい。子どもをなくした江戸時代のお父さんやお母さんの気持ちが伝わってきますね。
作品(2)

三つこしのかんばん しんどう さくらこ
今日のこだわり
色づけ
注目点・疑問点
漢字のところ
歴博の先生から
かんばんの大きさが、みついの自信(じしん)をあらわしているようですね。どっしりとした木でできたところと、光っている金(きん)ぞくのところが、ちゃんとかきわけてあるところがよいです。
作品(3)

かめ しんどう りゅうえい
今日のこだわり
ちゃいろとくろのもよう
注目点・疑問点
くろいもようがなにかわからなかった。
歴博の先生から
どっしりとした台所のかめのふんいきがよくかけました。くろいもようは、ねんどをやいて、かめをつくるといに、うわぐすりをかけてあらわしたもようです。おもしろいかたちですね。
作品(4)

大きなむかしのおうち ふくはら りお
今日のこだわり
やねの上と下の大きさを気をつけたこと。
注目点・疑問点
となりの小さないえがなにかわからなかったから。
歴博の先生から
物をほかんする蔵(くら)なので、まどがなく入り口も小さくカベが大きくなっています。たてもののとくちょうがよくかけていますね。やねとかべの大きさに気をつけてかいたところは、なかなかよいです。
作品(5)

 つくい やくも
今日のこだわり
船頭の腕
注目点・疑問点
女性が頭巾をかぶるのは何故か
歴博の先生から
江戸図屏風で日本橋川を通る舟に焦点を当てて上手に描いてくれました。特に舟をこぐ船頭の表情と腕が、重労働にきたえられた様子をよく表していて絶妙です。女性がかぶっている頭巾のようなものは、おそらく「被衣(かずき)」でしょう。中世から江戸初期まで、身分の高い女性は外出時に、頭から腰まで、すっぽり隠れる「かずき」を身につけたのです。
作品(6)

まち つくい ゆら
今日のこだわり
瓦(かわら)を細かく描いた
注目点・疑問点
船が沈まない事(荷物をたくさん積んでいるが)
歴博の先生から
沈まないようにギリギリの分量を積みます。船のりたちは、経験からその量をよく知っていたようです。質問ありがとう!
まるくそったはし、たくさんのたてもの、荷物(にもつ)をはこぶふね、がっしりした石がきぜんたいがじつによくまとまっていて、にぎやかな町のようすが、ひとめでわかります。すばらしい。
作品(7)

江戸の魚お市場 Y.A
今日のこだわり
海の色が二色
石がきがカラフル
注目点・疑問点
○は何が入っているのか?
船を書くのが苦労した。
船に人が乗っている。
歴博の先生から
働く人、たくさんの種類の積荷や石垣、建物のカベなど細かく観察しているところがよいですね。水の色のちがいまでちゃんとかき分けているところはさすがです。
作品(8)

無題 K.A
今日のこだわり
くろいかおのところや手
注目点・疑問点
かおのところ
歴博の先生から
曲芸(きょくげい)をしている人のかおつきのちがいまでかきわけているのがすばらしいですね。大きな手もはく力があってよいです。
作品(9)

やたてといんろうと日本ばし まるやま りな
今日のこだわり
やたてのはっぱのこまかいところ。
注目点・疑問点
やたては、もちはこびようのふでとすみいれだとわかった。
歴博の先生から
いろいろおもしろいものをはっけんしましたね。いんろうのこまかいもようも、よくかんさつしてかいているところがよいです。
作品(10)

日本ばしとふなやど やまざき まなか
今日のこだわり
はしのたかさやおおきさ。
注目点・疑問点
どんなものをもってとおるのか?のりものはとおるのか?
歴博の先生から
はしの大きさや石がきのようす、はしをくぐろうとするふねなど、とてもダイナミックなうごきのあるえですね。どうどうとした、はしとまちのようすがよくわかる、よいえになりました。
いろいろなものをもつ人がとおりますが、えど時代のおわりごろは、近くにあった魚いちばに、さかなをもってきたり、はしの上で売ったりすることもあったようです。
作品(11)

火のみやぐらと、まわりの物 はら すずね
今日のこだわり
火のみやぐらの、ほねぐみを書いたところや、まどを書いたことです。
注目点・疑問点
火のみやぐらでかねをならして、火をけして、というアイデアはだれがだしたのか。
歴博の先生から
火のみやぐらの木のかべや、やね、まど、半しょう(かね)など、細かくかきわけているところが、とてもよいですね。えどばしひろこうじにあったたてものの違いもわかって、おもしろい絵になりました。
江戸では1658(万治元)年に、常火消(じょうびけし)というはたもと(武士)のやしきに初めてたてられました。そのころは、やぐらに大太鼓(おおだいこ)をぶらさげ、四すみに半鐘(はんしょう)をつるしました。町の火のみやぐらは、半鐘だけでした。
作品(12)

とうじきざら かたひら ちひろ
今日のこだわり
かけているところもしっかりかきました。
注目点・疑問点
ひびがはいっているところ
歴博の先生から
ひびの入った小さな皿にもいろいろなもようがあって、人びとがくらしをたのしんだことがわかります。ていねいに同じ青色でも少しずつ色をかえて、かけましたね。てんじの台や、キャプション(せつめいのいた)にも注目してくれたのは、片平さんだけです。
作品(13)


庚申塔の道標 なかむら りゅうのすけ
今日のこだわり
かおのぶぶんを、ていねいにかいた。
注目点・疑問点
手、足が、うまくかけなかった。
歴博の先生から
道標(どうひょう)にほられた神様のかおが、はくりょくあふれる表情でえがかれています。左右にほられた字もせいかくにうつせましたね。いまのことばでかけば「むこうへゆけば、さくらみち」ということです。さくら方面へむかう道路のわきにたっていたのでしょうね。いまでも旧道(きゅうどう)のわきに、むかしの道標がたっていることがありますよ。
作品(14)

