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開催概要趣旨関連の催し

開催概要

世界の眼でみる古墳文化
開催期間2018年3月6日(火)~5月6日(日)
開催期間 2018年3月6日(火)~5月6日(日)
会場 国立歴史民俗博物館 企画展示室A・B
料金

一般:830(560)円 / 高校生・大学生:450(250)円 /
小・中学生:無料 /( )内は20名以上の団体 

※総合展示もあわせてご覧になれます。 
※毎週土曜日は高校生は入館無料です。
※高校生及び大学生の方は、学生証等を提示してください。
 (専門学校生など高校生及び大学生に相当する生徒、学生も同様です)
※障がい者手帳等保持者は手帳提示により、介護者と共に入館が無料です。

開館時間 9時30分~17時00分(入館は16時30分まで)
※開館日・開館時間を変更する場合があります。
休館日 月曜日(休日の場合は翌日が休館日となります)
主催 大学共同利用機関法人人間文化研究機構 国立歴史民俗博物館

趣旨

日本列島には、3世紀中頃から6世紀までの約350年間、世界史的に見ても稀なスケールをもった先史モニュメントが築かれました。それは現代でも地域の景観を演出し、一部はいまだに国家的祭祀の対象となっています。

本展は、2019年の第1展示室[先史・古代]のリニューアルオープンに先立って、日本の歴史と文化の最大のシンボルともいえる古墳を、世界の先史モニュメントと比較して特質をあぶり出し、その主人公として葬られた王の姿を出土品などから復元します。さらに、そのような王や古墳の姿を、現代日本のアートやサブカルチャーの担い手、世界の考古学者たち、古墳が築かれたのちの今までの日本人や日本社会がそれぞれどんなまなざしで見つめ、そこに何を求め、未来にどう伝えようとしているのかを、作品・写真・古文書・出土品・複製品など約100点のさまざまな展示を通して明らかにします。

百舌鳥古墳群空撮写真(堺市提供)

『阿不幾乃山陵記』(田中穣氏旧蔵)重要文化財 本館蔵
陵墓古墳をめぐる事件を記した鎌倉時代の貴重な文献

本展の見どころ

  • 世界先史文化の名だたる巨大建造物をそれぞれ専門の研究者が解説する中に古墳の模型や説明を置き、日本の古墳が世界の中でどれほど巨大なのか、なぜ巨大なのかを浮かび上がらせます。
  • 重要文化財の出土品や新たに作成した大型レプリカを駆使して、巨大な古墳に眠る王の姿と、その本当の役割を再現します。
  • 有名アーティストが、古墳の武装具研究の成果を盛り込んだ英雄像を描き、サブカルチャーと考古学のコラボによって古墳と王の新しいイメージを示します。
  • 日本だけでなく世界の人びとの、現代だけでなく過去の人びとの、学者だけでなく行政や社会にたずさわっている人びとの眼から、古墳のもつ多様な意味や役割を浮き彫りにします。
  • 実寸大レプリカや細密な模写画像によって再現された装飾古墳の石室の世界を体験していただくことで、自らの心と身体で古墳とは何かを洞察できます。

古墳とは・・

西暦250年頃から約350年間、九州から東北までの日本列島各地(最終的には北海道にも伝播)に築かれた、土を盛った墓である。大は長さ480mの大阪府大仙陵古墳から、小は径10m程度の円墳まで、さまざまな大きさや形に築かれた。そのことによって、葬られる人びとの社会的な地位や相互関係がビジュアルに示されていたのである。同じような現象は世界各地の先史社会にも認められるが、日本列島の古墳はその規模と築造数で群を抜いている。

 

展示構成紹介

【第1章】王権とモニュメント

文字をもつ国家や宗教が生み出される直前に、神の偉大さや王の偉さを人びとの素朴な感覚に訴えて表現するしかけ-先史モニュメント-が盛んに築かれる社会段階があり、日本の古墳時代はその顕著かつ代表的な社会でした。先史モニュメントは、神のすまい(神殿)、王の墓(墳墓)、行為の場(広場やサークルなど)さまざまな形をとり、それがその社会の特質を反映していることを、パネルで解説します。

