頭に白い布を巻いた桂女と思われる二人が、上京の上立売(かみだちうり)通りを歩いている。桂女は、洛西の桂から来て鮎や鮎すしを行商した他、祈祷や祝言も行い、巫女的性格も持っていた。後ろで赤い荷物を頭に乗せた女性も、あるいは一行の一人か。『三十二番職人歌合絵巻』には、鮎桶を横に置いてすわる桂女が描かれている。