今回の特集は、「百貨店と近世の染織」です。百貨店とはデパートのことで、その多くは江戸時代まで着物を売ることに力を入れていました。
明治・大正時代の女性は、ほとんど着物で過ごしていたため、デパートでは女性に着物を買ってもらおうと、「今年の流行」と関係した展覧会を開きました。江戸時代の着物と比較することで、趣味のよさを知らせようとしたわけです。
今回の特集は、大正時代のデパートで開かれた展覧会に出品された、江戸時代の小袖(こそで)などを展示します。友禅染(ゆうぜんぞめ)などの染織の素晴らしい作品を見にきてください。
期間中、展示品の入れかえを行います。
前期 10月18日(火)~11月20日(日)
後期 11月22日(火)~12月18日(日)
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藤花舟模様帷子(ふじばなふねもようかたびら) (近松門左衛門の二百回忌(き)を記念して)
近松門左衛門がくらした水の都・大阪をイメージして、 舟をししゅうと染(そめ)で表した小袖です。
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幔幕桜楓模様振袖(まんまくさくらかえでもようふりそで) 友禅斎(ゆうぜんさい)謝恩碑(ひ)落成法要 出品
幔幕とは、式場や会場などに張りめぐらす幕のことです。幔幕の細かい模様をよく見てください。白い桜と楓の模様が、幔幕を引き立てています。
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松梅鶴模様振袖(まつうめつるもようふりそで)
赤い地に、飛んでいる鳥を絞り(しぼり)で白く表しています。松や紅梅が描かれ、とてもおめでたい感じがします。 |
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藤尾長鳥模様振袖(ふじおながどりもようふりそで)
黒地に鹿の子絞り(かのこしぼり)の模様や友禅染(ゆうぜんぞめ)の藤の花に尾長鳥をししゅうで表した、ごうかな振袖です。
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