くらしの植物苑特別企画

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伝統(でんとう)の古典菊(こてんぎく)

2016年11月1日[火]~2016年11月27日[日]

伝統の桜草

この花を、みなさんは見たことがありますか。これは、歴博で育てている江戸時代から続いて育てられている菊のひとつです。

 

肥後菊 天空の花火
(ひごぎく てんくうのはなび)

 

菊は、日本を代表する園芸植物のひとつですが、もともと日本列島にあった花ではありません。奈良(なら)時代のころ中国から伝わったと言われています。その後、平安・鎌倉(かまくら)時代に、天皇(てんのう)や貴族(きぞく)・武士たちに人気のある花になりました。筆先のような花びらをもつ「嵯峨菊(さがぎく)」は京都嵯峨地方でつくられました。花びらのたれ下がった「伊勢菊」は、三重県松坂地方でつくられました。

それが、江戸(えど)時代にはいると、町人たちも趣味(しゅみ)で菊づくりを行うようになりました。いろいろな品種が作られるようになり、菊づくりが流行したと言われています。それらの流行を支えたのが、熊本県肥後地方でつくられた「肥後菊」と、さき始めてから花びらが変化していく江戸地方(東京都)でつくられた「江戸菊」です。さらに花の中心がもり上がってさく「丁子菊(ちょうじぎく)」が関西地方でつくられ、これらを合わせて古典菊とよんでいます。

今年も、歴博で育てている古典菊と、青森県奥州八戸地方でつくられた「奥州菊(おうしゅうぎく)」、新たに歴博で育てたオリジナルの新花を加え、146品種約300鉢(はち)の古典菊をつぎつぎにさかせてお見せします。今年は、菊の開花がおくれていますので、サザンカといっしょに見に来てください。 さらに今回は、「明治時代の菊ブーム」についてもパネルで紹介(しょうかい)しています。

 

嵯峨菊 嵯峨の泉(さがのいずみ)
細い花びらでさき始めは横に向いて開き、だんだん立ち上がる変化をして刷毛状(はけじょう)にさきます。

伊勢菊 暁紅(ぎょうこう)
花びらがねじれながら開花し、だんだんたれ下がる変化をしてさきます。

 

肥後菊 御所車(ごしょぐるま)
肥後菊の花びらは、一重で数が少なくまばらです。一重の赤い花びらが車輪のように見えます。

江戸菊 新秋の紅(しんしゅうのくれない)
花のさき始めは、花びらがたれ下がり、さき進むと立ち上がり、いろいろ折れ曲がって包みこむようにさきます。めずらしいさき方を見てください。

 

丁子菊 白雲丸(はくうんまる)
花の中心がもり上がってさきます。

奥州菊 華厳の滝(けごんのたき)
両手で花をキュッとつかんだようにもり上がり、外がわの花びらがたれ下がってさきます。

   

あずま屋
七五三作りという仕立て方の嵯峨菊(さがぎく)を見ることができます。外から見るのではなく、あずま屋の中から見ます。中で資料を見たり、休んだりすることもできます。

 

名称
伝統(でんとう)の古典菊(こてんぎく)
開催期間
2016年11月1日[火]~2016年11月27日[日]
会 場
国立歴史民俗博物館 くらしの植物苑
開苑時間
9時30分~16時30分(入苑は16時00分まで)
休苑日
毎週月曜日(ただし月曜日が休日の場合は次の日)
主 催
国立歴史民俗博物館
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