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吉祥(きっしょう)のかたち

2019年1月5日[土]~2019年2月11日[月祝]

吉祥(きっしょう)とは、良いきざし、めでたいしるしを意味する言葉です。

みなさんの身近なものから例をあげると、端午の節句の「鯉のぼり」の鯉(こい)は、吉祥に関わりがあります。登竜門(とうりゅうもん)という立身出世(りっしんしゅっせ)にかかわる言葉に表されるように、中国の黄河(こうが)の竜門という急な滝を登った鯉は竜になるという伝説(でんせつ)があります。

このことから、鯉には、子どもが元気に成長し、出世して立派な大人になって欲しいという吉祥の意味(いみ)がこめられているのです。

瀑布鯉魚図(ばくふりぎょず)

楫取魚彦(かとりなひこ)筆 1769(明和6)年

上の画像は、今回の展示にある鯉の滝登りの図です。

私たちの生活の中には、この他にも吉祥を表す動植物があり、昔から絵画や工芸品(こうげいひん)に用いられてきました。例えば松竹梅(しょうちくばい)や鶴亀(つるかめ)です。

今回の展示では、歴博所蔵(れきはくしょぞう)の絵画や工芸品(こうげいひん)の中から吉祥に関わるものをよりすぐり、それらにこめられた吉祥の意味を読みといてご紹介します。ぜひごらんください。

梅樹下草模様小袖(ばいじゅしたくさもようこそで) 
酒井抱一(さかい ほういつ)筆

江戸時代中期~後期
(国立歴史民俗博物館蔵)

きびしい寒さの中で花を開く梅は、吉祥のシンボルです。その生命力から長寿(ちょうじゅ)と子孫繁栄(しそんはんえい)を表しています。

これは琳派(りんぱ)の絵師、酒井抱一(1761~1828年)がえがいた小袖(和服の元となったもの)で、鳥取藩主(とっとりはんしゅ)の池田家に伝わるものです。

龍宮城模様一つ身(りゅうぐうじょうもようひとつみ)

江戸時代後期
(国立歴史民俗博物館蔵)

浦島太郎(うらしまたろう)の物語にある龍宮城(りゅうぐうじょう)も、永遠(えいえん)や長寿(ちょうじゅ)を意味する吉祥のシンボルです。

牡丹獅子置物(ぼたんじしおきもの) 美濃・魁翠園製(かいすいえんせい)

1853(嘉永6)年頃

(国立歴史民俗博物館蔵)

能(のう)の演目(えんもく)「石橋(いしばし)」の場面です。菩薩(ぼさつ)の使いの獅子が石橋の上にあらわれ、美しいボタンの花にたわむれて舞(ま)う長寿を祝うおめでたい場面です。

 


名 称
吉祥(きっしょう)のかたち
会 場
第3展示室(近世)副室
会 期
2019年1月5日[土]~2019年2月11日[月祝]
開館時間
9時30分~16時30分 (入館は16時00分まで)
休館日
2019年1月7日[月]・15日[火]・21日[月]・28日[月]・2月4日[月]
主 催
国立歴史民俗博物館

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