倭の代名詞的モニュメント・前方後円墳
(群馬県保渡田八幡塚古墳)

古墳時代の王の名が金文字で刻まれた鉄剣
(埼玉県稲荷山古墳・レプリカ)本館蔵
(原品:国宝、埼玉県立さきたま史跡の博物館蔵)

 

【第2章】王と墓:権威と象徴性

中南米(マヤ/モチェ)、北米(カホキア/マウンドヴィル)、ヨーロッパ(ケルト)、韓国(高句麗/百済/新羅/加耶)、中国(秦/漢)という5地域の先史モニュメントを、それぞれパネル・映像および少数精鋭の出土品(レプリカ)により、その特質を浮かび上がらせます。

マヤの神殿は古いものを新しいものが埋め込むように重層的に作られます。

神殿の形成過程が社会の変化の過程を物語ります。大きいものを一度に作る日本の古墳とは大きな違いがあります。

マヤの王が眠る神殿(16号神殿)

展示室の中央には、巨大古墳の模型(上石津ミサンザイ古墳)、巨大古墳群(百舌鳥古墳群)の航空写真を置き、古墳の特質についてのパネルと映像を添えることによって日本の古墳とその社会の特質を解説します。

(1)倭の前方後円墳

長さ480mの大仙陵古墳を筆頭に200m以上の巨大前方後円墳は約40基。これら大阪・奈良を中心としつつ、西の岡山や東の群馬などにも築かれます。100m以上のものともなると、鹿児島から宮城までの各地にあります。大王から地方のボスまで、墓造りに膨大なコストが注がれた一方で、城や都市はほとんど発達しない社会ができました。

(2)朝鮮半島の墳墓
朝鮮半島最大の墳墓は長さ120mの新羅の王墓。100mに達するのはめったになく、比較的小さな円墳を累々と築くのが王たちの墓所の演出でした。倭ほどは墓造りだけに注がれなかったコストは、王都の城壁や山城など、軍事的な施設に振り向けられました。仏教建築も、百済や高句麗では早くから現れました。
(3)中国王朝の墳墓 戦国時代から秦・漢代にかけて、諸侯や皇帝の墓を大きく造ることが流行しました。その頂点は、一辺の長さが370mの大墳丘に兵馬俑坑などの付帯施設をはべらせた始皇帝陵です。ただ、権威を表現する場は墓だけでなく、都市や軍事施設も発達しました。
(4)欧州の墳墓 ヨーロッパでは、日本の縄文時代後期~弥生時代前期に当たる紀元前2,200年~800年の青銅器時代~鉄器時代に、王や有力者を円形の墳丘墓に葬る風習が盛んになり、鉄器時代には直径100mに達する巨大なものも現れました。それに比べると、都市や軍事施設の発達は本来顕著でなく、むしろローマ支配の拡大によってそれらが伝わりました。
(5)北米の墓と神殿
アメリカ大陸は南北を通じて、墓よりも神殿が、王たちの権威の中枢として発達しました。北米では何度かにわたり、神殿の基壇として土築の大マウンドを造る文化が発達しました。そのマウンドの中には、王の華麗な埋葬を覆うものもあります。これらのマウンドのふもとに、広場や通路を伴う祭祀都市が発達しました。
(6)中南米の墓と神殿 中米や南米では、北米の土築に対して石を多用した神殿やピラミッドを築く文化が、各地で何度にもわたって栄えました。神殿は、小さいものの上に大きいものをかぶせるように、長い年月をかけて累積的に造られたものがあり、それを中心に、広場や通路を伴う祭祀都市が発達しました。アメリカ大陸では、南北を通じて軍事施設は顕著でありません。

 

【第3章】古墳時代の王の姿

古墳の王や神に添えられた品々、すなわち武具(熊本県マロ塚古墳・重要文化財)、鏡(奈良県マエ塚古墳)、手工業品(大阪府蔀屋北遺跡ほか出土馬具レプリカ、須恵器)、祭祀遺物(福岡県沖ノ島祭祀遺跡:レプリカ)などの陳列、および武人埴輪(本館蔵)、須恵器大甕(大阪府大庭寺遺跡)、日本最大の家形埴輪(大阪府今城塚古墳:レプリカ)、囲形埴輪(大阪府狼塚古墳:レプリカ)などの展示によって、英雄、呪術者、司祭者、手工業の元締めなど、さまざまな顔をもって人々に畏怖され尊敬された王の実像を再現します。