川ふね とつぎ ゆいか
今日のこだわり
わらをかくこと
歴博の先生から
かわぶねをちからづよく、いきいきとかいてくれました。川の水、青い空、きれいなにじもかかっていて、帆(ほ)をいっぱにはって、ふねがとてもうれしそうです!なにをはこんでいたふねか、てんじしつでさらにしらべてみてね。
作品(16)

かたな あいみ れお
今日のこだわり
こまかくかいた
歴博の先生から
江戸時代の旅の小道具のうち、道中差(どうちゅうざし)をえらんでえがいてくれました。武士(ぶし)が腰(こし)にさす、ふつうの刀(かたな)よりも、すこしちいさいのがわかりますか?町人が旅(たび)にでるさい、みをまもるための刀としてもちあるいたのが道中差です。
作品(17)

日本橋 あいみ いっき
今日のこだわり
橋の足の部分
注目点・疑問点
上の雲
歴博の先生から
橋をつくるときは、くわしい設計図を書き、嵐(あらし)でたおれたり、人やモノの重さでたおれたりしないように、大変注意深くつくりました。それをしっかり観察して絵にあらわれています。白い雲と青い水。江戸の風景がうかんできますね。
作品(18)

(1)よそおい
(2)むかしの大サーカス
 おぶち かの
今日のこだわり
絵をよく見てかいた。二まい書きました。
注目点・疑問点
何で顔が白いかなと思った。
歴博の先生から
えど時代のはんが(にしき絵)のとくちょうがよくとらえられています。着物のもようや、いろいろなしゅるいのかんざしも、こまかくかきわけていて、ていねいなよい絵になりました。
曲芸の絵は、いっしょうけんめいバランスをとっているようすが、つたわってきますね。
作品(20) 作品(20)

むかしの大サーカス おぶち りの
今日のこだわり
はく力
注目点・疑問点
竹のしなり
人の形(体、顔)がこわい
歴博の先生から
なるほど竹のしなりがよくかけていて、人びとがハラハラしながらみているようすが、うかんんできますね。片足で曲芸(きょくげい)をする人のきんちょうした表情(ひょうじょう)や、みごとな動きをとらえたよい絵になっています。
作品(21)

いまもすくすく残る地球儀 おぶち れお
今日のこだわり
背景がなくては少し寂しく、それでもそのまま描くというのも魅力に強く残りますが、いまは自然環境についての問題が後をたたないので、バックの景色を自分の心そのままに表してみました。(実際にはないものです)
注目点・疑問点
実は地球儀に描いている地図と文字は空想です。また、この時代には芸術的なものがたくさんあるので、これもまた鑑賞のモットーだと思います。
歴博の先生から
展示室の地球儀が寂し気というのは、先生も同感で、そんな地球儀に素晴らしい背景をつけてくれました。空想でつけてくれたというアルファベット文字も恰好いい飾り文字で、絵の完成度の高さにびっくりしました。展示されているのは、19世紀、幕末の日本で作られた地球儀。風雲急を告げる世情のなかで、当時の人々はどのような思いでこれをながめたのか、想像してみて下さいね。
作品(22)

くじゃく さくた あやな
今日のこだわり
かいのはねをこだわりました。
注目点・疑問点
くじゃくのはねのぜんぶがきれいでした。
歴博の先生から
貝(かい)のしゅるいによって、かがやき方がちがうのがよくわかるえですね。ていねいにこまかくみてかいたところがよいです。
作品(23)

えぞのしょうひん K.H
今日のこだわり
にしんのおなか
注目点・疑問点
こんぶはむかしからあった
歴博の先生から
にしんの色あいが、とてもこまかくかきわけられていて、よいですね。こんぶの色やかたちも、くふうのあるかきかたです。えぞち(ほっかいどう)の品物は本州の人たちにとって、とてもたいせつなものだったことがわかりますね。
作品(24)

さんそんぶつ Y.A
今日のこだわり
下のおかざりを気をつけて書いた
注目点・疑問点
ほとけさまのばしょ
歴博の先生から
さかなのうろこや目玉の大きさまでよくみて書いているところがよいですね。下の台にも、ちゃんともようがあることに気づいたところは、えらい!えどの人びとは、おもしろいことが大すきだったのですね。
作品(25)

むかしのどうぐ R.O
今日のこだわり
いろのつかいかた。きれいにぬった。
注目点・疑問点
ふみえはなんのためにつかうのかな。
歴博の先生から
ひょうたんにえがかれた赤いもみじのもようや、どうちゅうざしの手でにぎるぶぶんにまかれた、みどりいろのひもなど、よくかんさつしてかけましたね。
ふみえは、えどじだいにキリストきょうとではないことをたしかめるために、キリストやマリアを足でふませることをしたさい、つかわれた像(ぞう)だよ。たくさんふまれたので、キリストのかおがこすれて、きえてしまっているのに、きがつきましたか?
作品(26)

きたまえぶね すずき そういちろう
今日のこだわり
すごい
注目点・疑問点
おおきいところ
歴博の先生から
てまえの小さいほうのふねは、川でつかわれていたふね。おくの大きいほうのふねは、海(日本海)をはしっていたふね(きたまえぶね)だよ。てまえにあるほうが大きくみえる、えんきんかんをよくひょうげんできていますね。ふねのこぎてもいっしょうけんめいこいでいるかんじがでています。
作品(27)

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