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開催概要趣旨

開催概要

身体をめぐる商品史
開催期間2016年10月18日(火)~12月18日(日)
開催期間 2016年10月18日(火)~ 12月18日(日)
会場 国立歴史民俗博物館 企画展示室A・B
料金

一般:830(560)円 / 高校生・大学生:450(250)円 /
小・中学生:無料 /( )内は20名以上の団体 

※総合展示もあわせてご覧になれます。 
※毎週土曜日は高校生は入館無料です。

開館時間 9時30分~16時30分(入館は16時00分まで)
※開館日・開館時間を変更する場合があります。
休館日 月曜日(休日の場合は翌日が休館日となります)
主催

大学共同利用機関法人人間文化研究機構 国立歴史民俗博物館

本展の見どころ

・近代に江戸趣味の光琳模様、元禄模様で新たなデザインを模索した軌跡
・もともと呉服を扱っていた百貨店が洋服や文具、食品なども取り扱い、大衆化していった軌跡
・戦前から戦後と石鹸やシャンプー、歯磨などの衛生用品の変遷
・マラソン足袋、下駄スケート、竹スキーなど昔のスポーツ用具
・化粧品の実物や広告からみた、時代による美意識の変化

展示趣旨

明治末期から工業化が進展し、流通網が発達してから、新商品が開発されるたびに,人々の身体観や商品のデザインは少しずつ変わってきました。その一方で、新たな変化に対する抵抗感や過去の見直しがあって、身体観やデザインは伝統回帰を繰り返してきました。その意味で、身体に関連する商品の開発は、きわめて歴史的、文化的な営みであり、流行の発信源であったといえるでしょう。

そこで、本企画展示では、おもに大正時代から1980年代頃までの身体観やデザインの変化を商品や雑誌、カタログ、広告などで表現していくことで、日本における身体観が変化してきた様子を服飾、レジャー、スポーツ、衛生、美容を中心として描写していくことを目的とします。

 

【展示代表 紹介】

青木 隆浩(あおき たかひろ)

国立歴史民俗博物館研究部民俗研究系准教授
専門は地理学/産業史。
おもに近現代の清酒製造業と近代日本の禁酒運動について研究している。また、近年は日用消費剤や化粧品の研究も進めている。

著書
『近代酒造業の地域的展開』(単著、吉川弘文館、2003年)
『地域開発と文化資源』(編著、岩田書院、2013年)

展示構成

Ⅰ 百貨店の誕生と身体の商品化

1904(明治37)年に三越呉服店はデパートメント宣伝をし、取扱品目や顧客層を少しずつ広げていきました。

1.百貨店誕生と消費文化の広まり
2.商品の多様化と規格化
3.地方への普及と大衆化

百貨店自体がメディアだった!

大正時代中頃までは、ナショナルブランドが確立されておらず、百貨店やその他の小売店のもつ商品知識や、それらで発行していたPR誌、カタログ、ショーウィンドウなどが重要な広告媒体でした。一方でメーカーは、宣伝機会が品評会や博覧会、ポスター、チラシ、新聞広告などに限られており、かつ未発達な流通網に制約されて、ブランドを確立するのが難しい状況でした。このため、都市部の百貨店やその他の小売店が、長い間華やかに流行を演出してきました。

三越双六 1928(昭和3)年 館蔵 男児用三つ揃え上着 1940年代 館蔵 今様 40-10 1907(明治40)年 個人蔵

 

Ⅱ 流行の創出と「伝統」の発見

三越は、1905(明治38)年に有識者を集めて流行会を結成した後、学術との関わりを深めていきました。

1.花開く流行
2.「伝統」の発見

伝統回帰と進化の躍動

三越は、近代化を進めると同時に、あえて江戸らしさを取り込むことで新たなデザインをうみだしていきます。その原動力となっていたのが、「学俗協同」という立場です。三越は、この考え方によって、歴史学や人類学などの研究成果を見直し、新たな商品開発に取り込んでいきました。

みつこしタイムス8-11 1910(明治43)年 個人蔵 舫舟水草模様小袖 江戸時代中期 館蔵

 

Ⅲ 健康観の変遷

レジャーやスポーツの普及には、お雇い外国人の趣味と軍事訓練が大きく影響しています。

1.レジャーの流行
2.体操とスポーツの流行

お雇い外国人から大学、軍事、健康へ

明治初期にお雇い外国人は、日本の大学生に欧米のスポーツを広めていきました。ところが、戦時色が強まるにつれ、運動には武士道精神が重要視され、娯楽性が否定されるようになりました。

