期間限定の展示資料:第2展示室

王朝文化

終了予定日:2024年5月19日(日)

西宮記(旧高松宮家禁裏本) 本館蔵

平安時代中期に、醍醐天皇皇子の源高明(914~982)によって作られた私撰の儀式書。書名は平安京右京(西京)にあった邸宅にちなんで、高明を「西宮左大臣」と呼んだことによる。村上天皇の頃の恒例・臨時の儀式、政務の進め方などが勘物(事例などの書き込み)とともに記されている。全23冊。

時代:江戸時代|数量:1冊

江家次第 本館蔵

平安時代後期に大江匡房(1041~1111)が後二条関白藤原師通の命によって編さんした私撰の儀式書。別名『江次第』。天永2年(1111)頃の成立。全21巻(巻16・21を欠く)。恒 例の朝議、臨時の神事・仏事、政務の進め方などが記されている。

時代:江戸時代|数量:1冊

和漢朗詠集 下 零巻 (田中教忠(のりただ)蒐集) 本館蔵

平安中期の貴族藤原公任(きんとう)(966~1041)によって編纂された漢詩文の佳句と和歌の詞華選集。1018年頃の成立。本写本はその下巻で、朱訓点が付される。また出典等に関する注が書き込まれている。公任は詩歌管弦にすぐれていたことで知られ、また儀式書『北山抄』を編纂するなど故実にも詳しかった。

時代:鎌倉時代後期写|数量:1巻

源氏物語 薄雲 (旧高松宮家禁裏本) 本館蔵

伏見宮邦高親王・近衛政家・一条冬良ら、公家や僧侶が54帖を各帖ごとに分担して書写したもの。冬良が統轄者で、各帖に冬良自身の奥書がある。本文は『源氏物語』の中でも河内本系に属する。

時代:14世紀|数量:1巻

古今和歌集(俊成本)下 本館蔵

10世紀初期に成立した勅撰和歌集。巻末に永暦2年(1161)の藤原俊成の奥書が書写した、いわゆる俊成本の古写本であり、その古い形態を伝える最古本として貴重である。

時代:13世紀後期|数量:1巻

類聚雑要抄 巻第三 複製 原品:本館蔵

貴族階級に必要な有職(宮廷の儀礼等に関する知識)についてまとめた書。12世紀末頃に成立。饗宴の際の饗鐉(もてなしの膳)や寝殿の内部とその調度などを、彩色によって詳細に描いている。平安時代末期の有職故実研究の重要な資料。

時代:18世紀|数量:1巻

終了予定日:2024年7月15日(月・祝)

金光明最勝王経 巻第六 複製 原品:奈良県西大寺

天平宝字6年2月8日、百済豊虫が両親の追善のために発願した供養経。全巻にわたって白点(第二群点)と白書の注記があり、さらに朱点が加筆されている。白点は天長7年(830)頃と推定されている。また朱点は喜多院点で、承徳元年(1097)に加えられた。

時代:天平宝字6(762)年|数量:1巻

終了予定日:2024年7月21日(日)

紙本墨書宮城図 複製 原品:京都府 陽明文庫蔵

宮城図(大内裏図)・内裏図・八省院図(朝堂院図)・豊楽院図を収める。『延喜式』(九条家本)の付図とともに平安時代の大内裏の様子をうかがわせる重要な資料。巻末に元応元年に僧頼円が鎌倉の足利上総前司の館で書写した旨の奥書がある。

時代:元応元(1319)年|数量:1巻

御堂関白記 上巻 複製 原品:京都市 陽明文庫蔵

藤原道長(966~1027)39歳の年の自筆日記。時に正二位左大臣で、公卿の筆頭の地位に昇っていた。道長の自筆日記は現在14巻が伝わっており、いずれも一日分3行取りの具注暦(日の吉凶などの注があらかじめ書き込まれている暦)の行間余白に日記を書いている。

時代:寛弘元(1004)年|数量:1巻

印刷文化

終了予定日:2024年5月6日(月・休)

【国宝】宋版史記(黄善夫刊本) 巻四五 本館蔵

史記集解・索隠・正義の三注合刻本で、全130巻完存した現在最古本。「建安黄善夫刊・于家塾之敬室」の刊記があり、建安(現在福建省)で刊行。直江兼続・上杉藩校興譲館伝来。

