サザンカの園芸品種は花や葉、樹形などの特徴によって「サザンカ群」、「カンツバキ群」、「ハルサザンカ群」の3グループに大別されますが、くらしの植物苑では江戸時代以降に作られた園芸品種を収集し、展示、保存することに努めてきました。
本展では、日本固有種であるサザンカの園芸品種約140品種を鉢植えで展示します。
今年度は「サザンカ今後の展望」をテーマとして、2001年より展示してきた20年を振り返りつつ、遺伝資源としてのサザンカの園芸品種やサザンカの文化史について、パネルで紹介します。
サザンカ群 / 開花期は10~12月
生態・形態的に、サザンカの自生種に近いグループで、一重か二重の花を咲かせます。花色は、白、桃、紅、紅色の覆輪ぼかしがあり、香りが強い種類です。大輪花も多く、「江戸サザンカ」の代表的なものも、この品種群のなかまです。
稲妻(いなづま)
七福神(しちふくじん)
黒紅サザンカ(くろべにサザンカ)
カンツバキ群 / 開花期は11~3月
中部地方に古木が多い「獅子頭」がもとになってつくられたもので、真冬に、八重や獅子咲きなどの華やかな花を咲かせます。花色は、白、桃、紅、紅色の覆輪ぼかしがあり、香りは弱い種類です。
長春(ちょうしゅん)
敷島(しきしま)
富士の峰(ふじのみね)
ハルサザンカ群 / 開花期は12~4月
サザンカとヤブツバキの自然交雑で生まれたと考えられていて、開花が遅く、初冬から春にかけて、一重や八重、千重咲きまでさまざまな花を咲かせます。花色は、白、桃、紅、紅色の覆輪ぼかし、縦絞りがあり、香りはほとんどないものから強いものまであります。
銀龍(ぎんりゅう)
東牡丹(あづまぼたん)
唐衣(からごろも)