江戸(えど)時代にはいろいろな行列が
江戸時代には、いろいろな人たちが行列をつくって江戸と各地を行き来しました。大名が自分の領地にある城(しろ)と江戸との間を往復する参勤(さんきん)交代は、みなさんも知っていると思います。そのほかに朝鮮(ちょうせん)国王からの使者、琉球(りゅうきゅう)国王の使者、オランダ商館の代表なども何十日も行列しながら江戸に来ました。また、江戸から地方の城に向かう大名の行列もありました。江戸の人たちだけでなく、とちゅうの町や村の人たちもこのような行列を見ることができました。
このほかに、町の人たちが祭りに日に行列をつくって町をねり歩き、祭りをもりあげることもありました。
この企画展示では、江戸時代のいろいろな行列を描(えが)いた絵や屏風(びょうぶ)などを展示します。なぜ江戸時代にはいろいろな行列があったのか、町や村の人たちはどんな気持ちで行列をながめていたのか、そんなことを考えながら展示を見てください。
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松山藩(まつやまはん)参勤交代(さんきんこうたい)絵巻(えまき)
これは、武士の行列、参勤交代のようすを描(えが)いた絵です。四国の松山藩(現在の愛媛県)の藩の領主になった大名が、初めて自分の領地にむかうときの行列です。 (国立歴史民俗博物館) |
琉球使節(りゅうきゅうしせつ)道中絵巻 部分
現在の沖縄県は、尚(しょう)という国王が治める王国でした。実際には、薩摩藩(さつまはん、現在の鹿児島県)の領地にされていましたが、江戸幕府は王国として扱いました。将軍が代わったときや、琉球国王が代わったときには、琉球の役人の服を着た国王の使いが江戸城にあいさつに来ました。 (国立歴史民俗博物館) |
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朝鮮(ちょうせん)通信使歓待図屏風 右隻
江戸幕府は朝鮮と国交を結びました。将軍が代わったときなどに、朝鮮国王の使節がやって来ました。この絵には、江戸の町を歩く朝鮮通信使の行列とそれを見る町の人たちが描(えが)かれていています。 (泉涌寺) |
蝶々踊り(ちょうちょうおどり)図屏風
京都の祭りの行列を描(えが)いた絵です。京都の町の人が、みな思い思いのはでな服そうでおどり歩いています。 (国立歴史民俗博物館) |