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『もの』からみる近世「百貨店と近世の染織」(第3展示室)「柳田國男と考古学」(4展示室)

『もの』からみる近世「百貨店と近世の染織」(第3展示室)

開催概要

開催期間 2016年10月18日(火)~ 12月18日(日)
会場 国立歴史民俗博物館 第3展示室(近世)副室
料金 一般420(350)円/高校生・大学生250(200)円
中学生以下無料
(  )内は20名以上の団体
※総合展示もあわせてご覧になれます。
※毎週土曜日は、高校生の入館が無料です。
開館時間 9時30分~16時30分(入館は16時00分まで)
休館日 毎週月曜日(祝日の場合は開館し、翌日が休館)
主催 大学共同利用機関法人 人間文化研究機構 国立歴史民俗博物館

趣旨

展覧会が開催されるのは、博物館や美術館などの専門施設だけではありません。百貨店も主要な場の一つです。近代において、百貨店では、新製品を売り出すにあたり、参考品として歴史的な資料を陳列することが行われました。それは、歴史的な裏付けがあるという価値を新製品に与え、所持することの趣味の良さを訴えかける効果がありました。

本展では、「慶長風俗展覧会」(銀座・松屋呉服店、大正15年)、「近松時代風俗展覧会」(長堀橋・高島屋呉服店、大正11年)、「友禅遺品展覧会」(高麗橋および日本橋・三越呉服店、大正9年)と「友禅斎謝恩碑落成法要」(大正10年)をとりあげ、そこで実際に陳列された近世の染織品を展示します。そして、これらの染織品を百貨店がいかに利用したかを見ていくことにより、文化が発見され消費されるさまを示します。

なお、本展は同時期に開催の企画展示「身体をめぐる商品史」の第Ⅱ章「流行の創出と「伝統」の発見」と連動するものです。

みどころ

  • 近世の染織品とともに、それを参考にして制作された着物の図案を写真パネルで紹介します。近世の染織品をもとに、どのように新たな製品がつくられたかが、具体的に御覧いただけます。
  • 日本の代表的な染色技法である友禅染。「友禅遺品展覧会」と「友禅斎謝恩碑落成法要」は、友禅染の祖師を探求し、「天才の芸術家」として顕彰するものでした。天才にはじまる芸術という、友禅染の「伝統」が意図的に創造されていく過程がわかります。
  • 展示する近世の染織品のほとんどが、国内はもとより海外でも高い評価を得ている野村正治郎(古美術商、1879~1943年)のコレクションです。江戸時代の小袖の優品がまとまって見られる貴重な機会にもなっています。

【展示代表 紹介】

澤田和人(さわだ かずと)

国立歴史民俗博物館 情報資料研究系 准教授
専門は染織史。服飾史。絵画史(絵巻)。特に、中世を中心とする染織および服飾・衣装風俗に関する研究をしている。1998年に文学修士(大阪大学)を取得。現在、国立歴史民俗博物館研究部准教授を務める。

主な展示資料

・桜花藤模様小袖(おうかふじもようこそで)(屏風装)(慶長風俗展覧会出陳品)
・藤花舟模様帷子(ふじばなふねもようかたびら)(近松時代風俗展覧会出陳品)
・舟楓千鳥模様小袖(ふねかえでちどりもようこそで)(近松時代風俗展覧会出陳品)
・幔幕桜楓模様振袖(まんまくさくらかえでもようふりそで)(友禅遺品展覧会出陳品)
・松梅鶴模様振袖(まつうめつるもようふりそで)(友禅斎謝恩碑落成法要出陳品)
・藤尾長鳥模様振袖(ふじおながどりもようふりそで)(友禅斎謝恩碑落成法要出陳品)

以上、本館蔵
計約20点(展示替があります)

 

1) 桜花藤模様小袖(おうかふじもようこそで)(屏風装)

江戸時代前期・17世紀
慶長風俗展覧会(銀座・松屋呉服店、大正15年)出陳品

2) 藤花舟模様帷子(ふじばなふねもようかたびら)

江戸時代中期・17~18世紀
近松時代風俗展覧会(長堀橋・高島屋呉服店、大正11年)出陳品

3) 舟楓千鳥模様小袖(ふねかえでちどりもようこそで)

江戸時代中期・18世紀
近松時代風俗展覧会(長堀橋・高島屋呉服店、大正11年)出陳品

4) 幔幕桜楓模様振袖(まんまくさくらかえでもようふりそで)

江戸時代後期・19世紀
友禅遺品展覧会(高麗橋および日本橋・三越呉服店、大正9年)出陳品

5) 松梅鶴模様振袖(まつうめつるもようふりそで)

江戸時代後期・19世紀
友禅斎謝恩碑落成法要(大正10年)出陳品

6) 藤尾長鳥模様振袖(ふじおながどりもようふりそで)

江戸時代中期・18世紀
友禅斎謝恩碑落成法要(大正10年)出陳品

 

「柳田國男と考古学-柳田考古遺物コレクションからわかること-」
(第4展示室)

