上京の小川通りを、二人にかつがれ、前後を四人に警護された輿が通っている。これは肩の上まで担ぎ上げずに、腰の当たりで長柄を持つ手輿(たごし)と呼ばれるもので、長柄についた紐を肩にかけている。中に乗っているのは上級の武家か。『三十二番職人歌合絵巻』にも輿かきが描かれている。