郡山女学校第一回金剛登山(其の二)
大正~昭和初期 館蔵
彦根高等女学校合同体操
1926(昭和元)年 館蔵
ラジオ体操五周年
1933(昭和8)年 館蔵

Ⅳ 衛生観の芽生え

昭和に入ると、健康や衛生が新商品開発のテーマになっていきました。

1.「衛生」以前
2.洗う習慣と石鹸の多様化
3.磨く習慣の変化

健康から衛生観へ

もともと、日本では頻繁にお風呂に入る習慣がありませんでした。また、明治時代の石鹸は洗濯用で、体を洗うのに適していなかったのです。そこで、明治20年代から顔を洗える高級な化粧石鹸が開発され、昭和初期には髪専用のシャンプーが発売されました。一方、歯磨は大正時代に、小学生と母親に向けた啓蒙活動がおこなわれ、戦後以降に品質改良が進められるとともに、日常の習慣となっていきました。

時世粧年中行事之内 競細腰雪柳風呂
江戸時代 館蔵
カネボウ絹石鹸
昭和20年代 館蔵
ねる前の三分物語
1930(昭和5)年 個人蔵

 

Ⅳ 美容観の変遷

もともとクリームと白粉を中心にしていた日本の化粧法は、1960年代に入ってから目や口を強調するものに変わっていきました。

1.伝統的な美意識の中の美容
2.欧米化による美意識の変化
3.個性化の時代へ

和風から欧米化、個性化へ

クラブはき白粉
1939(昭和14)~1940(昭和15)年
個人蔵
近代の化粧は、水性のバニシングクリームを塗った後に白粉を薄くのばし、ほほ紅と口紅を塗る単純なものでした。それが、1960年代前半に入ってからピンク色の口紅が流行し始め、1960年代後半には夏の日焼けとともにアイメイクが普及していきました。そして、化粧品のモデルはそれまでの日本の映画女優から、ハーフモデルや外国人モデルへと変わっていったのです。とくに1970年前後は外国人風のメイクが流行しました。

ところが、1970年代後半になると、和の美を見直すようになり、アイメイクが目立たなくなっていきます。そして、1980年代中頃からは、化粧品のモデルにアイドルが起用されるようになって、女性のかわいらしさを強調するようになっていきました。同じ頃、メイク用品の色がカラフルになって、パレットやクレヨンが発売され、注目をあびました。

主な展示資料

  • 時世粧年中行事之内 競細腰雪柳風呂 江戸時代 館蔵
  • 舫舟水草模様小袖 江戸時代中期 館蔵
  • 軍隊で使用した大正時代のスキー 大正時代 秩父宮記念スポーツ博物館
  • キャンディトーン ポスター 1961(昭和36)年 資生堂企業資料館蔵

など  約670点

1)女性美手帖
(1937(昭和12)年) 個人蔵
2)クラブはき白粉
(1939(昭和14)-1940(昭和15)年) 個人蔵
3)お化粧 クラブ本店編
(戦前) 国立歴史民俗博物館蔵
 
4)レートメリー(白粉)
(1902(明治35)年~) 国立歴史民俗博物館蔵
5)引札三越呉服店
(1896(明治29)年) 国立歴史民俗博物館蔵
6)カネボウ絹石鹸
(1940(昭和20)年代) 国立歴史民俗博物館蔵
7)資生堂オリーブ石鹸
(1940(昭和20)年代) 国立歴史民俗博物館蔵
8)御園白粉
(大正時代)  国立歴史民俗博物館蔵
9)クラブ歯磨
(1903(明治36)年) 国立歴史民俗博物館蔵
 
10)男児用三つ揃え上着
(1940(昭和20)年代) 国立歴史民俗博物館蔵
11)舫舟水草模様小袖
(江戸時代中期) 国立歴史民俗博物館蔵
12)錦絵「柳家 お藤」
(昭和後期) 国立歴史民俗博物館蔵
 
13)浮世絵「江戸名所百人美女 薬げんぼり」
(江戸時代) 国立歴史民俗博物館蔵
14)ラジオ体操5周年ポスター
(1933(昭和8)年) 国立歴史民俗博物館蔵
15)彦根高等女学校合同体操
(1926年) 国立歴史民俗博物館蔵
 

歴博講演会

「身体をめぐる商品史一学問と企業の役割一」

※事前申込不要、先着順。

開催日時 11月12日(土)13:00~15:00
講師 岩淵令治(学習院女子大学教授)・青木隆浩(国立歴史民俗博物館研究部民俗研究系准教授)
会場 国立歴史民俗博物館 講堂(定員260名)

※内容は変更する場合があります。ご了承ください。