開催概要

開催期間 2016年4月12日(火)~2016年10月10日(月祝)
会場 国立歴史民俗博物館 総合展示 第4展示室副室
料金 一般420(350)円/高校生・大学生250(200)円/中学生以下無料
(  )内は20名以上の団体
※総合展示もあわせてご覧になれます。
※毎週土曜日は、高校生の入館が無料です。
開館時間

~9月:9時30分~17時00分 (入館は16時30分まで)
10月~:9時30分~16時30分 (入館は16時00分まで)

休館日

月曜 (休日の場合は翌日を休館日とします)
※5月2日(月)、8月15日(月)は開館します

主催 国立歴史民俗博物館

趣旨

昭和初期、柳田國男は、私たち日本人の生活の歴史的変遷を独特の方法で明らかにする民俗学を確立しました。柳田の主張する民俗学は、同時代の人々の生活に息づく伝承を素材とするものでした。つまり、古文書を資料とする歴史学や、出土遺物を資料とする考古学の方法論的限界を鋭く指摘することで、民俗学が誕生したのです。

このような経緯から、これまで柳田は歴史学嫌い、考古学嫌いとみなされてきました。しかし、民俗学を生み出した柳田の考え方の背景に、歴史学や考古学に対する広い関心と深い理解とが横たわっていたことを無視することはできません。特集展示「柳田國男と考古学―柳田考古遺物コレクションからわかること―」では、初公開となる「柳田國男旧蔵考古資料」をとおして、柳田と考古学との関係を考えます。

当館が所蔵するコレクション「柳田國男旧蔵考古資料」は、柳田のご子息為正氏が世田谷区成城にある中の原書店に寄贈したものを、2004年に収蔵したものです。当館では2011~2013年度にかけて共同研究「柳田國男収集考古資料の研究」(研究代表者 設楽博己)を実施して資料の詳細な調査を行ない、遺物の種類や収集地、収集年代などが明らかとなりました。さらに、柳田の考古学に対する関心の移り変わりについても、民俗学、考古学双方の視点から学史的な研究が行なわれました。

本展では、こうした共同研究の成果を一般の来館者のみなさまにご紹介し、民俗学や考古学に対する関心をより一層高めてもらいたいと思います。

【展示代表 紹介】

松田 睦彦(まつだ むつひこ)
所属:国立歴史民俗博物館 研究部 民俗研究系 准教授
専門分野:生業および生業にともなう信仰・儀礼・人の移動に関する研究

みどころ

  • 柳田國男が明治後期にサハリンなどで収集した考古資料67点を初公開!
  • 先住民族の生き残りとしての山人の存在を主張した柳田國男が、その関心を平地に住む人びとに向け、新たに民俗学という学問が形成されていく過程を、柳田宛の南方熊楠の書簡『南方来書』や『椎葉山根元記』(いずれも成城大学民俗学研究所蔵)といった資料から明らかにします。
  • 柳田國男が民俗学を形成していく過程では考古学や人類学が批判の対象となりました。明治から昭和初期にかけて、考古学や形質人類学が様々な議論を経ながら独自の手法を獲得する過程を、伊川津貝塚有髯土偶や大洞貝塚出土縄文土器(東京大学総合研究博物館蔵)といった資料をとおして検証するとともに、柳田國男が考古学から離れていった背景を探ります。

主な展示資料

・柳田國男旧蔵考古資料(本館蔵)
  打製石斧10点(サハリン・ソロイヨフカ、伊那下川路などのラベル付)
  柳田國男の名刺箱とそれに入った石器・化石類14点
  明治39年東京日々新聞とそれに包まれた石器4点

・柳田為正旧蔵考古資料(本館蔵)
  為正の注記ラベル付きの縄文土器一括26点

・伊川津貝塚出土 有髯土偶1点(東京大学総合研究博物館蔵)

・大洞貝塚出土 縄文土器3点(東京大学総合研究博物館蔵)

・『南方来書』(成城大学民俗学研究所蔵)

など約200点

 

柳田國男(明治41年頃)
(成城大学民俗学研究所提供)
「柳田」と書かれた名刺箱に入っていた石器や化石
(国立歴史民俗博物館蔵)

柳田國男『明治三十九年樺太紀行』に出てくる
「ソロイヨフカ」の注記がある石斧 
(国立歴史民俗博物館蔵)

柳田國男が北海道・サハリン旅行の際に 収集したかと
思われるオホーツク文化の十和田式土器
(国立歴史民俗博物館蔵)

 

南方来書 
(成城大学民俗学研究所蔵)

 

関連イベント

ギャラリートーク

日程 時間 担当者
2016年5月15日(日) 13:30~14:00 山田 康弘 (当館考古研究系)
2016年5月28日(土) 11:00~11:30 設楽 博己 (東京大学大学院)
2016年6月11日(土) 11:00~11:30 松田 睦彦 (当館民俗研究系)
2016年6月26日(日) 13:30~14:00 工藤 雄一郎 (当館考古研究系)

※開始時間までに第4展示室副室にお集りください。