研究活動スタート支援

明治維新と武家の北海道移住に関する研究

研究期間:2013年度~2014年度

研究代表者 三野 行徳 (本館・外来研究員)

研究目的

本研究は、北海道へ移住した武家3家(亘理伊達家・片倉家・富江五島家)を対象に、その移住と、移住後のあらたな共同体の形成過程を検討することを目的とする。このさい、(3)移住によって惹起される新たな「関係」と、(2)移住によって分断される「アーカイブズ」に留意して検討を進める。上記3家は移住にさいし、何らかの選別をしたうえでアーカイブズを北海道へ持ち込んでおり、アーカイブズは旧領地と移住先とに分断されて伝来している。これらは中世末期から近世・近代の各家の記憶を伝える一方、移住先でのあらたな関係や共同体の形成過程を克明に記録している。また、屯田兵や近代戦争、高度成長を経て現在に至るまで、社会のなかで固有の役割を果たしている。本研究は、特に現在に至る伝来過程に注目してアーカイブズを悉皆調査することにより、武家の北海道移住が惹起する新たな「関係」と、アーカイブズの歴史的役割を検討することを目的とする。