みなさんは北海道や千島列島、樺太(からふと)で昔からくらしていたアイヌの人びとを知っていますか。江戸時代、アイヌの人びとは狩りや漁で得たものを、日本や中国の商人と取り引きしてくらしていました。ここに描かれている12人のアイヌの人びとは、蝦夷錦(えぞにしき)とよばれる色あざやかな着物を身につけています。描かれている人や物から、北東アジア(中国、朝鮮、ロシアなど)の交流を考えてみましょう。
会場では、アイヌの人びとを描いた絵を、タッチパネルで拡大してじっくり見ることもできます。
※蝦夷錦…江戸時代、アイヌの人々が北方の民族との交易で手に入れた中国産の絹織物(きぬおりもの)です。
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ツキノエ クナシリ(現在の国後島)の地域の有力者です。赤い蝦夷錦の上にロシアのコートと考えられる黒い服、赤いブーツを身につけ、堂々といすにこしかけています。 |
シモチ アッケシ(現在の厚岸町)の地域の有力者です。弓で矢を射ることが得意な人です。蝦夷錦、鹿皮(しかがわ)のベスト、足にはアイヌ文様の刺繍(ししゅう)が入った脚絆(きゃはん)を身につけています。 |
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※ツキノエ、シモチのほか、フランスの博物館(ブザンソン美術考古博物館)にあるアイヌの有力者の絵をごしょうかいしています。 |
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ジットク |
蝦夷錦の幕(まく) |
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蝦夷錦で作られた中国の役人の衣服は、日本では「ジットク」とよばれました。蝦夷錦は、たいへん豪華(ごうか)な布で、本州の日本人が、幕などに仕立てることもありました。 |
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アザラシ皮の靴 足を入れるところは皮を折り返し、木綿(もめん)布に刺繍をしています。
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首飾り アイヌの女性が身につけた大切なアクセサリーの一つです。
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木綿衣(もめんい) 儀礼(ぎれい)に参加するときに着る晴れ着です。アイヌ独特の文様がほどこされています。 |
ラッコ皮 クナシリ・メナシ地方に住んでいたアイヌの人びとは、千島列島でラッコなどをとり、その毛皮を和人(日本人)やロシア人と取り引きし、交易をしました。ラッコの毛皮は、たいへん高価で、中国やヨーロッパで人気がありました。 |