基盤研究(B)一般

高精度14C年代測定にもとづく先史時代の人類活動と古環境の総合的研究

研究期間:2018年度~2021年度

研究代表者 工藤 雄一郎(本館・研究部)
研究分担者 百原 新(千葉大学)
小林 謙一(中央大学)

研究目的

考古学における14C年代測定の普及とその高精度化により、旧石器時代から縄文時代の考古遺跡の年代を極めて明瞭に捉えられるようになった。古環境復元のための資料も同様に精度の高い年代が与えられ、人類史と環境史との厳密な時間的対比が可能となりつつある。

一方で、高精度化以前に測定された遺跡・古環境資料も多い。それらは極めて重要資料にも関わらず、現在の研究レベルでは年代学的比較研究に耐えない。そこで本研究では、旧石器時代から縄文時代における考古遺跡と古環境の双方が調査された既発掘遺跡出土資料を中心に新たに高精度な14C年代測定を行う。これにより、遺跡と当時の古環境情報とを対応させ、人類活動の変遷とその背景となる古環境との関係を解明する。これとともに、既存の年代測定例を集成・データベース化して活用できるようにし、先史時代の人類活動の変遷を正確な「時間軸」に基づいて記述できるようにする。