時代:南宋慶元年間(1195~1201)刊|数量:1冊

【重要文化財】宋版備急千金要方(びきゅうせんきんようほう) (金沢文庫本) 巻第一六 本館蔵

唐代に成立した医書。本書の開版は南宋の孝宗〈1163~1190〉頃のことと推定される。本文中には補刻の部分も多いが、13世紀初期のものと考えられる。金沢文庫の黒印が押されている。

時代:南宋・12世紀後期刊|数量:1冊

新刊五百家嘉慶註音弁唐柳先生文集 五山版 巻第四〇 本館蔵

刊記に見える兪良甫は、明国福建仁徳里台諫坊の住人であったが、わが国に渡来し、京都に住んで、五山版の刊行に携わった。彼の他にも明の刻工が来朝しているが、その活躍を示すものである。

時代:嘉慶元年(1387)刊|数量:1冊

版本法華疏記(ほっけしょき) 叡山本 巻第一本 本館蔵

本書は、法印権大僧都承詮が願主となり、弘安5(1282)年~永仁4(1296)年頃にかけて、開版したもの。叡山版は、南都版や高野版に比して遺品が少なく貴重。版下筆者に宋人了一の名が見える。

時代:13世紀末刊|数量:1冊

版本群書治要 古活字版(銅活字)駿河版 巻三六

徳川家康は駿府(静岡市)に隠棲後、銅活字を鋳造して印刷を行わせたが(いわゆる駿河版)、本書はその一つである。そのときの銅活字は現存し、重要文化財に指定されている。

時代:元和2(1616)年刊|数量:1冊

版本大学衍義 朝鮮活字版 巻第九 本館蔵

本書は、朝鮮で宣徳9年(1434・甲寅年)に鋳造された銅活字「甲寅字」によって印刷されている。その文字・印刷は美しく、朝鮮における銅活字印刷技術の水準の高さをよく示している。

時代:16世紀|数量:1冊

版本貞観政要 巻第七・八 本館蔵

関ヶ原合戦直前の慶長5年2月、西笑承兌が徳川家康の命により刊行した旨の刊記がある。ここには家康が、秀吉の遺命により秀頼をよく輔佐していることを讃えているのが注目される。

時代:慶長5(1600)年刊|数量:1冊

版本源氏物語 古活字版 幻 本館蔵

源氏物語の最古の版本として著名。標題は光悦風の書で、いわゆる嵯峨本の一つとされている。刊記はないが、慶長年間(1596~1614年)頃に木活字をもって印刷されたものである。

時代:17世紀初期|数量:1冊

版本太平記 巻第二三・二四 本館蔵

太平記は古活字版の国文学書の中でも最も早く開版され、重版も多い。本書も刊記には「慶長十五年(1610)」とあるが、開版時の刊記を継承した元和~寛永ころの重版と推定される。

時代:17世紀前期|数量:1冊

東国と西国

終了予定日:2024年6月30日(日)

尾張国富田庄絵図 複製 原品:円覚寺蔵

富田庄は円覚寺が地頭職を持った荘園で、現名古屋市中川区富田付近に当たる。本図は富田庄の領域と隣接地域を示したもので、右上の萱津宿をはじめ、村落・寺社・堤など当時の景観を知る好資料である。

時代:14世紀|数量:1幅

薩摩国伊作庄日置北郷下地中分図 複製 原品:東京大学史料編纂所蔵

伊作庄は現鹿児島県日置郡日吉町付近。荘園領主は本所が近衛家、領家が興福寺一乗院で、鎌倉末期の元亨4年(1324)に地頭大隈氏との間で下地中分が行われ、中分線を明確にするために本図が作成された。

時代:元亨4(1324)年|数量:1幅

越後国奥山庄波月条近傍絵図 複製 原品:中条町役場蔵

奥山庄の地頭三浦和田氏の所領相続に関する相論の過程で描かれた絵図。論点の波月条が朱線で囲まれている他、地頭の屋敷や市場(七日市・高野市)、鋳物師の家などが描かれていることも興味深い。

時代:建治3年(1277)ころ|数量:1幅

陸奥国骨寺村絵図(その一) 複製 原品:中尊寺

骨寺村(現一関市本寺)は中尊寺に近い農村で、同寺の経蔵別当が直接支配を行っていた。絵図からは耕地と居宅がセットになった「在家」が盆地内に散在する様子がよくうかがえ、骨寺堂などの記載も見られる。