武装男子立像埴輪(伝群馬県出土)本館蔵

鉄製短甲(上半身のよろい、熊本県マロ塚古墳出土)
重要文化財
 本館蔵

 

【第4章】古墳時代へのまなざし

英国の墳丘墓の調査風景

英国・ドイツという、日本の考古学に大きな影響を与えてきた国の考古学者に、それぞれの国で日本の古墳がどのように知られ、社会に提示されているかをご紹介します。また、有名アーティストによる創作原画と、既発表の原画に制作時の逸話などを載せた小イラストを添え、アーティストから見た古墳と王のイメージを展示します。

(1) 海外の考古学と博物館から(英国・ドイツ)
(2) 現代アートから

【第5章】古墳を見る「いま」の眼

百舌鳥・古市古墳群の世界遺産登録を目指す取り組みをご紹介します。巨大古墳の大多数を占める陵墓の保全と調査の取り組みも、陵墓の調査で得られた実物資料(埴輪片)およびパネルで展示します。

また、装飾古墳石室内部の実寸大レプリカ(熊本県千金甲1号墳)を中心に、それ自体が美術品である日下八光氏の模写画(実物・焼き付け)を展示して、装飾古墳石室内部の雰囲気を再現。模写やレプリカが、古墳を未来に伝える意義をもつことを説明し、その最新の取り組みとして装飾古墳石室のCG動画(福岡県五郎山古墳)を上映します。併せて、東日本大震災や熊本地震に直面した文化財としての古墳が、被災をどのように乗り越えて未来に伝えられようとしているかをパネルで解説します。

装飾古墳石室の実大模型(熊本県千金甲1号墳) 
縦約3m×横約2.4mの実物大の装飾古墳石室内部を展示室に再現展示します。約25年ぶりになる装飾古墳石室内部のレプリカの展示です。本館蔵。
(撮影 株式会社便利堂)

 

装飾古墳壁画の復元模写(熊本県釜尾古墳)本館蔵

 

【展示代表 紹介】

松木 武彦(まつぎ たけひこ)国立歴史民俗博物館 考古研究系 教授

日本列島の古墳時代を、国家形成理論、進化・認知科学、人口および古気候の復元などをもとに、人類史の中に位置づける試みを進めている。

上野 祥史(うえの よしふみ)国立歴史民俗博物館 考古研究系 准教授

主要研究課題は、漢三国六朝期の古代東アジア世界の展開。

主な展示資料

大阪府七観古墳出土 衝角付冑 国立歴史民俗博物館蔵
ペルー モチェ遺跡出土 鎧形象形土器 東京大学総合研究博物館蔵
奈良県マエ塚古墳出土 鏡 国立歴史民俗博物館蔵
熊本県マロ塚古墳出土 鉄製武具<重要文化財> 国立歴史民俗博物館蔵
大阪府上石津ミサンザイ古墳出土 形象埴輪 宮内庁蔵
阿不幾乃山陵記(田中穣氏旧蔵)<重要文化財> 国立歴史民俗博物館蔵
聆濤閣集古帖 国立歴史民俗博物館蔵
福岡県日ノ岡古墳ほか 石室壁画模写(日下八光氏) 国立歴史民俗博物館蔵
熊本県千金甲1号墳装飾横穴式石室 実物大模型 国立歴史民俗博物館蔵

計約100点(展示替えがあります)

モチェの鐙形象形土器
ペルー モチェ遺跡出土
東京大学総合研究博物館蔵
仁徳陵対比図
(堺市提供)

 

歴博講演会

「世界の王墓、日本の古墳」

開催日時 4月14日(土)13:00~15:00
講師 松木 武彦(本館研究部考古研究系教授)
会場 国立歴史民俗博物館 講堂

そのほか、関連イベント(検討中)

企画展示会期中、開催予定(ギャラリートークなど)

※詳細は、決まり次第お知らせします。

※展示内容は変更する場合があります。ご了承ください。