菊は秋になるとよく見られる花ですが、もともとは日本にあった花ではありません。奈良時代ころ中国から伝わり、平安・鎌倉(かまくら)時代からは天皇や貴族・武士たちに好まれるようになりました。
より美しい花が求められ、いろいろな品種がつくられました。そして、不老不死(年をとらない、死なない)のシンボルとして、着物や身のまわりの道具のもようにえがかれるようになりました。
江戸(えど)時代中ごろには、町人たちも菊づくりを始めました。いろいろな品種を改良して、花びらの形や色、花のさき方などをくふうするようになり、植えた鉢(はち)をならべて鑑賞(かんしょう)し合ったり、見世物にして見物客に見せたりするようにもなりました。
このような菊を古典菊といいます。今回は、歴博で育てている約100種類の古典菊を展示します。