時代:鎌倉時代末か|数量:1幅|

和泉国日根野村近隣絵図 複製 原品:宮内庁書陵部蔵(九条家文書)

日根庄は摂関家のひとつ九条家の荘園。この絵図は14世紀ころの「荒野」の開発に際して、日根野村付近の様子を描いたもの。図の上部に「日根」と記録され、左寄りの中央から下部にかけては「荒野」が描かれている。

時代:14世紀初|数量:1幅

民衆の生活と文化

終了予定日:2024年6月30日(日)

年中行事絵巻 複製 巻第一二 原品:京都芸術大学蔵

原本は後白河法皇が作らせた60余巻の絵巻。近世の模写で一部が伝存する。展示しているのは、「祇園御霊会」や「稲荷御霊会」などの祭礼の様子を描いた部分。「御霊会」は、病気をはやらせる貴族や天皇の怨霊をなぐさめて病魔を退散させようとした祭礼で、都の祭りはこれから始まった。

時代:12世紀|数量:1巻

大名と一揆

終了予定日:2024年5月6日(月・休)

【重要文化財】色々威腹巻大袖付 本館蔵

時代:16世紀|数量:1領

「宇治堀家文書(うじほりけもんじょ)」 第一巻 本館蔵

京都宇治茶師の堀家が所有した、平安時代~室町時代の古文書146通3巻のうち。

右の文書は、宇治坂井土須袋跡畠地の売券、一の坂とは古代以来の地名としてみられる宇治丘陵にかかる坂で、近世には宇治茶師が軒を連ねていた。

左の文書は伊勢田郷(いせだごう)(現京都府宇治市伊勢田町)西尼寺(にしあまでら)北縄本(きたなわもと)の田畠売券。妙楽寺への年貢二斗二升は、「八升斗(はっしょうます)」で計量せよと伝えられる。中世は計量器が統一されていなかったため、同じ「一升」だとしても計量升(斗)の種類によって量が異なっていた。

●大館幸弘畠地売券(おおだちゆきひろはたちばいけん)
写真釈文(読み)
●須文等連署田畠譲状(すぶんられんしょでんはくゆずりじょう)
写真釈文(読み)

時代:平安時代 〜 室町時代|数量:1巻大

「越前島津家文書(えちぜんしまづけもんじょ)」 本館蔵

越前島津家は薩摩(さつま)島津氏の同族で、鎌倉初期に越前守護代(しゅごだい)となったことが家名の由来だが、実際は播磨国(はりまのくに)の武士であった。江戸時代、その中世文書群は薩摩島津氏の分家である重富(しげとみ)島津家に伝えられた。

両通とも、室町幕府の奉行人(ぶぎょうにん)が将軍足利義政(あしかがよしまさ)の命令をうけて発給した文書。

右の文書は、播磨国(はりまのくに)布施郷(ふせごう)(現兵庫県たつの市)の地頭職(じとうしき)と下司(げし)・公文両職(くもんりょうしき)について、島津忠光(ただみつ)の申請通りに忠光に返還することを義政が命じたことを受けて、忠光の代官に交付するように同国守護の赤松政則(まさのり)に通知したもの。

左の文書は、守護による布施郷地頭職の交付が滞った事態を受けて、忠光に自身が布施郷に入部して、妨害する者たちがいたら幕府に注進するように通知したもの。

●室町幕府奉行人連署奉書案(むろまちばくふぶぎょうにんれんしょほうしょあん)(竪紙)(たてがみ)
写真釈文(読み)
●室町幕府奉行人連署奉書(むろまちばくふぶぎょうにんれんしょほうしょ)(竪紙)(たてがみ)
写真釈文(読み)

時代:鎌倉時代~室町時代|数量:1巻

大航海時代のなかの日本

終了予定日:2024年5月6日(月・休)

南蛮屏風 復元模写 原品:本館蔵

時代:17世紀|数量:1点

終了予定日:2024年5月12日(日)

錆地五枚胴具足 本館蔵

甲冑はその時代の主要武器のありようを反映している。弓矢が盛んだと大鎧。刀や薙刀だと腹巻・胴丸の類である。さらに鉄砲や鑓の歩兵集団戦が主体になると、鑓先や玉を外すために鉄板仕立の新様式の当世甲冑が流行した。

時代:文禄3年5月(1594)|数量:1領